第12話 1年後
1年が経過して6歳となった。相変わらず私は毎日セアノサスさんとアベリアさんに魔法を教わっている。
「サクラは魔法に慣れたみたいだな。正直もう俺に教えられることはない位水魔法は教えた」
「私もサクラに土魔法を教えたけど、私も教えられることが殆ど無いわ」
「私はまだまだ魔法に慣れてないと思うのでもっと練習したいけど……」
「確かに時間は有限だが、詰め込み過ぎは良くない」
「私もそう思うわ」
「……分かった。ゆっくり勉強するね」
その時研究所の中が騒がしくなった。
「何か起こったみたいだな。俺が聞いて来るから2人は待機しておいてくれ」
そう言うとセアノサスさんが、部屋を出て行った。
「もしかしたら魔獣が出たのかもしれないね」
「魔獣?」
「知らないのか?そうかまだ教えてないか……魔獣というのは魔力を多く持った獣だ。強さは同じサイズの獣と比べても数十倍強い。1頭の狐クラスの魔獣を倒すのに兵士10人は必要だと言われている」
「そんなに強いの!?」
「そうだね。だから近くに出ると、この研究所の職員と兵士が派遣されるから騒がしくなったりするんだ」
そんな話をしていたらセアノサスが戻って来て言った。
「魔獣が近くに出たみたいだ。……どうする見てみたいか?」
「一度どんな生き物なのか見てみたいけど……私が行っても良いのですか?」
「兵士も30人ほど一緒に行くし大丈夫だろ。では行こうか。アベリアはどうする?」
「私だけ残っていても仕方ないから一緒に行くよ」
こうして私達3人と兵士30名、他の職員5名が一緒に馬車で移動した。
馬車に30分ほど乗っていたら止まったので皆が降りた。
止まった場所から少し進むと、少し先から凄く嫌な気配を感じた
「セアノサスさん……前方から凄く嫌な気配を感じます」
「魔獣の気配を感じられるのか?」
「多分そうみたい右斜め前の方角に200メートルくらい進んだところに居そうです」
「そこまで分かるのか!?分かった。誰かに偵察に行ってもらう」
セアノサスさんが兵士に説明して兵士2名が偵察に行き急いで戻って来た。
「熊の魔獣だ……今の兵力では勝てない。戻って応援を呼ぶぞ」
それを聞いた研究所の職員5名が走って逃げだした……
その走る音が聞こえたのか熊の魔獣がこちらに近付いて来て姿が見えた。
その時兵士たちは急いで戦う準備をしてこちらに叫んだ
「私達が少しでも時間を稼ぎます。逃げてください!」
「サクラ逃げるぞ走れるか?」
「ここの森って少し燃やしても大丈夫ですか?」
「何を言っている?逃げるぞ」
「ここから逃げ出したら街まで魔獣が来ますよね?魔法を使っても良いですか?」
「魔法で何が出来る……と言いたいが何か考えが有るんだな?」
「はい。少し我儘言います。戦わせてください」
「分かった。でも無理なら逃げるぞ」
「はい」
私は魔獣の前に巨大な火球を出し魔獣の周りを燃やした……魔獣は息が出来ないのか苦しそうにしていたので、口の中に大きな水球を魔法でつくり投げ込んだ。
「動きませんね……」
「お前……何だよその魔法の規模は……多分倒したと思う。火が消えたら確認しようか」
「では火を消しますね」
私は水魔法で大量の水を出して消火した。
「……水もそこまで出せるのか……」
兵士の方達が熊の魔獣の近くに行き、死んでいるのを確認してくれた。
兵士たちは魔法使いだとか小さな魔女だとか色々言いだしたがセアノサスさんが大きな声で止めた。
「彼女の魔法については機密になるので本日見た事は口外しないように。この勝利は我々と勇敢な兵士が協力して倒したと言う事にして欲しい」
「了解しました!」
その後兵士たちは皆嬉しそうに私の近くに寄って来た。
「俺もうここで死ぬと思ったよ。ありがとう天使さん」
「正直未だに信じられないが魔法で攻撃してくれてありがとう。小さな魔女さん」
等と言われた。私って普通の6歳の子供だよ……
今後の展開の参考にもなりますので評価、感想など頂けると助かります。
ここまで読んでいただきありがとうございます。




