第15話 私の価値
政略結婚……私の実家の様に立場の弱い家は上位貴族との縁が欲しい。
そこで私みたいに魔法が使える子供が居たらどうするか?あの親なら私を利用するだろう。
「政略結婚か……」
「何だ?もう結婚したい相手が居るのか?」
「いえそうではなく先程話していたようにあの親なら自分の立場の為に結婚位利用しそうだと」
「そうだろうな。……これで先程までの話と逆になるが、実家の暴走を止める為には国に介入してもらう方が良い。立場を気にする貴族なら国に逆らう事は出来ないだろう」
「そうですね。国は介入してくれますか?」
「あの魔法を直接見たら不要だという人間は居ないだろうと思う。実際魔獣を倒すには、数部隊の兵士が必要で戦えば犠牲も出る。それを魔法使い一人で倒したのだぞ……普通ではあり得ない戦果だ。数部隊の兵士より強い一人の魔法使い……数がそろったらどれだけ恐ろしいか」
「……でも私の魔法って基本的にクフェアさんやセアノサスさんに習った事だよ」
「そう言えばそうだった……と言う事はサクラ以外には真似ができないと言う事になる。そうなるとサクラの価値はそれだけ高くなるか……今日から警備を増やす。部屋も変われるか?」
「急になんで?」
「サクラが誰かに狙われる危険が増えるからだ」
「それは怖い……カルミアさんは?同室のカルミアさんとも離されるの?」
「カルミアか……現状では一番安全な相手だな。分かったカルミアと一緒に警備が厳重な部屋に移動するならいいか?」
「カルミアさんに迷惑が掛からないなら」
「それは本人に聞くしかないな」
私はその後部屋に戻り荷物を片付ける事になった。片付けると言っても元々荷物は多くなかったので、すぐに片付いた。
夕方になるとカルミアさんも部屋に戻って来たので話を聞いてみた。
「カルミア……セアノサスさんから話を聞いた?」
「聞いたよ。サクラが一人部屋は寂しいからって私にも一緒に来て欲しいって……」
「そんな事言ってないけど、半分以上は正解かな」
「そんなサクラには私が一緒に居るから安心して。これからは私の仕事も免除になったわ」
「え?もしかして何か迷惑を?」
「逆!私が掃除とかしなくてもサクラと一緒に居るだけで今までより給金が増えるのよ。サクラが嫌でも私はついて行くよ!」
「嫌じゃないなら良かった。迷惑かと思ったから」
「そんなの気にしなくていいのに。……サクラと居るのは妹が出来たみたいで楽しいよ」
「ありがとう。……でもカルミアの荷物多いけど大丈夫?」
「次の休みまで猶予は貰ってる。最低限必要なもの以外は一旦置いておくわ」
私たち二人は部屋を移動した。移動して驚いたが新しく住むことになった部屋は広かった。
「サクラ、この部屋で今日から眠るの?何か今までの数倍の広さが有るんだけど……」
「部屋に風呂もある……これって貴族とかが泊まる部屋?」
「ここの近くには来た事が無いけど多分そうだよ。話には聞いたことが有る……でも実際自分が滞在する事になるとは」
「何か逆に落ち着かないね」
「一応私達も実家は男爵家で貴族だけどね……こんないい部屋に初めて泊まるよ」
「うちはあまり裕福では無かったから……カルミアの所も?」
「まあ生活に困るほどではないけど、裕福では無かったね」
「そうなんだ。実家とは仲いいの?」
「悪くは無いわ。でもサクラの事は何も言ってないから大丈夫よ」
「……ごめんね。気を使わせて」
「そんな気にしなくていいよ。なんかサクラが来た時から何か有りそうだったから……こんなに若さでここで働くなんて初めて聞いたし」
「なんか私って自分が思っている以上に魔法の適性有ったみたいで。別に特別待遇して欲しい訳では無いのだけれど……」
「そうなんだ……。正直言うと何もない私からしたら特別扱いされるサクラは羨ましいのだけどね」
「でも魔法が無かったらカルミアとも会えなかったわけだし……確かに悪い事だけでは無いよ」
今後の展開の参考にもなりますので評価、感想など頂けると助かります。
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