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「ただいまー」
桜はいつものように友達と別れ家に到着した。
最近は、向日葵と帰る時間が違うため、向日葵は先に帰っている。
「お帰り桜。今日も寒かったでしょ」
「愛ちゃん、さっき拓ちゃん見たよ」
「そうなの。そう言えば今日は帰ってくるの遅いね」
「公園で女の人とお話してた・・・」
桜は学校からの帰り道、拓斗と佐伯がいた公園の横をいつも通っているのである。
「そ、そうなんだ、会社の人かな?」
「同じ作業服着てたから会社のひとなんじゃないの・・・なんか楽しそうに話してたけどね」
「そうなんだ・・・会社のことでも話してたんじゃないの?」
「さぁー・・・わかんないけど・・・」
桜はそれ以上なにも言わなかった。
しばらくして、拓斗が帰ってきた。
「おかえり、今日は遅かったね」
「あー、今日は残業だったからね」
「そうなんだ・・・」
愛は、それ以上何も言わなかった。
拓斗のことを信じていないわけではないが、もしもということもある。
愛の頭の中を、不安がよぎったのだった。
拓斗も、佐伯の相談にのっていたことは黙っていることにした。変に話して誤解されても困るからだ。
「さぁー、ご飯にしようか」
ぎこちない空気の中、四人は食卓を囲ったが、拓斗はまだ愛と桜がすでに誤解していることに、もちろん気づいていなかったのだった。




