14.責任の在処
「ネットショッピングでのトラブルって経験ある?」
「ありませんよ。信用できるサイトしか使わないので」
「・・・・・・私も信用できるサイトしか使ってないんだけどね」
「どこのサイト使ってます?」
「◯◯◯◯◯◯が多いかな」
「そこ、信用できますか? 詐欺の温床になってるイメージが強いですけど」
「・・・・・・確かに詐欺が多いイメージはあるかも。ただ、その分安いからね」
「そうですか? 個人的には、言うほど安くはないなと思いますけどね。安く見せるのが上手いだけで」
「安く見せるのが上手いってのは、なんか分からなくはないけど、なんだかんだ言って安いは安いと思うけどね」
「スーパーとかもそうですが、安い安いと言われていても、商品次第では普通に高かったりもしますし、しっかり比較した方がいいとは思いますけどね。時々、凄い安いのがあったりすることで、そこの印象に引っ張られて脳死で安いと言ってる人が多いイメージがなんかあるんですよね」
「まあ、比較とかをせずに、安いと思い込んで脳死で買っちゃう人は多いかもね。元の値段が表示されるから、定価なのに値下げしたように見せる手口が横行してるし、よく調べずに買って騙される人とかは結構いそう」
「クチコミのサクラに騙される人も多そうですよね」
「それは多いだろうね。それと、商品のクチコミと会社のクチコミが別だから、商品のクチコミだけ見て安心して買っちゃう人も多い気がする」
「それも多そうですね。・・・・・・あと、配送トラブルも多いイメージありません?」
「めちゃくちゃあるね。置き配設定にしてないのに置き配されてたりとか」
「最近は置き配の盗難とかもあるみたいですし、置き配設定にしていないのに置き配をされ、それが盗難の被害に遭うとかなったら最悪ですね」
「最悪だね」
「偽物の商品が届いたり、そもそも商品が届かなかったり、写真と全然違う商品が届いたり、すぐ壊れる不良品が届いたり、個人情報が悪用されたり、配送トラブルがあったり、返品された商品を新品と称して売っていたり、返金詐欺が横行してたり、・・・・・・私は安くても使う気にはならないですが、まあ、色んな人がいますよね」
「そう言われると、わざわざ詐欺に遭うリスクを負ってまで◯◯◯◯◯◯を使う理由ってないかも」
「まあ、散々批判しましたが、◯◯◯◯◯◯が販売と発送を担当してる商品は時々買うんですけどね」
「あ〜、確かにそれなら安心か。けど、何かを買う時に一々販売会社を調べたりする手間暇を考えちゃうと、相当安くなってないと割に合わないような気がする。・・・・・・それに、しっかり調べたとしても、聞いたこともない販売会社とかだと完全には安心できないしね」
「クチコミも全く当てにならないですから、少しギャンブル性のある買い物になりそうですね」
「一応、ギャンブルに負けたとしても、トラブルへの対応はしてもらえるから、お金はちゃんと返ってきたりはすると思うけどね」
「まあ、それには時間と労力がかかると思いますし、詐欺の手口によっては返金されなかったり個人情報を売られたりする可能性もありますから、買い物ギャンブルはしないに越したことはないと思いますけどね」
「そこは価値観によるんじゃない? そういったリスクを負えると思っている人が使ってるんだろうし」
「刹那さんはそういったリスクを負ってる認識はありましたか?」
「・・・・・・なかったかも」
「なんか、◯◯◯◯◯◯ってすごい無責任だなって思うんですよね。詐欺会社からも手数料とか貰ってるから介入しないのかって疑っちゃいます」
「◯◯◯◯◯◯は別に場所を貸してるだけとも言えるし、何かあった時のサポートをしてくれるだけマシだとは思うけどね」
「貸してるだけとは言いますが、これをショッピングモールに置き換えてみたらどうでしょう? ショッピングモールにある内の一つが詐欺店舗だったら、ショッピングモール全体のイメージが悪化しますし、貸してる側にも責任があるように思えますけどね」
「そう言われるとそうだけど、フリーマーケットみたいなものだと思うなら、そこまで貸してる側に責任は感じないけどね」
