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死亡フラグを回避したいだけなので!  作者: 春河マキ
第1章 回避のために
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12話 まさかの事件

 あれから、リアンからの手紙は一通も来なくなった。


 ディランは何やら忙しそうに屋敷中を走り回っていて相談できないし、お祖父様はお祖父様で何日も家を開けていて、全然話せていない。


 そして、私はというとどんどんワトソン家との縁談話が進んでいき、現在、


「貴女は、彼を一生支え、愛し合うとー」


「(来てしまった。遂に、来てしまった...。)」


 そう。今日は式の日だ。


 正直全然嬉しくない。お祖父様もディランも何故か席にいないし。


「クリエラ?クリエラ・グラス?」


「えっ。あ、はい!」


「誓いますか?」


「え、あの」


 チラッとダニエルの方を向くが、私がなかなか誓うと言わないからか、イライラしていた。


 お祖父様もディランもいないのは、私を見放したのだろう。


「......誓います。」


 私は、もう諦めるしかないのだろうか。


 ダニエルが私のベールを手に取ったとき、扉が開かれた。


「折れるなって言っただろ。」


「り、リアン?!」


 入って来たのは、リアンと、お祖父様と、ディランと...軍警?!?!


「全員その場に跪け!そして両手を上げろ!」


 え。それ凄い体勢だよね?顔面床にぶつけるよね?


 取り敢えず、私は言われた通りにした。ダニエル以外のワトソン家の人々はというと、バツの悪そうに顔をしかめていた。伯爵に関しては"何故だ...。"と言っている。


「ワトソン家伯爵。貴方を皇帝の資金を横領し、さらに反乱を企てた罪で逮捕する。」


 ダニエルのお父さん何してるの?!?!


 あれ、そういえばゲームではダニエル、父親について何か主人公に隠していたような...。


 まさか、これ?!


「犯罪者の息子と結婚なんて、させれるわけないよねぇ?」


 ディランが、こちらに手を差し出す。


「行く宛がないなら、俺がいる。」


 リアンも、手を差し出す。


「リアン君...そうだったのか。だから私達に協力を...。」


 お祖父様は、リアンの言葉に驚いていた。


「捕まってたまるか!!」 


 何処に控えたいたのか、アレク家伯爵が数多の荒くれ者を軍警、そして私達に襲うよう命じた。


「取り敢えずグラス家の令嬢を人質に捕らえるんだ!グラス家伯爵は孫娘に弱い!!」


 私の方に荒くれ者が迫ってくる。


「全く...舐められたもんだね。」


 ディランは私の前に立ち、剣をとる。リアンは私の後ろでディランと同じ体勢をとった。


「後ろは頼めるね?」


「あぁ。任せろ。」


「私も頑張り時かな。」


 剣と剣がぶつかり合う。敵の数は多いが、所詮荒くれ者。お祖父様にしっかり鍛え上げられたお兄様達には叶わなかった。


 しかし、あまりの数故に、リアンもディランも、頭上に登った弓師に気付かなかった。


「リアン!お兄様!」


 懐からナイフを取り出し、弓師の耳の後ろを狙って放つ。


 ナイフは命中し、弓師は天井から落ちた。死なない程度の傷にしてあるが、私が狙った部位は、傷付くと動けなくなるポイントなのだ。


「私も加戦します!」


 スカートを大きく破り、動きやすくする。そして、予め太ももに巻いていたベルトに固定していた剣を抜く。


「お二人はこの教会内の敵をまずは排除して下さい!殺さないように。」


「は、クリエラ?!」


 2人の間からすり抜け、お祖父様の元に加わる。


「お祖父様は伯爵を追ってください。あと、部下を数人貸してください。残りの残党を私が始末するので。」


「...無理はしないでくれ。」


「了解です!」


「...祖母譲りだな、その強さは。」


「え?」


「何でもない。急ぐんだ。皇居に被害が届く前に!」


★★★

 残党を追い、気付けば宮殿内に入っていた。


「(まずい。皇居にまで...!)」


 お祖父様は、無事伯爵を捕まえる事は出来たのだろうか?追加で後ろからの敵が来ていないので、恐らく成功したのだろうが。


「人数的にあと一人なのだけれど...!」


 悲鳴が聞こえた。それは、少女の声だった。


「貴方、一体何ですの?!わたくしに触らないで!」


 私は急いで駆け付け、敵を切る。そして、悲鳴の主である少女に声をかける。


「大丈夫ですか?」


「あ、貴女は?」


「私は「ミシェル!」え?」


 掛けてきたのは、息をきらした金髪碧眼イケメン。


「大丈夫かい?!悲鳴が聞こえたから来てみれば!君が助けてくれたのか?」


「は、はい。」


「名前は...」


 その時、遠くでかすかに笛の音がした。


 お祖父様が、軍の長だった時に使っていた笛。


「すみません!私、帰ります!」


 "お大事に!"と言って、塀を登って急いで帰る。


「彼女...なんでウエディングドレスを着ていたんだ?」


「そこですの?」


「いや、でも彼女は凄いな。」


「いやだ、貴方、興味でも湧きましたの?」


「そういう君も、少し顔を赤くして彼女を見詰めていたじゃないか!」


「それは!」


「"王子"!"姫"!」


★★★

 後日、私の元に手紙が来た。アレク家からだ。


 封を開けると、婚約をしたいというものだった。


「やったわ!」


これで、私は生き残れる。

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