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オレたちエクソシスト  作者: 地野千塩


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お金の誘惑編(1)

 ゴールデンウィークが近づいてきた頃だった。


 篝火と悠一は、夕食を食べ終えた後に、教会の周りをパトロールしていた。


 地域に撒かれた悪霊の門がないか市道、空き地、公園などをくまなくチェックしていた。


 どちらといえば平穏な住宅街ではあったが、悠一の話では、タチの悪い呪術者が悪霊を撒くあ門を開けているという話だった。


「悪霊が入る門ってなんなんですか?」


 誰もいない夜の公園に入ったとき、篝火は悠一に聞いてみた。懐中電灯を一応持っているが、やっぱあたりは真っ暗だ。月も星も出ていない空は、闇の中に吸い込まれそうな怖さも感じる。


 篝火は、もともとミュージシャンという事もあり繊細な一面が強かった。悪くいえばビビり症でもあるが、エクソシストをしたいので、こんな自分には負けられないと常に思っていた。


「悪霊っていうのは、強いエネルギーの集まるところからも出入りするんだよ。例えば死人が多くでたところとか、多くの人の呪文が集まるカルトの施設とかだな。それ以外は人が罪を犯した時に入る」

「へぇ、怖! 地域の悪霊はどうやって呼んでるんですかね?」

「多くは、動物の生贄を呪術者が捧げて呼ぶんだよ」


 しかし、悠一によるとこの地域に呼んでいる呪術者の正体は掴めないという。


 とりあえず公園をくまなく見て回ると、誰もいないベンチの上にネズミの死体と悪魔のおにぎりというネーミングに商品が置いてあるのを見つけた。


「悠一さん、これ、儀式ですか? っていうか悪霊が見えるぞ!」


 篝火は腰を少し抜かしながらもベンツに集まっている悪霊が見えた。よくアニメで出てくるような貧乏神みたいな悪霊だった。小汚いおじいさんが、『金くれ、金!』と叫んでいた。


「悠一さん! 貧乏神だぜ!」

「いや、こんなの神じゃないだろう。貧困を呼ぶ悪霊だ。誰が呪術者が呼んだな」


 悠一は当たりを鋭い視線で窺うが、人影は見えなかった。


 こうして二人は、貧困を呼ぶ悪霊を追い払った。弱い悪霊だったのか、すぐ消えてしまったが、こんな悪霊がいる事に篝火は、なかなかのショックだった。


 可哀想なネズミの死骸を公園のすみに埋めてやった。


「それにしてもこんな悪魔のおにぎりみたいな商品でも悪霊呼べるんですか?」


 ベンチの上に残された「悪魔のおにぎり」を篝火は、まじまじと見つめた。可愛らしくデザインされた悪魔にイラストがパッケージに書かれていた。


「ああ、こう言ったイラスト、食べ物なんかもけっこう危険なんだ。こういったモノを目印に悪霊がやってきたりするからね」


 悠一がそう言い終えた瞬間だった。


 目の前に人影が見えた。悪霊でがないが、身体が透けてる?


「ゆ、幽霊?」


 篝火は再び腰を抜かしそうになりながら、透明人間を見据えた。


 透明人間は、30歳ぐらいの男だった。体格もよく、黒っぽいマントのような服を着ていたから、一瞬死神のように見えた。目は充血し、篝火と悠一をするどく睨んでいた。


『邪魔するな!』

「こいつか、呪術者は」


 悠一は冷静だった。どうやらこの透明人間が、地域の悪霊を呼んでいる呪術者らしかった。なぜ透明人間かはわからないが、それぐらいの事は出来る呪術者なのか?


「祈れ! 篝火!」


 透明人間が襲ってきそうだったので、篝火は一心に祈った。声をあげ、汗だくで祈る姿は情けなかったが、なぜか寸前のところで透明人間は手出しが出来ず、舌打ちして逃げていった。


「なんなん、あいつ」


 へろへろになろながら、篝火は呟いた。


「たぶん、幽体離脱してこの地域に呪いをかけにきたんだろう」

「は? 幽体離脱?」


 幽体離脱なんてアニメや漫画の話かと思った。


 篝火は、目を丸くするばかりだった。

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