階級についてⅠ
「―む?おい、歩聞いてんの?」
この甲高い声によって現実に戻された。
「細川くんが歩と話したいって!」
俺は細川に声をかけた。
とてもかっこいい眼鏡をかけている。
近未来的な眼鏡だ。
俺はなぜかただのメガネに惹かれていた。
髪型は俺と似て、普通だ。
そして、俺は自己紹介した。
「俺は木下 歩。階級は1のB。こいつは川上 咲。……うるさいやつだ。」
そして、細川はハキハキした声で話しだした。
「僕は細川 紫央。階級は1のAでコンピューターに強い。そして、プログラミングが得意だ。1年間よろしく。」
紫央はいかにもガリ勉!っていう感じがする。
真面目くんみたいだ。こいつはどっちなんだ?
すると、罵声が飛び交い始めた。
「何だおまえ、勝手なことすんな!!!」
「そっちこそ、何口出してんだ!あっちいけ!!!」
やはりこのクラスも…たいていの――。
ん?おっと、気の強そうな女がモデル歩きをしながら、話し始めようとした!
……が、転んでしまったぁぁぁ!
すると、足をおさえながら、苦しそうに言った。
「そこのおふたりさん!」
彼女は二人に宣言する!
「楽しい会話は止めて――。」
ん?あの二人は楽しい会話をしていたか?
まぁ、おいとこう。
「私の取り巻きになりなさい!上の命令は絶対よ!だから、お!だ!ま!り!」
あいつはやばい。
この階級制度が生み出したモンスターだ。
今の世の中は、上の命令には逆らえない。
4や5の人は、救えようがなく、学校に行く権利さえない。
これは言い過ぎかもしれないが、『基本的な人権の尊重』も20年前に廃止されてしまったらしい。
絶対言い過ぎだ。だが、基本的人権の尊重が無視されているのは現実で起きている。
多分あいつは、幼い頃から親からそう育てられてしまったのだろう。
たいていみんなそうだ。だから、この世の中をk――。
―キーンコーンカーンコーン―
チャイムが鳴り始めた。確か次の授業は……
「あゆむぅ〜。次は道徳だけど何をするのかな?そーいえば、入学式はなかったね。」
だってそりゃそうだろう。学年で60人しかいないというのもあるが、入学式なんて、先生や生徒が階級を自慢するためのものだ。
この前の卒業式なんて酷かったもんな。
階級が高いやつのやりたい放題だったし。
「そうだな。」
俺はそっけなく言った。
「あゆむは、入学式出たかった?」
大切な思い出作りにとっては素晴らしいが、少し面倒な気もする。
「少しはやってもよかったけどな。」
この言葉に対して、咲は少し悲しそうな表情を浮かべた。
すると、先生がやってきた。そして、授業が始まった。




