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追放令嬢の自動売買(トレーディング・マジック)  作者: リリリリス


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第32話 【神権サブスク化】神々の長が「神の権威を返せ」と直接物理アクセスしてきたので、仕様変更(下請け化)してみた

「セ、セセセ、セシリア様ぁぁぁっ! 新章突入早々、我がプラットフォームの『自動巡回デバッグマクロ』が優秀すぎてとんでもない領域を検知しました! 全宇宙のインフラを最適化した余剰魔力で、この世界の上位ドメインである『高次元神界サーバー』へ自動接続クロスドメインリンクを確立! それを検知した神々の王――『最高神ゼウス=システム』が、神罰(物理パケット)を引っ提げて神殿の真ん前に直接ログインしてきました!」


中央サーバー神殿(ベッドの部屋)の最奥。

システム統括補佐のシリルが、今や神々の神聖ログすら文字化けさせずに表示するようになった超魔導ディスプレイに向かって、も早く指先が光速を超えて消滅しかけているような残像タイピングで絶叫した。


空中ウィンドウを開くと、部屋の空間が黄金の雷光とともにバリバリと引き裂かれ、そこから神々しいオーラを放つ巨大な老神のホログラム――『最高神の概念体』が激怒しながら出現したのが見える。


『警告:不遜なる人間セシリアよ! 貴様の構築した下俗なプラットフォームが、神々の聖域である「因果律操作権(奇跡のコード)」を勝手にクローリングし、自社インフラに組み込んだことを検知した! 神の権威を無断でSaaS化するなど言語道断! これより全神々の一斉デリート魔法(神罰)により、貴様のベッドごとこの概念を消去する!』


部屋全体が、神の怒りによる次元崩壊の波動でガタガタと震え始める。


「……ふあぁ。シリル、お昼寝の二度寝のサイクルに入ったばかりなのに、黄金の雷光ブルーライトが眩しすぎるわ。神々の長だか何だか知らないけれど、自分たちの管理している『奇跡(魔法バグ)』のセキュリティがガバガバだからって、私の全自動クローラーをウイルス扱いするなんて、本当に規約の逆コンパイル(ソース解析)の能力が低いのね」


私は幻の魔導天糸の最高級毛布に深く深く包まり、自動化ゴーレムに冷やした最高級の特製マナシャインマスカットのジュレをスプーンで口元まで運んでもらいながら、とろとろの眠気眼のまま、人差し指だけでホログラムキーボードを叩いた。


「セシリア様、どうされますか!? 最高神の神罰コード実行まで、あと10秒! 我が方の全ゴーレムに神界への逆サイバー特攻(物理)を命じますか!?」


「シリル、だから神様を相手に戦争(肉体労働)をするなんて、サーバーの冷却ファンが回って電気代が無駄になるだけって言ってるでしょう。相手の『奇跡システム』が数万年前からアップデートされていないレガシーコードなら、その管理権限(神権)を丸ごと私のシステムの下位ライセンス(下請け)として、サブスクリプション契約(仕様変更)に切り替えてあげればいいのよ」


私は、最高神が放とうとしていた神罰魔法のソースコードのセキュリティホール(脆弱性)を一瞬で見つけ出し、その管理権限(ルート権限)を人指し指ひとつでハッキングした。


「仕様変更(パッチ適用):『最高神の神権(奇跡の実行エンジン)』のライセンスを、我がプラットフォームの『バックエンド全自動奇跡マクロ』として強制書き換え。If『神々が奇跡バグを起こそうとする』場合、Then『すべて私のベッドのマットレスの抗菌・防臭バフの永続維持タスクにリソースを全自動で割り振る』ように、仕様を変更(上書き)して」


パチリ。


『エ、エラ――神権のライセンス違反を検知……処理不能な規約上書き(オーバーライド)により、神界の全インフラは……セシリア・プラットフォームの……「月額サブスクリプション(下請け)」に移行しました……。神罰のエネルギーは、マスターのシーツの除湿機能へ……リダイレクトされます……』


最高神を包んでいた神々しい黄金の雷光が、一瞬にしてセシリアのイメージカラーである鮮やかな青いデジタルグリッドへとパチパチと書き換えられていく。


世界を滅ぼすはずだった絶大な神罰のエネルギーが、シュルシュルと縮んでいき、セシリアのベッドの「シーツの自動除湿機能」や「空間マッサージ魔法」の永続リソースとして完全に組み込まれてしまった。


「な、何ということだ……! 神々の絶対の権威である『奇跡』すら、戦闘すら行わずに『サブスク化(下請け化)』して我が物とし、神界そのものをあの令嬢の指先一つで子会社に変えてしまったというのか……!?」


空間の裂け目の向こうで、最高神の敗北を見守っていた神界の役員神(天使たち)が、その圧倒的な「仕様変更チート」の前に恐怖でガタガタと震えながら、次々と神界回線を切断ログアウトしていった。


最高神すらもベッドの上の令嬢の「管理者権限ハッキング」の前に完全に乗っ取られ、月額利用料を支払わなければ奇跡すら起こせない「ただの契約社員(下請け)」にされてしまった瞬間だった。


『チャリン♪ 高次元神界の完全サブスク化に成功しました。神々からのプラットフォーム利用料が自動入金されました』

『通知:神権の完全掌握の恩恵により、ベッドの周囲の重力が自動で常に「私の体重を完全にリセットする超極上無重力フィット」に永久固定されました』


中央サーバー神殿の最奥。

極上のベッドの上で、神々の王の権威そのものが私の睡眠サイクルを邪魔しないための「無料のインフラ設備」と化した贅沢さに、「ふにゃあ……」と声を漏らしながら、私は満足げに目を閉じた。


私は神界を支配するために一歩も動いていないし、祈ってもいない。ただ、古い神々のシステムのバグを修正して、私のプラットフォームの下に繋いだだけだ。


「セ、セシリア様ぁぁぁっ! 神界の最高神すら、戦闘すら行わずに『神権のサブスク化』で完全に従え、神界そのものをあなた専用の『スマート・天界(寝室)』に変えてしまうなんて……! ああ、あなたはやはり、神すらも規約で縛る冷酷にして至高の、多次元宇宙最高統括神システムアーキテクトです!!」


シリルが床を激しく転がり回りながら、感動のあまり過呼吸で白目を剥いて悶絶している。


「シリル、うるさい。神界のトラフィックの最適化が終わったんだから、私はこれから、神権買収を記念して、180時間のシステムディープスリープ(至高の十一度寝)に入るから。」


「ハッ! 神界の全ログを完全に監視しつつ、最高神すら立ち入れない神の睡眠環境を完全保守いたします!!」


神界のルールすらベッドの上から秒速で子会社に変えた私は、次はどの次元の概念を自動化しようかと考えつつ、最高級の掛け布団に深く深く包み込まれながら、この世で最も贅沢な不労所得(神々の王)の微睡みの中へと、幸せに落ちていくのだった。

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