パーティ
はぁ、もう日曜日になってしまった。
Draw教室の前日だというのに、パーティがあるなんて……
すると、咲が登場した。
「一昨日ぶり、あゆむ!楽しみだね、パーティ!」
と咲は浮かれている。
俺たちは麗華の家に向かった。
「なぁ、咲。寮生活に向けて、荷物を学校に送ったか?今日締め切りだぞ!」
と俺はすぐに忘れる咲に催促した。
「えっー!?忘れたよー!ありがとー!」
おいおい、パーティが長引けば間に合わない可能性があるのに……
「歩、咲おはようございますわ!β-21駅からはわたくしの車で送りますわ!」
と麗華が登場し、車で麗華の家まで送ってくれた。
「やっほー!久しぶり!」
と俺達が車から降りると、真希が話しかけてきた。
「他の皆様もまもなく到着しますので、麗華さんたちはお部屋に移動しておいてください。」
タキシードを着た人々が現れ、麗華にそう言った。
「ありがとう、メイドAさん!」
えっ!?麗華の家はメイドを雇っているの!?なんて贅沢な!
俺なんて……
危なく、あの出来事を思い出してしまうところだった。あれを思い出すとヤバいからな。
俺たちは他のみんなを待つことにした。
そして、10分後。
「これで全員揃いましたわ!では、始めましょう、パーティを!」
と麗華が言った。
「今回のパーティはブュッフェ形式!ドリンクコーナーとデザートコーナーは1号室、海鮮コーナーとライブキッチンは2号室、その他諸々は3号室にありますわ!ちなみに4号室には入らないでくださいまし!では、親睦を深めましょう。パーティ開始!」
ということで、パーティが始まった。
合図がダサかったのはおいておこう。
パンドラの箱だからな。
月子にこてんぱんにされるかもしれないし。
でも、ブュッフェ疲れるよな。
取りに行くのが面倒だし、まぁ仕方ない……
俺と咲は海鮮コーナーへ向かった。
なんと言ったって、俺たちは海鮮に目がないんだ!
「ここでは、浜焼きを楽しめまーす!」
メイドがそう言った。
ホタテ、牡蠣、ハマグリ!なんて贅沢なんだろう。ずっとここにいたい!
「牡蠣の調理方法は3つから選べます。味付けなし。ガーリック焼き。トマトとホウレンソウ焼き。こんな感じです!」
と言われたので、俺たちは全部頼んでしまった。
浜焼きは焼くのが大変だから、焼いてくれると楽だな!
「出来上がったら、席に持っていくので、お飲み物でも取ってきてください!」
と言われてしまった。
「ありがとうございまーす!めっちゃ親切ですね!」
と咲が舞い上がった。
そして、俺たちは飲み物を選び、自席についた。
「咲ってユニコーン好きなんでしょ?」
と真希が咲にそう言った。
まずい!咲にその話をしたら、架空の生き物大好き人間モードになってしまう!
話を変えなければ!
「ユニコーン以外にも好きなものたくさんあるよな!ドラゴンとか!」
こう言っておけば、問題はないはず……
「あっ!そう言えば、あゆむってツンデレのツンちゃんだよね?」
なんか俺に話題がとんできた!?
「ツンデレのツンちゃんってなんですの?」
と麗華が尋ねた。
麗華ナイスだ!話をそらせ!
だが、そんなのが咲に通用するわけがなく……
「ツンデレのツンちゃんは強調表現みたいなものなの〜!話をもとに戻すけど、あゆむのツンデレって面白いよね!心の声と絶対違いそう!」
……なぜか合っている。そんなに俺ってツンデレか!?
「そんなんじゃねーし!普通にしてるだけだ!」
これでツンデレではないことを証明できるはずだ!
「本当にツンデレだな!」
と陽翔に爽やかに言われてしまった。
陽翔の言うことはたいてい正しいから、俺は本当にツンデレらしい。
俺はこの場から逃げるために海鮮丼を取ってくるのを口実にして、近くの部屋に逃げ込んだ。
なんと驚くべきことにそこには月子がいたのだ!
