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オレたちエクソシスト  作者: 地野千塩


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悪霊ストーカー編(2)

 翌日、篝火は曲を作ったり、動画を撮ったり、充実した時間を過ごしていた。


 桜や直恵からも連絡がきた。二人は、別荘に遊びに行っているらしい。桜の家は金持ちなので、避暑地に別荘がある。篝火も一度桜の別別荘ではお世話になった事もある。


「あー、懐かしい。羊野さん夫婦じゃーん」


 桜から動画が送られてきたが、その別荘夫婦の管理人・羊野夫婦からの動画だった。


 昼ごはんは、庭でバーベキューをしたようで、その楽しそうな動画に和む。


「篝火くんも、また遊びにきてねー!」


 羊野からの動画を見ていると、本当に別荘に行きたくなってしまった。


 一方、悠一からもメールが届いていた。北海道での悪霊追い出しは苦戦しているとも事だった。依頼者は、一度悪霊を追い出したが、再びスピリチュアルや神社仏閣参拝を繰り返し、厄介な悪霊を招いてしまったらしい。聖書にも書いてあるが、一度悪霊を追い出した後、再び入る悪霊は、もっと酷くなるという話だった。


「悠一さんも大変やん」


 篝火は、自分で出来る事は少ないと思ったが、作った次作の讃美歌動画を送っておいた。一応、桜たちにも送っていく。


 それが終わったら、急に空腹を感じはじめた。冷蔵庫を見ると何もない。篝火は財布とケータイだけもって、近所のスーパーに出かけた。


 ゴールデンウィーク中ではあるが、昼下がりのスーパーは人が少なく空いていた。


 割引きされたカット野菜、豆腐、納豆をカゴに詰めていく。


「げ、篝火じゃない」


 チルドコーナーで、納豆や豆腐を並べている真緒とあった。相変わらず貧困の悪霊はつけていたが、以前よりは落ち着いているようだった。


「こんちわー。真緒さん、元気?」


 篝火は、人懐っこい笑顔を浮かべながら、片手を上げた。


「元気よ。なぜか、実家が懸賞にあたったってお米と味噌一年分送られてきたの」

「へー、良かったじゃん!」


 自分の事のように喜ぶ篝火を見て、真緒はバツが悪そうに下を向く。


「夜の仕事はやらない事にした。涼太の勉強も私が見てあげたほうが良いみたい」

「うん、その方がいいよ。教会に戻って来いとは言わないからさ」

「そうね……」


 夜の仕事は諦めたようで、その事も篝火は安心した。


「ところで、あなた。20歳ぐらいの友達いる?」

「は? いないけど」


 篝火は、頭の中で20歳ぐらいの友達がいないか考えたが、一人もいなかった。バンドやっていた時の後輩は、その年代も多かったが、篝火が音楽を辞めた途端にLINEもブロックされていた。


「何でそんな事聞くのさ」

「あなたの事を、ずーっと後つけている人がいたのよ。何あれ、ストーカー?」


 真緒から聞いた情報に、篝火は目を丸くしてしまった。


「嘘? どんなヤツだった?」


 全く心あたりがない。


「だから20歳ぐらいの人だった。でも、男かどうかはわからなかった。ユニセックスというか。最近こういう性別がよくわからない人が増えたわよねえ」


 真緒はそう言って、別の売り場に仕事しに行ってしまった。


「は? ストーカー?」


 心当たりはない。


 ただ、どこからか視線を感じた。振り向くとスーパーの客として来ていた老夫婦しかいない。20歳ぐらいのユニセックスな人物はいない。


「だ、だれ?」


 悪霊だったら感じる事もできたが、自分をストーカーしている人物はわからず、背筋が震えてきた。

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