表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
禁断LOVE  作者: コウユウ
第7章 新生活
PR
103/136

7-14

今日も仕事が終わり、拓斗は芝浦と一緒に自転車置き場まで歩いていた。



「あのー・・・」


後ろから女性の声が聞こえてきた。

二人とも関係ないと思い、無視していたが。



「あのー、すいません」


今度は、拓斗のすぐ後ろで声がした。


拓斗が後ろを振り返ると、佐伯瀬名が立っていたのだった。



やっと気づいてくれたことで、佐伯は何度も頭を下げている。


「今日はほんとに邪魔ばっかりしてすいませんでした」


「いやいや、全然大丈夫だよ。そんなのきにしなくていいからね」


佐伯は、今日の仕事で拓斗の邪魔をしていたことを気にしていたのだろう。



「こんなに大変だとは思ってませんでしたよ。あっ、私、佐伯瀬名って言います」


「あー、今日入った子だったねー」


最初は誰かわからなかった芝浦も、今日の朝礼で挨拶をしていたのを思い出した。



「そうです。よろしくお願いします」


佐伯は二人に対し、交互に頭を下げている。

なかなか礼儀のいい子だ。



「まだ俺たちも入って2週間だからね。一緒に頑張ろうよ」


「そうなんですか、ありがとうございます。喋る人もいないし、これからもいろいろ教えてくださいね」


3人は自転車に乗り、走り出した。



「じゃー僕こっちなんで。お疲れ様です」


芝浦は二人に手を振り、軽やかに走り去っていったのだった。



「佐伯さん、家どこなの?」


「もう少し先のアパートです。派遣さんで借りてるんですよ」


「そうなんだ。俺も派遣の寮だよ。一人で住んでるの??」


「子供と一緒ですよ。保育園行ってます」


「そうなんだ。そりゃー大変だね」


「そうなんですよ・・・」


佐伯は、言葉に詰まったが、それ以上は何も言わなかった。

拓斗も、あまり私情をはさみたくなかったので、それ以上は何も聞かなかったが。



「西岡さんは家族いるんですかー?」


「あー、嫁と子供が二人いるよ」


「そうなんですかー。西岡さんは家族でいるの幸せですか?」


「あー、すごく幸せだよ」


拓斗は、佐伯の驚くような質問にびっくりしたが、なんの迷いもなく「幸せ」だと言えた自分が嬉しかった。

今までの生活では考えられないことだった。今までは、嘘でも幸せなんて言葉は言えなかった。



「幸せなんですね。幸せって言えることっていいですね・・・」


佐伯は、過去に何かあったのだろう。現に子供と二人だということは、旦那と別れたということだ。



「・・・」


拓斗は、何も言わなかった。


「ごめんなさい・・・なんか暗くなっちゃいましたね。あっ、私こっちなんで、お疲れ様です」


佐伯は軽く会釈し、拓斗から離れていったのだった。



佐伯にも、辛い過去があったのだろう。

拓斗は、忘れもしない過去を思い返し、身震いしたのだった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