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通称Draw教室Ⅷ

「先生!落ち着いてください!」

 と真希がなだめようと声をあげた。

「お前には関係ねーだろ!」

 と真希にも怒声を金井先生はあげた。

「これはわたくしと金井先生の間で起きた出来事ですから、わたくしに任せてください!」

 と麗華が自信を持って叫んだ。

「お前はさっきから何を言っているんだ!大人しく関係代名詞の問題を解けばいいのに!!」

 と金井先生は反論した。

「断りますわ!わたくしは諦めませんわ!!」

 と麗華も反論した。

「さっさと問題を解け!」

「嫌ですわ!」

「お前に断る権利はない!」

「教師がそんな口をきいていいのです?」

「そんなのはお前に関係ない!」

 ……このままじゃ永遠に続いてしまうだろう。

 止めなければ!!

 でも、俺にはそんな勇気は……

 昔の俺だったら言えてただろうに……

「これ以上、喧嘩しないで!」

 と急に咲が前に立って、そう言った。

「「咲!?」」

 と麗華と金井先生は声を合わせてそう言った。

「そんなに言い合ってても何も変わらないわ!だから、もうやめて!!」

 と咲は続けてそう言った。

 すごい!

 このひと言で、麗華と金井先生の口論を完全に止めた。

「……ごめんなさいですわ。金井先生のことを何も考えずに話してしまいまして……」

 と麗華が先に謝った。

「俺も……ごめん。俺の都合のせいなのに、逆ギレして……だから、落ち込まないで。俺が悪かった。」

 と金井先生も謝った。

「よし!仲直りということで、一件落着!ちゃんちゃんっ!」

 と咲は叫んだ。

 あぁ、このひと言のせいで台無しだ。

 そんな俺の気持ちを読み取ってくれるわけもなく、麗華の方を向いて言った。

「最近、ずっと麗華は落ち込んでるけど、これを機にもとに戻って!私たちが真梨菜をもとに戻すから!」

 と咲が麗華のことを励ました。

「ありがとう、咲!くよくよしてても仕方ないものですからね!」

 と麗華が元通りになった。

「っていうか、金井先生はすぐ怒っちゃいけませんよ!」

 と咲は金井先生にそう言った。

「すみませんでした。もうカッとならないようにしたいです……!」

 と金井先生は申し訳なさそうに言った。

「それじゃあ、勉強タイムスターt――。」

「ちょっと待ったー!!勉強タイムの代わりに違うものをしましょう!Draw教室の安心と勉強は結びつかない!」

 四葉先生がタイミングを見計らって勉強タイムを始めようとしたとき、とある人物が邪魔したのだ。

「そっ、村長!?」

 と四葉先生は驚いてそう言った。

「あぁ、村長さ!勉強なんてわざわざDraw教室でするもんじゃないだろう?せっかくだから、子どもたちには楽しいことをやらせたほうが教育に繋がるはずだ!」

 ……この言葉を聞いた四葉先生は驚いた様子だった。

「えっ!?費用の関係で勉強にするって決めたのは、NEON村の方でしょ?何よ、今さら!」

 俺はこの四葉先生の言葉を聞いて、全てがわかった。

 多分、金にがめつい村長のせいで、費用が足りなくなったんだろう。

 そして、仕方なく金のかからない勉強にしたんだろう。

 だが……咲が村長を改心させたせいで、いや、改心させたおかげで、今日することが変わることになったんだろう。

 早く登場してくれれば、さっきの麗華と金井先生のいざこざはなかっただろうに……

「で、何に変えるんです?」

 と四葉先生は尋ねた。

「それはクロスワードだ!これをやれば、ランク分け制度とかをよく理解できるようになれるぞ!」

 と村長が自信満々に言った。

 しかし、村長の奥さんが補足説明をした。

「でも……初めてクロスワードを作ったから、左側はめちゃくちゃなの……試行錯誤したって感じがするから、微笑ましいわね!」

 ……まぁ、クロスワード自体がおかしいわけではなさそうなので、俺は安心した。

「では、配るよ!」

 と四葉先生が村長からクロスワードを受け取り、俺たちに渡した。




「では、クロスワードスタート!!」

 と四葉先生の合図によって、クロスワードの時間が始まった。

「これは全部埋めるのが正解なのか……?」

 と俺は呟くと、陽翔が教えてくれた。

「多分、わかるなら、Aとか書いてあるところだけ解けばいいし、わからなかったら、周りから埋めていくのがいいと思うよ!!」

 うわー!めっちゃわかりやすい!

 初めてクロスワードを解く俺にとってありがたい!

「ちょっと、陽翔、僕にも教えてー!」

 とアナログ音痴の紫央が情けない声を出していた。

「仕方ないな〜!紫央!」

 と陽翔が嬉しそうに言った。

 これを和気藹々って言うんだなぁ〜!