「どうして、4号室に入ってきたの!?麗華様から入るなって言われたでしょ!ちなみに私は麗華様直々に許可をもらっているから、セーフよ!ねぇ、プリンセスもも!」
俺はその名を聞いて、思わず口に出してしまった。
「プリンセスもも!?なんて名前だ!ダs――。」
あっぶな!月子がこちらを睨んでた。
しかも、拳を振り上げている。
「わんわんわん!」
とプリンセスももが月子に吠えた。
「えっ!?麗華様のいとこが来るですって!?麗華様に知らせなきゃ!」
と月子は言い、麗華の元へ走っていった。
俺は自席へ向かいながら、考えた。
プリンセスももって普通の犬っぽくない気がするな。月子とプリンセスももが話してた気もするような……
まぁ、ファンタジーじゃないんだから、犬の言ってることがわかるわけないよな。月子だから、できそうだけど……!
すると、玄関に知らない女子が立っていたのが見えた。
「麗華!来たわよ!麗華より素晴らしいこの私、真梨菜が!」
この人が麗華のいとこか……麗華より、気が強そうだな!
「この私は麗華が受からなかった
Artificial Intelligence High Schoolという学校に受かったのよ!私の方が麗華より断然上の立場よ!」
と謎のマウントをしてきた。
「違うわ!麗華様は受験会場を間違えたのよ!」
と月子が叫んだ!
「そのおかげで私は麗華様と同じ学校に通えたの!」
と小声で月子は呟いた。
「フフフ、私は麗華のパーティをめちゃくちゃにするために来ましたの!行けっ!ボナパルト!」
と真梨菜は叫んだ。
すると、真梨菜の後ろからずんぐりむっくりとした物体が登場した!
「わぉーん!」
こいつがボナパルト!
しかし、何もしなかった。害はなさそうだ。
「もぉー!何なのよ!役立たずね!せめて、麗華だけでも!」
と真梨菜が叫び、拳を麗華に振り上げた!
そのときっ!
身長2メートルのがたいのいいメイド服を着た人物が麗華を庇った!
「め、メイドマッチョさん!」
めっ、メイドマッチョだと!?
俺はそのメイドマッチョの顔を見ると、普通の女性だったことに気がついた。あっ、髪の毛を可愛いリボンで結んでいた。
すると、メイドマッチョは目にも留まらぬ速さで真梨菜の首に手刀をいれた。
だけど、俺だけにはその姿がくっきりと見えた。
「麗華さん、不審者はこちらで対処しましたので、パーティを続けてください。」
とメイドマッチョはそう告げ、真梨菜を肩に担ぎ、そのままどこかへ行った。
「おーい、忘れ物だぞ!」
と俺は丸い物体を指して、そう言った。
すると、陽翔が口を開いた。
「チャウチャウという品種の犬だな。」
と陽翔が解説してくれた。
「そうかもしれないけど、ケルベロスよ、あと頭が2つあれば!!!」
このヤバい発言を誰もツッコめなかった。
しかし、麗華は発言できた。
「あっ!ボナパルトのことですのね!ボナパルトには害はありませんわ!プリンセスもも遊んでさしあげなさい!」
「わん!わんわんわーーーーーん!」
プリンセスももは何かを必死に訴えているようだ!
「プリンセスもも、わがまま言わないの!麗華様の命令は絶対よね?」
そのままプリンセスももとボナパルトは同じ部屋に入れられた!
「ごめんなさいね、真梨菜があんな感じで。昔は普通の子でしたの。でも、最近様子がおかしくて、悪魔憑きみたいに……」
と麗華はそう言って、泣き出してしまった。
「きっと大丈夫よ!私が麗華様のために真梨菜さんをもとに戻します!」
と月子が麗華に寄り添った。
そんな感動シーンを見て、俺たちは同情した。たった咲を除いて……
「もしかしたら本当に、悪魔が取り憑いているのかしら?わくわくしてきたわ!」
と咲は目を輝かせていた。
「あら、もうこんな時間!明日のDraw教室は早いから、もうお開きにしましょう。」
すると、真希がそう言い、やっとパーティは終わった。
パーティの記憶より、真梨菜との1件が強く印象に残った。




