番外編短編・呪いのデスブログ編(2)
教会につくと、愛歌を礼拝室の隣にある多目的室へ連れていった。
「へぇ。教会って意外とシンプルね」
「うん。うちはプロテスタントだから、オブジェ的なものはないよ」
悠一にも話を聞いて貰おうと思ったが、置き手紙が玄関のドアに挟まっていた。今度は長野の人に悪霊追い出しを緊急で頼まれ、現地に向かっているという話だった。
仕方がないので、アイスティーとバームクーヘンをテーブルにだし、一人で愛歌の話を聞く事にした。ちなみにこのバームクーヘンは、桜の家からもらった高級なものだ。愛歌も美味しいと言って食べていた。この事で彼女の緊張も解けたようだ。
「困っている事って何?」
「実は……」
愛歌は、数年前からエッセイをブログに書いているらしい。エッセイといっても嘘も入れた小説風のものだが、書くのは楽しくて毎日のように更新しているという。
「そのブログ見せて?」
「ええ。URL送るわ」
送ってもらったURLかた、自分のスマートフォンでブログを見ていたが、一見普通のブログだった。ただ、読者が多いらしく、ブログサイトのランキングでも上位に上がっていた。
「普通のブログじゃん? 何か問題でも?」
「なんか、わからないんですけど、ネット上で私のブログが、デスブログとか言われていて……。なぜか私がミュージシャンの妻というのもバレ、サゲマン妻とかも言われていて」
「何それ?」
「なんか匿名掲示板とかで噂されていて……」
篝火は、ざっとスマートフォンで匿名掲示板を検索してみたが、オカルト・都市伝説板で愛歌のブログが叩かれていた。
愛歌のブログで取り上げているお菓子や食べ物、本や動物に至るまで、呪われた結果になるという。呪いのデスブログと呼ばれ、検証みたいのもされて纏められていた。その情熱がちょっと怖い。悪霊が見えたら、何かヒントも得られそうだが、残念ながら今は、そんな力はなかった。
「夫のファンかしらねぇ。かなりしつこいファンもいて、逆恨みされているのかも」
「まあ、ミュージシャンのファンは過激派も一部いますからね」
この話題に篝火も耳が痛い。まあ、最近は動画サイトで活動を再開しているので、元ファンからも喜びの手紙やメールを貰う事もあったが。
「他に何か実害は無いですか?」
「特にないけれど、自分のブログのせいで誰かに迷惑がかかっていると思うと、心苦しくて。やっぱりブログを閉鎖した方がよいでしょうか」
「うーん。そうだなぁ」
今の段階では、どうしたらよいか篝火もわからない。
「しばらく様子みてみますか。あと頼れる仲間に相談してみますよ」
「まあ、そんな。そこまでしていただけるなんて。お願いしますよ」
愛歌が帰ったら篝火は祈り、この場合どうしたら良いか神様に聞いてみた。
ハッキリとインスピレーションみたいなものはないが、とりあえず直恵に連絡をとり、相談して見る事にした。




