3.令和の若者って言うけど平成生まれ
「これ、手作りですか?」
「そうだよ」
「・・・・・・ケチャップでハート書いてますけど、ツッコミ待ちですか?」
「そうだよ」
「・・・・・・」
「・・・・・・せっかく縄を解いてあげたのに、逃げないの?」
「・・・・・・こっちの鎖も外してくれません?」
「・・・・・・」
「ごちそうさまでした。美味しかったです」
「・・・・・・」
「・・・・・・簡易トイレと、ベッド等の寝具の用意を希望します」
「・・・・・・簡易トイレは用意しよう」
「ありがとうございます。因みに寝具は・・・・・・」
「お前にはまだ早い」
「なんですか、その、師匠が弟子に言いそうな台詞は」
「条件を満たせば用意しよう」
「条件ってなんですか?」
「ヒミツダヨ」
「・・・・・・これ、新手のドッキリとかじゃないですよね?」
「そんなわけないじゃん」
「まあ、そうですよね」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・テレビでよく令和の若者っていう表現を使うけど、今の中高生とかって平成生まれだよね」
「それは、私も思ってました」
「10年後くらいには、本物の令和の若者とやらに平成生まれを馬鹿にされるところが見える」
「いや、まあ、ありそうですけどね」
「けど、ああいうのって本当に馬鹿にしてる人は一部の人間だけだよね」
「そうだと思いますよ。私は平成生まれですけど、昭和生まれという理由で馬鹿にする人なんて周りに居ませんでしたし」
「だよね」
「基本的に一部の人間だけだと思いますよ。誰かを馬鹿にしたりする人って」
「それはどうだろうね」
「少なくとも、誹謗中傷とかをする人は全体の数パーセントだけだと思いますけどね。SNSのコメント欄とかでも9割くらいは普通のコメントですし」
「◯◯はSNS、L◯NE以外やってないでしょ?」
「・・・・・・なんで知ってるんですか。確かに連絡用以外のSNSはやってないですけど、時々Yo◯Tube観たりしますよ。アプリは入れずに観たい動画がある時だけ検索かける感じで」
「なんでSNSやらないの?」
「・・・・・・これは飽くまでも私個人の考えですから、SNSをやってる人に対して馬鹿にしたり見下したりといった意図は全くないのでそこだけご留意お願いしますね」
「分かった」
「まず、大学生の頃から社会人1年目までイン◯タは割とがっつりやってたんですよね。けど、フォロワーを増やすために少ししか話したことない人とフォローしあったり、フォロワーの数やいいねの数でマウント取られたり、投稿やストーリーで幸せ自慢をされたり、私自身も旅行の投稿で幸せ自慢をしてしまったり、常に誰かと何かを比べたりしていて、そこである日我に返ったんですよね。俺は何をやっているんだろうって」
「我に返るか。・・・・・・イン◯タやってる時は正気じゃなかったんだ?」
「正気じゃなかったですね。フォロワーの数なんかよりも親友が1人いるほうが遥かに幸せなのに」
「そう思えてない人が沢山いるから、フォロワーの数を増やすゲームに熱中する人が減らないんじゃない?」
「フォロワーの数を増やすゲーム。言い得て妙ですね。・・・・・・これは、友達の数にも言えることですが、自分と関わる人間が増えれば増えるほど、1人1人と関われる時間は減りますからね。そうなると、広く薄い関係の人間ばかりになってしまうんですよね。人間関係に割ける時間は有限ですから。・・・・・・例えば、毎日のように友達と飲み歩いていたら、そりゃあ奥さんとの関係は悪くなりますよ」
「まあ、言いたいことは分かるよ。けど、フォローし合っているだけで、別にその人たちに時間を割いたりはしてないんじゃない?」
「がっつり時間を割いたりはしてなくても、ストーリーとかを見る時間だけでも数が増えればかなりの時間が割かれると思うんですよね。まあ、非表示とかにも出来るでしょうけど、それこそ何のためにフォローしてるんだって話ですし」
「何のためにって、さっき言ってたフォロワーを増やすためじゃない?」
「あ、確かにそうですね」
「フォロワーの数が多い方が凄いみたいな風潮もあるから、そんな風にフォロワーを増やすことに夢中になるのは仕方ないんじゃない? 芸能人に対してイン◯タのフォロワー数が何万人以上みたいな紹介したりするし。というか、ああいう紹介の仕方がフォロワー数正義の風潮を生んでるよね」
「良くないですよね、あれ。フォロワーを金で買って、なんか凄い人なんだと勘違いさせて詐欺を働くような人もいるでしょうし」
「けど、そのフォロワー数を見て、この人って人気なんだなって思うことでファンになってくれる人もいるだろうからね。人気な人を好きになる人って一定数いるし」
「流行っているものが大好きな人って沢山いますよね」
「企業にとってはカモだろうね」
「本当に良いものを作る企業よりも、マーケティングが上手い企業の方が儲かる、というのが続くと、より良いものを作る人が減っていき、奇抜で流行りそうなものを作る人が増えていきそうで怖いですよね」
「流行ってる店の食べ物とかって見た目重視で味は普通だったりするしね。勿論、本当に美味しいものもあるけど」
「そうですね。それに、美味しくても値段に見合っているかと問われたら次に買うか悩むような商品も多いですよね。時々当たりはありますけど」
「そうだね。けど、テレビとかで紹介されてたりすると1度は食べてみたくなるんだよね」
「罠ですね」
「だね」
「・・・・・・」
「・・・・・・てか、話戻すけど、イン◯タさ、鍵垢にして仲の良い友達だけと繋がればよくない?」
「あ、というか、大学の途中からはそういう使い方をしてましたよ。最初言ったやつは、通常の使い方をしてた時に1度辞めた際の話です」
「え〜、何それ」
「・・・・・・長くなりますけど、聞きますか?」
「うん」




