第10話 魔法の練習
それから毎日仕事という名の魔法の練習が続いた。
毎日セアノサスさんが魔法の使い方を教えてくれるのだが、水の属性以外もセアノサスさんが教えてくれている……。
「あの……他の属性もセアノサスさんが教えてくれるのですか?」
「……一応言っておくが国からの保護には複数属性が使える事が含まれている。ここの職員でも簡単に内容を話す事は危険なんだよ」
「そうですか。でも他の属性の事とか教えるの大変では無いですか?」
「俺より実践するサクラの方が大変だと思うが」
「私は今楽しいからそんなに大変だとは思いませんが」
「楽しい……か。そうだな、国から争いに使われなければいいけどな」
「……そうですね。人を傷つけたりはしたくないですね」
「そうだろうな。俺も戦場に行ったことが有るが……もう行きたく無いな」
「私も戦場に行く可能性は有るのですね?」
「今はまだ大丈夫だが15歳で成人した時に戦争が有ったら行く事になるだろうな……ところで魔力はまだ大丈夫なのか?」
「はい。まだ残ってます」
「……現状で此処に居る誰よりも多分一番魔力が多い……と言うか異常な位の魔力量をしてるな」
「そうなんですか?」
「俺でも数人の飲み水を魔法で出したら魔力が無くなるというのに……サクラの魔力なら小さな川位つくれそうだな」
「そこまでは無理ですよ!」
「出来たら凄い……ではなくこの魔力のことも有って国にもどこまで報告して良いのか悩んでいるんだ」
「正直に報告したら駄目なのですか?」
「報告書は上司も見る。ここに数人分の魔力を持って4属性使える等と書いたら危険だと思ってな」
「危険なんですか?」
「前に他国では魔法の軍事利用の研究をしていると言ったよな?その国がサクラに対して何もしないと思うか?情報だけでも高く売れると考える奴は何処にでも居るからな」
「……最悪売られたりも有り得ると……」
「そういうことだ」
私が評価されるのは良いけど、売られてしまうのは絶対嫌だ。私も自分の事を出来るだけ人に話さないように気を付けないと……
この研究所に来てから1週間近くが経過して今日は休みなのだが、私は基本外出が出来ない。
……何をしようかなと悩んでいたら、カルミアに話しかけられた。
「サクラは今日何か予定有るの?」
「何をしようか悩んでる……」
「暇なら一緒に本でも……ってまだ字を読むのは難しいかな?」
「本は好きだよ。本が有るの?」
「ここの中には専門的な本から普通の本までかなりの数が有るよ。でも活字ばかりの本でも大丈夫?」
「大丈夫!読みたい!」
「では行きましょうか」
カルミアと一緒に本を見に行ったが、魔法の本が沢山あって楽しそうだった。
「気になる本は有りそう?」
「魔法の本がいっぱいあるんだね。これも読んでいいの?」
「読めるの?結構難しいと思うけど……まあ傷付けたりしない限りはどの本でも読んでいいよ」
「教えてくれてありがとう。では魔法の本でも読んでみるよ」
私はカルミアと別れて魔法の専門書を見ていたら、近くに水属性に関する本が有ったのでこれを読もうと思った……が、本が重すぎて持ち運べそうになかった。
仕方なく違う本を探そうとしていたら近くに居た人がこちらに近付いて来た。
「先程本を取ろうとしていたが、読めるのか?」
「普通の本は読んだこと有りますが専門的なのは初めてなので分かりません」
「そうか。その返事が出来ると言う事は基本的な文字は読めると言う事だな……もしかしてセアノサスの所に新しく来た人か?」
「そうです。私はサクラ5歳です」
「5歳!5歳で本が読めるのか?……失礼した、私はアベリアだ。セアノサスの友人だよ……セアノサスの所に若い人が来るとは聞いていたがまさか5歳とはな。それより先程本が持ち上げられなかったように見えたが手伝おうか?」
「助かります」
その日はアベリアさんと一緒に本を読んで終わった。
今後の展開の参考にもなりますので評価、感想など頂けると助かります。
ここまで読んでいただきありがとうございます。




