通称Draw教室Ⅰ
「今日は楽しいことをしようと思ってたんだが……まぁいいか。普通に楽しいことをしよう!では、始めよう。『Who am I?』クイズだ!」
よくあるやつだ。英文をいくつか聞いて、誰目線の文かを当てるのだ!
「俺がいまから、3つの文を言うから、俺が誰だか当てろ。当てた奴には、キャッピーグッズをあげるよ。」
キャッピーグッズ?なんだそれ。
俺は、金井先生がテキトーに言ったのかと思ったが、女子たちの目は輝いていた。
俺はわけがわからなかったので、咲にキャッピーについて聞いた。
「えっ!?あゆむ、キャッピーについて知らないの?キャッピーは最近流行りの教育番組、『なんでも調べ隊』に登場する相橋さん家族のペットのことだよ!キャッピーの語尾の『なの』がとても可愛いの!!」
アニメとかじゃなくて、教育番組なんだ……
すると、金井先生はキャッピーグッズを紹介し始めた。
「今回はキャッピーポーチとキャッピーシールがそれぞれ2つずつあるから、早いもの勝ちだ。」
ふーん。俺は別に欲しいものでもないから、気楽にやろーっと。
そんな俺に対して、咲は力を込めていった。
「絶対に正解しようね!!!歩もしっかり考えてね!!」
咲は本気だ。年に数回の本気だ。
俺は一生懸命にクイズに取り組んだ。
そんな俺達だったが、最初の3問は全く歯が立たず、完売してしまった。
「ラスト問題だ!」
と金井先生は叫んだ。
「I can fly. My body is very large. I am an
imaginary creature. Who am I?」
えっ?言ってることが分かんない……空を飛べ、体がとても大きく、架空の生き物?
大人しく諦めるか、と思ったとき!
「わかった!」
と咲が大きく手を挙げた。
えっ!?あの咲が?いつも頓珍漢なことばかり言う咲が?
「それじゃあ、咲!」
と金井先生は咲のことを当てた。
「答えは『ドラゴン』だ!!」
と咲は威勢よく言った。
「おっ!咲、見事正解だ!ということで、キャッピーポーチをプレゼントだ!」
と金井先生は咲にキャッピーポーチを渡した。
「歩!ゲットしたよ!」
と咲は俺にキャッピーポーチを見せてきた。
キャッピーというものは体は丸く、体から、耳、手、足が生えているものだった。
「以上で授業を終わりにする。」
と金井先生は言って、教室から出て行った。
そうして、数時間が経ち、1日が終わろうとしたときだ!
「木下くん、川上さん、安藤さん、細川くん、柏さん、五十川くん、このあと、班長会といわれるものがあるから、残ってくれないかしら。」
と四葉先生に言われてしまった。
なぜ俺が班長会に選ばれたんだ!
何かの嫌がらせか?
俺は不満に思ったが、拒否権は俺たちになかった。
そして、放課後。
「では、班長会といわれるものを始めます!」
と四葉先生が宣言して、班長会は始まった。
「あの…班長会といわれるものとは何ですか?」
と紫央は尋ねた。
それに対して、四葉はこう答えた。
「あっ、君たちは班長であり、同じ班になるの。簡単に言うと、全班のなかで、1番しっかりしている班のメンバーを班長と呼ぶの。で、班長、みんな集まるのが、班長会よ!」
そんなものなのか、と俺たちは納得した。
「今回は来週のどきどきルンルンあんしんわくわく教室、頭文字をとって、通称Draw教室に向けた話をしようと思うわ!」
と四葉先生は両腕を伸ばして、言った。
「おかしい名前ではないですか?」
と爽やかに陽翔が聞いた。
みんなそれに対して頷いていたが、四葉先生は首を傾げただけだった。
その発言はスルーされ、補足説明を始めた。
「ちなみに、Draw教室の説明は昨日みんなに配ったプリントに詳しく書いてあるわ!明日の6時間目も話するわね!あと、Draw教室の次から、みんなには未来学園寮という寮に住んでもらうわ!」
えっ!?寮制度?父になんと言えば……
「強制なのでしょうか。」
と紫央はおどおどと尋ねた。
「えぇ、強制よ!でも、無料だから、安心してちょうだい!」
と四葉先生は俺たちに言ってきた。
そういう問題ではないのだが……
「ところで、なぜわたくしたちにだけ特別な話をするのかしら?」
と麗華が首を傾げた。
「あぁ、それはね、寮の話をしたかっただけなの。無料で寮にいれるのをみんなの前で言うのは…と思って。少し、言いづらかったから……」
乙女か!?繊細な少女か!?
「ということで、以上よ!もう帰っていいわ!宿舎班はお楽しみにしといてね!」
と四葉先生は楽しそうに言っていたが……
俺たちは教室から出たらすぐに口を揃えて言った。
「あと、1週間で寮なんて聞いてないー!」
すると、麗華が口を開いた。
「Draw教室の前の日、私の家でパーティしません?」
「いいね!最後の自宅って感じで?」
となぜかパーティ開催が決まってしまった。
「それじゃあ、メンバーはこの6人ということだよね?」
と真希が尋ねた。
そこに聞き覚えのある声が……
「私を忘れないで!この月子を!私も参加します!」
「月子!なぜここに?」
と麗華が尋ねた。
「えっ?なぜって?麗華様の帰りを待っていたのです!しかも、寮制度になってしまうのですね。悲しいです、麗華様!」
えっ?班長会の内容を聞いてたの?
だから、俺はどうやって、班長会の内容を盗み聞きしたか、月子に尋ねた。
月子から、返ってきた言葉は俺たちを驚かせた。
その言葉とは……
「私、班長会の途中で、麗華様の教室に入り、教卓に終わるまでずっと待っていましたよ?気づきませんでした?」
思い返しても、月子がいた記憶はない。
月子以外6人の頭上には『?』が浮かんでいた。
「では、今週の日曜日にパーティ開催ですわ!必要なものを『CONNECT』というアプリでみんなに送りたいから、連絡先を登録しましょう!」
と麗華に言われ、連絡先を交換した。
そうして、俺のスクールライフ2日目が終わった。




