第13話 食べられませんか?
皆から色々お礼を言われたが、私はこの魔獣をどうするのかが気になってセアノサスさんに聞いてみた
「この魔獣ってどうするんですか?」
「ここで燃やして穴掘って埋めるのが一般的だな」
「食べないのですか?」
「……そうか知らないのか。魔獣はな体の中に魔力が多いから、もし食べたら病気になるんだ。数週間放置したら魔力も無くなるからそうしたら食えるがそこまでの時間と労力が割に合わないんだ」
「切って持って帰ったりは?」
「体内に魔力が多いからか普通の剣では切る事が出来ないほど固いんだよ」
「……それって、体内の魔力を無くしたら解決する?」
「理論上はそうだが、どうやって魔力を抜くんだ?」
「もう魔獣に触れても大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ」
私は魔獣に触れて、魔獣の中から魔力を抜いてみた。
セアノサスさんは此方を見ながら言った
「今何をした?」
「魔力を抜いてみました。剣って借りても良いですか?」
「君には重いから無理だね。何をするの?」
「この魔獣を切って貰えますか?」
「……本当は刃が痛むから使いたくないけど……天使さんが言うのだから切ってみるね」
兵士の一人が剣で切ったら、簡単に切れた……
「本当に中の魔力が無くなったら切れるようになるんだね……」
私は簡単にそう言ったがセアノサスさんとアベリアさんはすぐに反論してきた。
「簡単に言うがこれは新しい発見だぞ!この報告書を書くだけで多分名前を残せる……」
「では二人で書いてください」
「無理だ!」
「何故?」
「誰が魔獣の中の魔力を抜ける?」
「……私しか出来ない?」
「そうだな。多分それは無属性魔法だろ……。報告書どうしたらいいんだ?」
「とりあえず、この魔獣を解体して食べてみない?」
「……確かに魔力が抜けているのなら食べても大丈夫なはずだ……でもなぜ食べる?」
「命を無駄にしたくないからです。私が屠ったのだからその残った肉も無駄にせずに食べようと……」
「時々発言が子供では無いな。もう慣れたが……そうだな少し切って食べてみるか。最初は少しだけだぞ」
「わかった」
私達は熊の魔獣を解体して焼いて食べた。魔獣の肉は初めて食べたが凄く美味しかった。
「魔獣の肉って美味しいね」
「そうだな……今までこれを捨てていたのだな。でも魔力を抜けるのはサクラだけか……」
皆で肉を焼いて楽しんでから研究所に戻ったのだが、熊の魔獣が居ると聞いて逃げ出した5人が報告をしていたため街に戻ると100名ほどの兵士が集まっていて、急いでもう既に倒したと報告した。
軍の司令官からはどうやって倒したのか聞かれたが、魔法を使った新戦法で後日報告しますと言ってとりあえずは済ませた。
魔獣の骨と、中から出てきた魔石を持って帰っていたのでそれを見せた事で本当に退治できたという証明になった。
30名の兵士と魔法使いだけで熊の魔獣を倒した……その噂が町中に広がり、国からも表彰されたみたいだったが、セアノサスさんは何て報告をしたら……と悩んでいた。
私は倒した本人と言う事で魔石を貰えたが、現状綺麗な石というだけのもので価値は少ないから記念に持っておくことにした。
そして、その日以降私の周りだけ警備が厳重になった。
部屋に戻るとカルミアにも心配していたみたいで聞いて来た
「今日サクラも魔獣退治に行ってたみたいね。怖くなかった?兵士たちが倒してくれたみたいで良かったね」
「そうだね。魔獣って近くで見ると大きくて怖かったよ。でも色々知る事が出来たから行けて良かった」
「そうなの?私はそんなのには行きたくないな」
「確かに命を奪うって言うのは気持ちの良い話ではないけど、魔獣っていう恐ろしい存在が居るのを自分の目で見れたのが良かったよ」
「サクラって強いね」
「そんな事無いと思うよ。私は魔法を使うから直接魔獣には近づかなくていいし」
「でも魔法って近付かないと使えないはずでは?」
「そう言われるとそうだね……」
でも私は……自分で自分の事を強いとは思えないんだけどな……
今後の展開の参考にもなりますので評価、感想など頂けると助かります。
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