21.5話 戦術欄での会話
今日はこの話が文字数少ないので2話更新します。
1話目です。
田島 陽花里:皆、今日はお疲れ様。
秋山 光彦 :ああ、お疲れ様。
上野 翔太 :お疲れ。
田島さんに続いて秋山くん、上野くんのコメントが続いた。
打合せをしたわけではないけど、皆が話しやすいような環境を作ろうとしているんだろう。
影山 透 :二人が真っ先にコメント残すなんて珍しいな。
秋山 光彦 :今日のこと思えばそんくらいするだろ。
工藤 真矢 :あれはちょっと反省。
須藤 玲 :王都は任せてくれよ。誤射が怖くて訓練参加できなかったから腕がなるぜ。
秋山 光彦 :俺と須藤で王都は万全だ。内部からの崩壊がない限り大丈夫だろ。
松浦 鵤 :冒険者に聞いた感じだとここ数日で怪しい人は見てないって
小川 愛姫 :王城でもそっぽい人は居なかったし、長いこと潜んでないと難しいかもね。
田島 陽花里:ごめん、少しいいかな。
ここで一旦会話の流れが止まり、『ありがとう』と田島さんが続けた。
田島 陽花里:今日のことで、皆の考え方も少しは変わったんじゃないかと思うんだけど、私は十六人をあんまり信用してない。だから、皆で力を合わせたいと思ってる。
田島 陽花里:私の『戦術』を『戦術』として活用したい。
上野 翔太 :例えば?
田島 陽花里:ロスダーネス奪還に向かう二つの隊って、名目上は上野くんと松浦くんが指揮権を持ってると思うんだけど、別々に作戦を立てたいなって。もちろん、奪還戦の時にも作戦があればそれに越したことはないんだけど。
佐藤 大輝 :火薬とか作ろうか?まあ、奪還した後の事を考えると難しいか。
田島 陽花里:火薬もありだよね。城門が閉じたりしてたら有効だと思うし、出来るなら準備してもらえるかな。でもまずは、自分がどの班にいて、他には誰が一緒なのかを把握すること。これをやってほしい。
高瀬 日奈子:今日もらった紙に書いてなかった?私は上野くんの方だったし、十六人からも何人か来てると思うけど……
田島 陽花里:上野くんは『竜騎士』で、アイボリードラゴンに乗ってる。主武装は槍で、スキルを見ると『魔術』も扱える。スキルを見た感じ、身体能力も高い。でもこれってカタログスペックじゃない?『魔術』って結構一括りにされてるけど、人によって使える『魔術』は違うし、それこそ、ゲームシステムによって違うから、そこを理解しようってこと。
田島さんの発言に納得を示すものが幾つか上がっていき、ロスダーネス奪還に向かう面々を中心にスキルについて話して言った。
訓練で戦ったからと言って奥の手を出していたわけではない、というのもあったし、大ぜいを巻き込まないように抑えていたものも見えてきた。
するとどうだろう。やりたいこと、できないことがはっきりと分かるようになって、作戦もスムーズに決まり始めた。
それを眺める俺は、田島さんが本気で日輪くんに勝ちに行っているように思えた。
今までが疑っていたわけではないけど、田島さんと日輪くんが喧嘩しているという話は聞いたことがなかったから、信じ切れていなかったのかもしれない。
いつか彼女がそうまでして、あの『勇者』に勝ちたい理由を聞かせてくれる日が来たらいいな。




