宿題
テレシアへの帰りの馬車はよく揺れた。エルスハイマーが手配してくれた何台かの馬車でそのままテレシアに寄贈してくれるそうだ。
皆物珍しそうに見ていたが乗ってみるとかなり揺れる。アインでも馬車がないわけではなかったが、割と整備された道路で走っていたことで、あまり揺れなかった。
だとするならば、この道を整備すれば皆馬車に乗って移動するのではないか?アトラクション感覚で乗る者もいるんじゃないかな。
馬車屋を作り上げそれ自体を産業にする。その権益をテレシアが握り経済的に他に回せる。これもいいな。
あの切れ者のアンドレウスをうまく騙せればだけれどね。
なかなかレベルが高いな、、、。やる価値はあると思うけれどね。
馬車に揺られつつ数日宿に泊まってやっとテレシアに着いた。
うーん、結構疲れるものだな。歩くよりかはいいのだけれど。しかも速いし。道を整備すればかなり楽になるだろうな。
さて、テレシアに残した大量の仕事が残っているぞ。昔から宿題は嫌いなんだ。士官学校の成績も真ん中くらいだったから余計に。
宿題を出すのは好きなんだが出されるのはどうもね。どうも今回の溜まっている仕事は宿題の様な気がして気が重くなるな、、、。
甘ったれたことは言ってられないな。観光しようと言い出したのは俺だし、観光についてきてくれた者たちも頑張るのだから言い出しっぺの俺が弱音を吐くわけにはいくまい。
久しぶりに執務室の席に着くと席の上に山積みになっている政務報告書などを処理していくことにした。
テレシアにいなかったのはものの二週間程度ではあるが、テレシアの内政事情はそれなりに変わっていた。
まず、ベルン鉱山。これは新たな採掘場所が見つかったらしく今までの約2倍も取れるかもしれないとのことだった。ただ、人員もそれ相応に増やしてほしいとの上申があった。
それ相応ってことは人員も約2倍にしなきゃいけないってことか。そんなに人員回せるかな。これから、ヴォロイ王国との道路整備などもある。そんなに多くは向かわせられない。
しかし、ベルン鉱山はテレシアの一番の産業だ。基本的な経済はそこで回っている。できることなら発展させたい。俺は近くでこれまた書類と対峙しているシエナに
「今、ベルン鉱山に向かわせられる工業の専門家がいたか?」
「そういえば、カルンとテレシア間の道路整備が終わってフリーになったものたちが10人ほどおりますが、いかがでしょう?」
「よし、それがいいな。その者たちにベルン鉱山の援助に向かわせるように手配してくれるか?」
「はっ!承知いたしましたわ」
これでとりあえずは凌げるだろう。これ以上に人材が必要だろうがしばらく我慢してもらうしかない。
ん?
「シエナ、カルンとテレシアの交通整備って終わったの?」
「えぇ、3日前に完了したとのことです」
「随分仕事が早いんだな」
「かなり皆、頑張っていましたからね。お金の匂いを嗅ぎつけた者もいれば、お国のためだと言って働くものまで様々ですが、働きは素晴らしいものでしたから」
「素晴らしいな。ありがたいことだ」
「えぇ!」
なるほど、そんなにも仕事がはやいとは思わなかった。上手くすればヴォロイ王国との整備も早く終わるかもな。そうすれば、鉱山により集中できる。
さて、お次の仕事は何かな?




