EX3チンピラの葛藤
最後に以下のシーンを含みます。
残虐的な表現のない死亡シーン
このEXシリーズは近日、別作品(外伝)として投稿します。詳しくは活動報告をご覧ください。
「で、用件はなんだ?」
【選ばれし者】こと、ハイヤは懐かしい麦茶をすすりながらそっと、目線をおばあさんに向ける。
「それじゃあ、単刀直入に言わせてもらうわね。
あなたは今までの自分に、嫌気が刺して変えたいって思っているんでしょう?」
「そんなことはねえよ。むしろ、諦めて生きているんだ。こういう人間だって受け入れているんだ。」
……嘘だ。嘘なんだ。こんな事、たかがゲームで見破られたのが嫌だ。自分がその程度の人間になってしまうのが怖いんだ。
たとえ今がそれ以下だとしても。
自分はそんなものに分かられるほど下の存在ではない。そんなプライドが、素直に認めるのを全力で拒んでいる。
仕方のあるまい。これが人間の本能なのだから。
実力に沿わないプライドを与えられた俺を責められないだろう。
プライドを与えてきたのだ。貰った訳でも、願った訳でもない。
自然とそう考えるだけだ。真実がどうであっても。
「なら、良いんだがね。本当にそうならば。」
おばあさんは薄ら笑いを浮かべ、目を見つめる。
ガラスのコップがおばあさんの放った言葉の振動でゆらゆら揺れ、急須の麦茶が小さく波立つ。
「帰りたければ帰りなさい。別に追い出したりはしないけどね。」
「ああ!帰らしてもらうよ。」
机を軽く蹴って立ち上がる。
軽く蹴っただけなのに、コップは勢いよく飛び、綺麗におばあさんの胸に当たり音を立てて割れた。
その先は言わずもがなだろう。
破片は飛び散り、おばあさんの胸をえぐり取るように突き刺さる。
急いで近づくがゲーム的な仕様だろうか。脈がまったく無くなっている。
ということは……。
たとえ殺意がなかったとしても、これだけは変わらない。
ー俺は人を殺したのだ。