「そうですか? 私はフリーマーケットだとしても、何か問題があれば貸してる側にも責任があると思いますけどね」
「価値観の違いだね」
「そうですね。・・・・・・私は、◯◯◯◯◯◯だけじゃなくフリマアプリもそうですが、詐欺を働く側の人間が利益を得るのと同時に、管理する側もある程度の利益が得られることに問題を感じています。管理する側からすれば、厳しく管理することで詐欺を減らすことよりも、誰でも簡単に出品出来るようにすることによる、詐欺によるイメージの低下というデメリットを覆すほどのメリットを重視して、今の体制を貫いているのでしょうからね」
「そりゃあ、慈善事業じゃないからね」
「まあ実際、自社の利益を第一にしたお客様軽視の会社は多いですが、犯罪の増加に関わるような問題だけは野放しにしてほしくないんですよね」
「それはそう。・・・・・・それで言うとAIやSNSもだね。犯罪の増加や、使用することによる悪影響なんかを企業側は全然配慮してないだろうし、デメリットを気付かせないようにしつつもメリットをより強く広告として打ち出して、そのサービスを使ったことで起きた問題には無関係を貫く。けど、そういう会社のほうが儲かる世界なんだよね」
「会社だけじゃなく、一人の個人として見ても、ステマ規制がなければ平気でステマをやるような人間の方が出世や成功をしやすい世界ですよね」
「そうだね」
「・・・・・・AIは、今後も戦争とかに多く使われるのでしょうし、AIを使った犯罪も増えていくと思います。個人的には、AIは核兵器のような破壊性を秘めていると感じるのですが、それを国が管理することなく、誰しもが使える状態であることが怖くて仕方ないです。それと、AIが人の職を奪っていくのに対して、AIの民間企業が今後AIを派遣するだけで儲かるようになることに歪さを感じます。国が主導して、AIで得られた利益を国民に還元するなら納得できますが、このままでは更に貧富の差は拡大するでしょうね。勿論、これまでも何かが流行ったことで何かが廃れるという歴史を繰り返してきたと思いますが、AIはそんな比ではないですからね。更に言うと、AIって電気を大量に使うことで地球温暖化を進めるというのを聞いたことがありますし、地球温暖化の原因であり、職を失う原因でもあり、無駄に儲けた民間企業に対して、デモとかが起きなければいいですけどね」
「・・・・・・でもどうなんだろう。何かにお金を払う時ってさ、それに手間暇がかかっていたりするなら多少高くても納得できるけど、元値が安かったり手間暇かかってないものに対して高い金を払いたいとは思えなかったりするから、AIが簡単に作ったような手軽なものに対して、仮にAIで出来たものの方が安かったとしても、必ずしも、そっちの方を選ぶ人ばかりではないような気がする」
「それは確かにあると思います。足元を見られたような値段設定に不快になる人は多いと思いますし。実際に私自身、山の上とかでペットボトルの値段が高いことには納得できても、テーマパークのドリンクの値段が高いことには少しモヤっとしますから」
「あ〜、まあ、気持ちは分からないでもない。私はもうそういうものだと思って割り切ってるけどね」
「・・・・・・大体の人って、普段から買ってる値段よりも高い値段を払った時、なんか損したような気分になると思うんですよね。・・・・・・なので、個人的にはですけど、テーマパークの値段を倍とかにして、お土産以外の食べ物や飲み物を無料にした方が客のお得感が増しますし、客が払う額も増すと思うんですよね。勿論、飲食の消費量は上がるでしょうけど、その分、大量生産によるコスト削減も出来ますし、普段は飲食にお金を使わない層からも資金を回収できますから」
「いや〜、どうなんだろうね。その方が儲かるなら、とっくにそうしてるでしょ。そういうマーケティングとかのプロが考えてるんだろうし」
「確かにそうですね。・・・・・・時々、もっとこうした方がいいのに、みたいな事を思っても、実際には思い付いた上で却下されてるだけなのかもしれないですね」
「そうかもね」
⚠︎作中に出てくる◯◯◯◯◯◯は架空の通販サイトです。




