第32話 荷物
私は魔法を使って体を強化し、鹿に近付き急所に攻撃して倒した。
倒した鹿はカルミアに解体を手伝ってもらうためにカルミアの所に運んだ。
「カルミア、倒してきたから解体手伝って」
「大きい鹿だね……これだけの大きさだったら沢山食べられるけど、どうやって運ぶ?」
「そうだね。それについては少し思い出したことが有るの」
「思い出した事?」
「そう。物を収納できる魔法が有るって事を昔聞いた気がするの」
「魔法でそんなこと出来たら便利だけど……もしかして使えるとか?」
「可能性はあると思ってる。少し解体をお願いしても良い?私は魔法を試してみる」
「サクラが捕まえてくれたのだから、出来る範囲頑張ってみるね」
私が物を収納する魔法の存在を知ったのはこの世界に来てからではなく、この世界の元になったゲームにそんな魔法が有ったと思いだしたからで、魔法が有る以上使える可能性は高いからだ。
私は近くに落ちてる石を拾いその石で収納が出来るか試してみたら成功したのかその石は無くなった。
次にその石をもう一度手の上に出そうと考えると手の上に出せた。
まだ完全に使えるかは分からないので、次は私の私物を収納し取り出してみた。これも出来たのでカルミアに声を掛けた
「カルミア、魔法使えた」
「え?」
「収納魔法が使えたよ」
「もう?魔法って確か覚えるのに時間かかるはずだよね」
「まあ普通はそうかな。私と相性良かったみたい」
「相性って……でもそうか私もサクラに教わって短時間で魔法使えるようになったからね」
「まあ使えたから……この肉の処理しようか」
私達は急いで鹿を解体し肉や皮を収納した。
「私達の荷物も収納しようか。歩くの楽だし」
「それは助かるけど……いいの?魔力使わない?」
「使うけど、そんなに多くないよ」
「それならお願いしていい?」
この日以降街に近付いた時以外は荷物を収納して歩くことにした。
荷物を持たない私達の旅は好調で北帝国との国境も無事に越えて、その後数個の街を通過した。
「もうすぐ有間口ってとこに着くみたい。ここは少し大きな街らしいよ」
「有間口……有間が近いって事かな?」
「多分そうだと思う。有間口からは温泉まで馬車を使った方が良いみたいよ」
「何で?」
「登り坂が続くみたい。それに寒いらしく途中で休むのに適してないらしいよ」
「それなら馬車使った方が良さそうね……少しその有間口ってとこで稼いでから温泉行く?」
「そうだね。余裕は有ると思うけど少し稼いでいこうか」
そんな会話をして街に着いた翌日、ギルドに向かって歩いていると嫌な気配を感じたので、その気配がする方向に走って向かうと猪の魔獣が居たので私は叫んだ。
「魔獣が出現しました!民間人は逃げて……誰かギルドにも報告してください」
そこからは大変だった。住民達は逃げ出し、一部冒険者は様子を見に来て逃げ出したり……
「カルミア……私って魔獣と縁が有るのかな?」
「嫌な縁ね……出来たらもう会いたくないけどね」
「カルミアは離れて貰っていい?今から攻撃するから」
「分かった。気を付けてね」
私はいつものように体に魔力を流して強化し魔獣へと攻撃した。
魔獣は素早く中々攻撃が当たらなかったが、また落とし穴をつくりそこに落とす事に成功したので火魔法で倒した。
「カルミア今日も無事に勝てたわ」
「お疲れ様!」
「さて、倒したし解体しようか」
「そうね。魔力を抜いてくれる?」
私達が魔獣を倒し解体しようとしていると後ろから声がかかった。
「お前達何をしている?」
「今から魔獣を解体する所ですが」
「そうか。倒してくれたのか……って子供?」
「成人してます。冒険者です」
「これは失礼。この街を護ってくれたのだな。私はここに駐留している軍の隊長なのだがここに魔獣が現れたと通報が有ってな。来てみたら貴女達が倒した後だった」
「もしかして邪魔しました?」
「いや。倒してくれて助かった……が、一応報告書が居るので少しだけ話を聞かせて貰っても良いか?」
今後の展開の参考にもなりますので評価、感想など頂けると助かります。
ここまで読んでいただきありがとうございます。




