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オレたちエクソシスト  作者: 地野千塩


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お金の誘惑編(5)

「それにしても悪魔崇拝者ってなんの為に、こんな事してるの?」


 誰もいない市道で桜の呑気な声が響いた。


 結局四人で近所に地域の悪霊が撒かれていないかパトロールするわけになったわけだが、桜は相変わらず呑気だった。


 他の三人は真面目な顔をしているが、桜は女子大生らしい溌剌とした笑顔を見せる。


 この場は和むわけだが、いつまでもそんな気分に浸れないと篝火は思う。


「たぶん、子供の頃からあいつらは悪魔と契約しているんだろう。おそらくそのリターンは、かなり得ているはずだ」


 悠一は懐中電灯を向けながら、先頭きって歩いていく。今のところは、篝火も悪霊はかんじなかった。


「でもー、そんな事して大丈夫なの? 呪いも返ってくるでしょうし、死んだら火の池じゃん」

「そうはいってもね、桜。あの人達が改心するのは難しいわよ。知ってて悪魔と契約して自分から喜んでやってるわけだし」


 直恵は、一切同情心のようなものは見せなかった。


「でも、アメリカでは悪魔崇拝者から改心した人いるじゃん。なんで日本はそういう生まれないの?」


 先日読んだ元悪魔崇拝者の本は、確かアメリカ人が書いていた事を篝火は思い出す。


「日本はな、こうやって地域に悪霊撒かれ放題だし、家建てる時も神主呼ぶからな。あのせいでだいぶ呪われてるんだ」


 悠一はそう言って不満気に足をわざと鳴らして歩いた。


「日本も偶像が多いからねぇ。そのおかげで神様の力もなかなか降りてこないのよ。結局人が求めない限り神様も動けないところがあるし。求めない人が悪いのよ」

「直恵、友達がアメリカに住んでからイエス様を信じるようになったのって関係ある?」


 桜の質問に悠一も直恵も深く頷いた。


「クリスチャンの多い国は、それだけ祈っている人多いからな」

「げー、だったら日本最悪じゃん」


 悠一の言葉に篝火は、顔を顰めてしまう。


「でも、それでも日本のクリスチャンは 1%もいるじゃない。希望も持ちましょう。ちなみに終末ではアメリカは相当ヤバい事になるっぽいし、どこの国がいいとか無いみたいだね」


 暗くなりかけた話題だが、桜が明るい事を言ってくれたおかげで、他の三人もなんとか暗くならずに済んだ。


 そんな話をしつつ、夜の公園に入る。


 相変わらず人気がなく、静まり帰っていた。


 春に少し冷たい風が、篝火の頬を撫でる。空は真っ暗で、星も月もない。


 桜のお陰で少し気持ちは明るいが、幽体離脱までして呪いをかけている悪魔崇拝者がいると思うとゾッとしてしまう。


「篝火くん、恐るな」


 そんな事を考えていると、悠一から声をかけられた。


「聖書には恐るなと360回ぐらい出てくる。つまり、一年中ずっと恐るなと神様はおっしゃりたいわけだ」

「そうよ、先生の言う通りよ。ビビらないで」

「直恵に同意です! 篝火太郎くん、びびって腰抜かしたらダメよ」


 三人がかりで励まされて、篝火はいたたまれない。


「そうさ、オレは頑張るぞ!」


 少しがビビってはいたが、そう声を出すと少しは気が強くなってきた気がする。


 さらに一同は、公園野奥を進んでいく。人気もなく、暗くて冷たい場所だった。


「あ! あそこ!」


 桜が声をあげ、指差した先には同じ京香に栗田真緒が倒れていた。そばには真緒の子供も倒れていて、幽体離脱状態の卓弥が彼女達を痛めつけていた。


『死ね!』


 鬼の形相の卓弥にビビってしまう篝火だが、ここで負けるわけに行かない。


 一同は卓弥の方に向かっていった。もちろん、何も武装しなければ負けてしまう。


 一同は手を繋ぎ、声を出して祈っていた。


 幽体離脱状態の卓弥は、悪霊とは違うようだ。悪霊にようにイエスの御名前ぇ出て行け!と言ってもびくともしない。


『よくもオレの顧客を奪ったな!』


 卓弥は、一番弱そうな桜に遅いかかろうとwそたが、寸前のところでバリアができていた。


「サタンよ、去れ! 今すぐイエス様の足元に行きなさい!」


 こうやって大声で言う桜は意外と強いのか?


 いや、神様が強いのだ。突然身体が熱くなり、聖霊の炎が周りを取り囲んでいるのが見える。


 桜から守られるように、一同は無事だった。どうやら雲雪を改心させた事にお怒りだったさ卓弥だが、聖霊の炎で守られた一同の中には入って来れないらしい。


 聖霊の炎に皮膚も焼かれながら、卓弥は尻尾を巻いて去っていった。


「待ちなさい!」


 直恵が、卓弥を追いかけようとしたが、悠一が止めていた。


 今はそれどころではない。


 卓弥から攻撃を受けていた真緒とその子供を守らなければ!


 恐るな!


 篝火は、真緒を背中に背負った。悠一も子供を背負い、教会へ向かった。


 真緒と子供には貧困や宗教の悪霊が集っていた。おそらく卓弥が送り込んだ悪霊だろう。


「弱いものを攻撃ずるなんて、卑怯なやつらよ!」


 直恵は、イライラと叫んでいたが、一緒に走って教会に向かった。


「ちょっと待ってよ〜」


 比較的トロい桜は、少し遅れてついてきたが、今はそれどころではない。


 一刻早く真緒と子供の悪霊を祓わなければ。

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