 ちょっとしたら、もうみんなとき終わるのか〜。

「――む?あゆむ!ボーッとしてないで、考えるの手伝ってよ!」

 と急に咲が声をかけてきた。

「だって、こういうの苦手な俺がやっても意味がないから……」

 と俺は言い訳をした。

「それを他力本願っていうから、良くないものなの!!」

 と咲が俺にそう叫んだ。

「で、何をすればいいんだよ……」

 と俺は面倒くさそうに呟くと咲が声を荒げて言った。

「だぁかぁらぁ、一緒にぃ、考えるのぉ、手伝ってぇー!」

 ……なんで咲はこんなに苛ついてるんだ!?

 真面目にやろうとしてない俺に対して厳しくない?

「で、これを教えてほしいんだけどぉ〜。」

 と咲は俺に頼み込んできた。

 さっきの態度と全く違うぞ……

 えーっと……?

 俺は咲が指した問題を読み上げた。

「ずっと見守っている親のこと。〇〇〇な親。」

 ……これは簡単じゃないか?

「多分これは『かほご』じゃないか?」

 と俺が言うと、咲は満面の笑みを浮かべて言った。

「すごぉ〜い!!あゆむ!天才じゃ〜ん!で、次も次も!次はこれぇー!」

「嗅覚、聴覚、視覚、味覚、触覚を合わせて〇〇〇。これは『ごかん』だ!」

 と俺は叫んだ!

「次はこれ!」

「深い意味がありそう。〇〇〇〇!……多分『いみしん』だ!」

「すっごぉ〜い!次はこれ!」

 ……ん?いい気にさせて俺に全て解かせようとしていないか?

 さっきから、咲は何も考えてない気がするのだが……

 まぁ、悪い気はしないから、いいか!このまま続けても!!

「解放軍が使うもの……?」

 と俺が咲が示した問題を読み上げた。

 しかし、何も分からなかった。

「それは難しい問題ですわね!」

 と麗華が声をかけてきた。

「咲と歩以外のいつものみんなで手分けして解いたら、あと数問になったから、一緒に考えてくれないか?」

 と陽翔に言われた。

「あゆむは、私と一緒に解くもん!!」

 と咲は呟いたが、俺はその言葉を無視して、陽翔に言った。

「俺も少し分からない問題を解こうとしていたところだから、ちょうどいいよ!!」

「それはよかった!」

 と陽翔は爽やかに言った。

 それに対して咲は少し不満そうに言った。

「私のあゆむが……まぁ、あゆむが言ったのなら……」

「これが分からないんだ!」

 と紫央がそう俺に言って、指で指して教えてくれた。

 だが、指したところは全て埋まっていた。

 っていうか、もうクロスワードが完成しているけど……

「えっ!?どこか分からなかったところあるの?もう埋まっているから、答えは分かるはずじゃ……」

 と俺は言ったら、その時真希が言った。

「私もそう思うんだけど、男子が全て解きたい解きたいとうるさくて!だから、男の謎のプライドは!!!」

 これ、俺も怒られてる?

 真希は陽翔や紫央のことを睨んでるし……

 ひっ!今俺のことも睨んだ!?

 怖いから、真希に味方しとこ!!

「完成したんだから、もう考えなくていいよね!!」

 と俺は真希に同意した。

「そんなことをするとおかしくなるんだって!」

 と陽翔は力強く言った。

「AIのするものが『せんのう』。解放軍の使うもの『まほう』とかになるようですぅ〜!」

 と小橋川が説明してくれた。

 その話を聞いていた四葉先生が慌てて俺のところに来た。

「あ!そ、それは多分村長の架空の話よ!気にしないでちょうだい!!洗脳なんて現実世界に存在するわけがないわよ!魔法なんてあるわけがないわ!!絶対、村長ワールドの話よ!!」

 と四葉先生は早口でそう言った。

「キーワードを抜き出すと、『かいほうぐんばっど』になりましたわ!!」

 と麗華がそう叫んだ。

「えっ!?間違えてたわ!!多分それも……私の資料に訂正するようにって書いてあるわ!!だから、『かいほうぐんぐっど』になったわ!」

 と四葉先生が再びそう叫んだ。

「話が変わり過ぎではないですか?」

 と陽翔が尋ねるも四葉先生は違うと言い張った。

「やっぱ解放軍は素晴らしいのよ!あなたたちも……あんなふうになるのが楽しみだね!」

 と四葉先生は両手を広げて叫んだ!

 だが、村長は鋭い目突きで俺たちのことを遠くから見ていたのであった。

 これが一体何を意味するのか……

 悪いことに繋がらないといいのだけれど……

 これがあんなことに繋がるとは俺たちには全く思いもよらなかった。

 このクロスワードが俺たちを救おうとしてたことも……

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