歩Ⅰ
今、有名になり始めた進学校、未来学園の校舎前に立っている。
偏差値が69もあるめっちゃ賢い学校。
よく受かったな、俺……校舎はとても大きく、そびえ立っている。
紹介が遅れたね。俺は木下 歩。今日から中学生。
俺の自己紹介としては、血液型はA型なんだ!
えっ?見た目?自分だと普通だと思うんだけど……
そして、すぐに行動に移せない性格。
これには、理由がある……
まだ話せないな。ここまでは普通なんだけど……
20年前に、とある総理大臣がランク分け制度と言われるカースト制みたいなのをつくったんだ。
俺は一番上の1なんだ。一番下は5。でも1〜5の中でもSABCDとランクが分けられていて、その中のBなんだ。
それでも高いから、友達と対等に話せない。それが少し――。
「おぅ〜い、あゆむぅ〜!」
こいつは幼馴染の川上 咲。 血液型はB型でおしゃべりなやつ。咲は髪型にこだわりがないのか、肩まである髪が所々はねている。
「なんだよ。大きな声出すなって。」
俺は咲に対して小さな声で文句を言った。……恥ずかしいだろ。
こいつは1のS、最上級。
ちなみに数字の階級が同じか、自分以下だと、タメ口で話せる権利が得られる。
だけど、上の階級の人には必ず、敬語。これが現在の日本d――。
「あゆむ、あゆむ。クラスが書かれた紙を配ってるって!ねぇねぇ、早く貰おうよー。」
咲がキンキン声で話しかけてくる。俺は答えもしないで、紙を貰いに行った。
「わぁ〜!同じクラスだぁ。」
……咲の声から、何も考えないで言っていることがわかる。
「当たり前だろ?学年で60人しかいなくて、クラスがニクラスしかないんだから、2分の1だろ……」
俺は呆れたように言った。
「早く教室に行こー!いいでしょ?あゆむぅ。」
ハァ、こいつはすぐに次のことに移るらしい。
自分には考えられないけど、そういうふうになりたいものである。
だけど、確かに咲の言う通り、もう教室に行かなければ。
俺たちはエレベーターに乗り込んだ。
「君たちは、今年の1年生かい?」
急にとても背の高い知らない人に話しかけられた!
そして、俺は混乱してしまった。
「あ、あっ、あのっ、な、何か悪いことしましたかっ?」
すると、知らない人は急に笑い出した。
「そんなに焦る必要はないよ!僕は3年生だ。君たちにとっては先輩かな?」
「そんなんですね。」
「せんぱぁい!」
咲の甘い声が聞こえた。
「なんだい?」
と優しく言ってくれる。その柔らかい声は俺たちを安心させてくれた。
「学校七不思議とかってあるんですかぁぁ?」
それを台無しにする咲の声。
「お、聞いてくれたね!それがね、あるんだよ!」
えっ!そんなものがあるのか!これは俺の心を揺さぶった。
「教えてください!先輩!」
あっ!つい大きな声を出してしまった。
「それはね、学校の開かない扉の奥から、人々の声が聞こえてくるんだよ。特別な人は通れるとか通れないとか。」
何だそれは!ロマンにあふれているではないか!
俺はその話で頭がいっぱいになってしまった。
そして、あっと言う間に教室についた。やっぱエレベーターは楽だな。
そう言えば、『助けてー』と言いながら、違うフロアに降りている人がいたけど大丈夫かな?
そのあとの一緒にエレベーターに乗った人が発した『麗華様ぁ!』、それも気になる。
俺はスクールライフを穏やかに過ごせるのか。不安になった。
しかし、この願いは叶わなかった。まさか、あんなボタン1つで、あんなことに巻き込まれてしまうなんて……




