通称Draw教室Ⅲ
朝、俺は起きて、支度をし、スーツケースを持って、家を出ると、咲がもう待ち構えていた。
「おはよー、あゆむ。楽しみすぎて、早く起きちゃった。」
咲はイベントの日だけ早起きするんだった。
「学校に早くいこー!」
と俺は咲に無理やり学校に連れてかれた。
学校に着くと、四葉が俺たちを見て言った。
「あっ!咲と歩が来たわ!これで全員揃ったわね。では、出発しましょうか!」
えっ!?俺達が最後?今、朝の6時なんだけどな。みんな何時に来たんだろう…
そうして、俺と咲はバスに乗り込んだ。
「では、出発します!ここから、NEON村まで4時間なので、今から自由時間にします!」
という四葉の指示により、楽しいバスの旅が始まった。
しかし……麗華だけテンションがあがっていない。
そのため、咲が麗華に話しかけようとすると、陽翔に止められた。
「麗華は昨日の真梨菜の様子を見たことによって落ち込んでしまったみたいなんだ。そう月子が言っていた。だから、俺たちは麗華に1人の時間を与えたほうがいいと思うんだ。そっとしておこう。」
心遣いまでできるイケメン、陽翔の説明を聞いて、俺たちは納得した。
昔は普通だった仲のいいいとこが悪魔憑きみたいになったら、ショックだもんな……
「暇だから、カラオケ大会しよーよ、四葉先生ぃ〜!」
と急に咲が四葉先生に頼み事をした。
さっきのしみじみとした雰囲気はどうなったんだ!?
恐るべし咲……
「いいわね!それじゃあトップバッターは歩!」
えっ!?お、俺?どういう決め方をしたら、そうなるんだ!?
断りたいが、断れる雰囲気ではないことは流石にわかってる。
歌うのは嫌いではないから、歌うか!
俺は前から回ってきた機械に曲名をいれ、マイクを握りしめた。
すると、機械音声が流れた。
「曲名『アサシンに憧れて〜魔法より近接攻撃の方が大好きですっ!〜』。まもなくスタートです!」
そして、俺は歌い始めた。
「お〜れはぁ、魔法〜よりも――。」
そして、俺は歌い終えた。
「では、採点です。ぱんぱかぱ〜ん!おめでとうございます!百点です!」
まぁ、これは朝飯前だな。俺は歌だけが得意なんだ!
「あゆむ、すごぉ〜い!」
「歩、すごいじゃないか!」
「歩、見直したよ!」
「歩にこんな特技があったなんて……」
みんな俺に注目しているぞ!
みんなにいいことで注目されるのは悪くないな〜!
俺がこんなふうに浮かれていたら、もうNEON村に到着した。
ちなみに俺が一発目で百点を取ったから、プレッシャーがひどく、挑戦する人は現れなかったらしい……
そして、俺たちはバスを降りた。
俺たちは、東京では感じられない新鮮の空気を味わい始めた。
すると、四葉先生が話し始めた。
「では、少し早いですが、昼食にしましょう!」
ということで、俺たちは有名な蕎麦屋さんに連れてかれた。
「ようこそ、NEON村へ!」
と店長に歓迎された。
「そば粉100%のそばと野菜の天ぷらです!そして――。」
と店長が何か言っている間に俺たち、生徒は座り始めた。
「では、ごゆっくりしてください!てを合わせてください!いただきます!」
と店長が全て言い終えたため、俺たちは食べ始めた。
落ち込んでいた麗華が何も話さなかったため、あまり、話は盛り上がらずに昼食の時間が終わった!
すると、四葉が立ち上がって話し始めた。
「はい!注目してー!重大発表しますよ!今日のメインイベントは〜!Draw教室のD、どきどきにちなんだものです!」
となぜか四葉先生のテンションが上がっている。
「それは、デスゲーム!と言いたいところですが……」
ヤバいぞ!教師が生徒にデスゲームをやらせようとしたぞ!
冗談にしてはヤバいぞ!
「お化け屋敷です!なんと、私たち教師が直々に設計を頼んだので、私たち専用のお化け屋敷なのです!」
すごい!1つの学校のためにお化け屋敷を作ってくれるなんて!
すると、四葉先生は少し、言いづらそうに口を開いた。
「私と金井先生が話し合わずに設計図をそれぞれ送ってしまったので、前半は和風、後半は洋風というお化け屋敷になってしまったのです……世界観は気にしないでくださいね!」
そんなの、言わなければ気づかなかったのに…
自分の顔に泥を塗ったぞ……
「二人一組で回ってもらうことにしました!では、チームを発表します!」
と続々とチームが発表されていった。
その結果……俺は咲と組むことになった。
「めっちゃラッキーだねぇ!そんなに怖がらなくても大丈夫よ!」
と咲は明るく俺に言った。
あと、チームでびっくりしたのは、もう一つある。
それは……
「ふふふ!予定通りに麗華様と同じチームになれたわ!」
と月子が舞い上がっていた。
そんな月子に対して、俺は尋ねた。
「違うクラスなのに、同じ班になんでなれたの?」
それに対して、月子は言った。
「それはね…昨日のパーティの後、1時間ぐらい電話で麗華様と同じチームにするように頼んだの。それがお化け屋敷のチームわけに適用されたのよ!」
それは月子らしい行動だな。
ストーカーというものは恐ろしい……
「わたくしも月子と一緒でうれしいですわ……」
と落ち込みながらも麗華は喜んでいた。
「では、1組目の咲&歩いってらっしゃ~い!」
そうして、俺たちはお化け屋敷に足を踏み込んだ。
お化け屋敷の中は不気味な音楽が流れていた。
すると、目の前に幽霊が現れた!
