7-15
愛は、拓斗と子供達を送ったあと、いつものようにスーパーまで買い物に向かい、帰ってくると毛布にくるまり、そして、再放送のドラマを見ていた。
昼は一人なので、何も作る気にもなれず、何も食べていない毎日が続いていたのだった。
一人になると考えたくないが、地元のことがいつも気になる。
『ちょっとぐらいならいいかな・・・・』
愛は、駆け落ちしてから電源をいれていない携帯を、何気に見てみようと電源を入れたのだった。
電話の履歴はすさまじく、いなくなった日から1週間近くは、数えきれないほどの電話がかかっていたのだった。
大和、香奈、そして愛の両親からだった。
年が明けてからからは、少しずつ減ってきている。だが、大和からは全くといっていいほど、電話はかかっていなかった。
毎日かけてくれてるのは、愛の親だった。
朝と夜に必ずかけてくれている。
やはり、自分の子供と孫が行方不明になっているのだ。心配しないほうがおかしい。
メールの問い合わせをすると、こちらもなん十件と届いていた。
恐々内容を見てみると、大和からは
《どこへいった》
《子供を巻き込むな》
《裏切りやがって》
《二度と帰ってくるな》
きつい言葉が、永遠続いていた。
分かっていたことだが、寒気が走り身体中が凍りついた。
茜からもメールは届いており、心配してくれている。
そして、毎日欠かさず届いているのは、親からだった。
父の義雄に関しては、メールなんて打てなかったはずなのに。母の昌子に教えてもらいながらうってくれているのだろう。
母の昌子には、大和のことでよく愚痴っていたので、愛の気持ちもよくわかっていたはずだった。
愛は、昌子のメールの中の1つに目が止まった。
《ごめんね、もっと早く気づいてあげればよかった。こうなる前に。桜と向日葵いるから元気にやってるとおもうけど、身体には気を付けてね》
このメールを見ていたら、愛の目から涙が溢れでた。
「ごめんね、お母さん。心配かけちゃって。愛も子供も元気にしてるから・・・」
すぐにでも、電話してそう伝えたかった愛であった。
しばらくして、桜と向日葵が帰ってきた。
桜は、愛が泣いているのにすぐに気が付いた。
桜に事情を話すと、桜は一緒に泣いてくれたのだった。
「愛ちゃん、お婆ちゃんに電話してあげたほうがいいんじゃないの?」
「そうだよね、お婆ちゃんもお爺ちゃんも心配してるんだもんね・・・パパ帰ってきたら言ってみるよ」
もうこれ以上親を心配をかけさせてはいけない。
携帯を開けて、そう思い知らされた愛であった。




