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オレたちエクソシスト  作者: 地野千塩


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お金の誘惑編(2)

 その夜、篝火はなかなか眠れなかった。


 あの透明人間の男が気になって仕方がない。悠一はグースカいびきをかいて寝てるが、篝火は寝られない。


 昔はこんなとき、お酒を飲んだものだが、今は麦茶をちびちびと飲んでいた。ちなみにこの麦茶は篝火が自分で作った。スーパーで買った安い麦茶を煮出してポットに入れて飲んでいる。


 なかなか寝付けない篝火は、布団の上であぐらをかいてある本を読む事にした。


 悠一に貸して貰った元悪魔崇拝者のクリスチャンが書いた本だった。人を呪う方法や悪魔と契約する方法なども書いてある。


 ぬるい麦茶を飲みながら、篝火はつい夢中になって読んでしまった。


 この元悪魔崇拝者は、人を呪うとき、お酒や麻薬を服用しながらトランス状態に入り、幽体離脱して人を呪うと書いてあった。


 病院や町に幽体離脱して、呪う対象の命をとっていく描写は鳥肌ものだった。


 ただ、そんな元悪魔崇拝者もクリスチャンが祈っているところには、入れなかったとかいてあった。


「そういう事か……」


 今晩出会った、あの透明人間もきっと幽体離脱して呪いに来たのだろう。誰を呪ったかはわからないが、祈っている篝火や悠一には攻撃が加えられなかった。


 あの死神みたいな透明人間は誰だったのだろう?


 考えても仕方ないが、チラシの裏に顔をじかいてみた。


 自慢じゃないが、篝火は絵を描くのがうまかった。ビジュアル系バンドをやっていた頃は、ファンの似顔絵をサインしてやると喜ばれた事を思い出す。


 どこかで見た事あるような顔だった。


 最近ではない。


 バンドをやっていた頃に会ったことがある。


「あ!」


 しばらく祈っていたら、何か思い出した。ビジュアル系バンド時代にライブ会場にいた男だ。確か先輩バンドマン・雲雪の知り合いだと言っていたような。


 雲雪は上昇思考が強い男だった。篝火は、レコード会社の強引な指示にウンザリしてバンドをやめたところがあるが、雲雪はむしろ進んでやっているような所があった。実際、その界隈はかなり人気な立場になっている。


 バンド時代の知り合いに連絡取るのは、ちょっと鬱陶だったが、何かあの透明人間についてしっているかもしれない。


 向こうは多忙だろうから、会ってくれる確証はないが、一応連絡をとって見る事にした。


 翌朝、すぐ返事が返ってきた。


 透明人間の事をメールに書いただけだが、かなり焦った感じの文面だった。この教会にも来てくれるという事だった。


「という事で、何かあの透明人間について昔の知り合いが知っているかもしれないんだ」


 そう悠一に説明すると、悠一は少し考え混んでいた。


「やっぱりあの男は呪術者かね……」

「わからんね。でもなんでバンドマンとも知り合いなんだ?」


 篝火も首を傾げた。考えても仕方がないが、気になって仕方なかった。

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