「う〜ら〜め〜し〜やぁ!」
その幽霊の言葉を聞いて、俺たちは走り出した。
「キャァァァァ!幽霊は無理ぃぃぃ〜!」
と咲は情けない声を出している。
すると、前から、河童が現れた。
「僕のお皿が割れちゃっ……………………たぁ!!!!」
と河童が驚かしてきたが、咲は全く怯えなかった。
そのうえ、咲はこう河童に言った。
「あら、可愛い河童ちゃん。どうしたの?お皿、割れちゃったの?私が新しいお皿探してあげる!」
河童はそんなことを言われると思っていなかったのか、少し焦っていた。
「ご親切にありがとうございます。でも、1人で探すので、大丈夫です。……なんか、大きな声を出してすみませんでした。」
なぜか河童が謝っちゃったよ!!
「ええ、気にしないでちょうだい!何か困ったら、また私に何か言ってね!それじゃあ、バイバ〜イ!」
なんて呑気なんだろう。
すると、咲は自慢げに俺に言ってきた。
「ふふっ、私は架空の生き物ならば、何でもOKなのよ!甘いわね、先生方!」
なんか勝負でもしていたのか?
咲はとても頼もしいな!
「お皿が……1枚……2枚……」
と言う声が聞こえてきた。
すると、咲が声を上げた。
「もしかして、河童ちゃんのお皿を持ってるんじゃない?」
そして、俺たちはお皿を数える声が聞こえてくる方に向かった。
そこには、大きな井戸があり、その中で女の人がお皿を数えていた。
「あのー。河童ちゃんのお皿を持っていますか?」
と咲がお皿を数える女の人に尋ねたが、咲を無視して、お皿を数えた。
「7枚……8枚……9枚……あと、1枚足りな〜い!お前らの仕業か!」
と言って、俺たちに襲いかかってきた。
「河童ちゃんのお皿を探している人じゃなくて、幽霊だったぁ〜!キャァ!!!!」
と咲は走り出して、奥の方に消えてしまった。
俺を置いてったぞ!?
すると、足が動かなくなった。
髪を前に垂らした人が俺の足をつかんでいたのだ。
だが、その人はお皿を数えている人ではなかった。
「あの方をどこに……?麗華様を!!!」
幽霊だ!!
俺はビビって、咲が走り出した方向に、俺も走り出した。
「あれ?歩?なんで逃げるの?」
という声も聞こえてきたが、無視して、俺は走った。
「あっ!歩も走ってきたんだね!なんか雰囲気がもう洋風になってるよ!」
ほんとだ!目の前にフランケンシュタインが見える。
「……」
フランケンシュタインはひと言も喋らない。
「それじゃあ、もう行こうか!フランケンシュタインは可愛くないから!」
と咲の一声でフランケンシュタインをスルーし、咲に進むことにした。
そんな俺達をよそに、フランケンシュタインは泣いている。
「ワォーン!こんにちは!食べちゃうぞ!」
と狼男が登場した。
「狼男さん!?なんて、可愛らしいの!私のペットにするわ!」
と咲が首輪を取り出し、唖然としている狼男の隙を突いて首輪を狼男の首に取り付けた。
「あ、あの、おやめください。」
と狼男が言った。
「どうしたの?」
と奥から、ドラキュラが登場した。
「助けてください!ドラキュラさん!小娘がぼくのことをペットにしようとしてます!」
と狼男がドラキュラに助けを求めた。
「えっ!?ドラキュラさんもいるの!?なんてカッコいいの!」
と咲が感嘆の声を漏らし、注意がドラキュラに向いた。
そして、俺が狼男に小声で声をかけた。
「狼男さん、今のうちです!所定の位置に戻ってください。」
そして、狼男さんは俺にお辞儀をし、所定の位置に戻った。
「僕はドラキュラ!人間の血を飲んじゃうぞ!」
と咲にドラキュラは言ったけれど、咲には効果がなかった。
「私のドラキュラさん!コウモリになって!」
と咲は意味不明なことを言っていた。
「もうだめです!ゾンビ軍団、お願いします!」
とドラキュラが叫んだその時!
「ヴァ、ヴァ、ア゙!」
とゾンビが襲いかかってきた!
「ゾンビは………無理ぃ!!!」
と咲は叫んだ。
そして、俺たちは一心不乱に走った。
道中にいた、化け物は無視した。
「歩チームが来たわ!」
と四葉が迎えてくれた。
「それじゃあ、他のチームを待ちましょうか!」
そして、1時間ぐらい経った。
「ようやく、全員集まったわね!」
はぁ、やっと集まったか……
「我々村民が演技したお化け屋敷はどうでしたか?」
と村長に尋ねられた。
その問いに対して、咲がこたえた。
「お皿を数える女の人がすごかったです!」
その発言を聞いた俺と咲以外は首を傾げた。
「えっと、そんな人いませんよ?」
と四葉先生が言った。
それに対してみんな頷いている。
「でも、聞いたことあるわ。昔々に井戸で亡くなった女性の話を!その女性は皿で遊んでいたところを義父に見つかってしまったそうなの。そして、新しい皿を見つけるように言われ、買いに行く最中に井戸に落ちてしまったそうなの……」
咲と俺はフリーズした。
あれは本当の幽霊だったみたいだ……
ってか、殺されたわけじゃなかったみたいだ。俺はその女の人の自業自得だと思った。
そんなに、怖がる必要ないな……
「まぁ、気を取り直して、宿に向かうわよ!」
と四葉が腕を高く上げ、宿、NEON館に連れて行かれた。
その宿は輝いていて、俺たちを魅了した。




