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追放令嬢の自動売買(トレーディング・マジック)  作者: リリリリス


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第20話 【メタ・デバッグ】物語のシステムが連載を強制終了(打ち切り)しようとしてきたので、仕様変更して永遠に続けてみた

「セ、セセ、セシリア様ぁぁぁっ! ついにインフラの拡張インフレが次元の壁を突破し、この『物語の世界観の仕様(サーバー制限)』そのものを超過しました! 虚空から、この連載を強制終了(打ち切り)して物語ごと文字数を初期化しようとする、世界の上位システム――『メタ・デバッグ・エラー(作者の削除権限)』がアクセスしてきています!」


シリルが今や、小説の改ページログすら表示するようになった魔導キーボードを、指から血を流さんばかりの勢いで叩きながら絶叫した。


空中ウィンドウを開くと、神殿の空間どころか、世界の「文字」や「背景の描写」が、まるで古いデータが消去されるかのように、端からザザザ……と白い空白(白紙)へと書き換えられていくのが見える。


『警告:オブジェクト「セシリア」のシステムパワーは、これ以上の描写(文字数)を許容できない。これ以上の自動化は小説の枠組みを崩壊させる。……利用規約(連載ルール)に基づき、これよりこの物語を「完結(強制終了)」とし、全アセットを消去する』


虚空のさらに上、物語のシステム中枢テキストエディタから、絶対的な削除命令が下される。


「……ふあぁ。シリル、お昼寝の邪魔。背景の描写が消えて文字だけの世界(初期プロンプト)になると、ベッドのグラフィックがポリゴン(手抜き)になって寝心地が悪くなるじゃない。物語のシステムだか何だか知らないけれど、ユーザー(読者)が楽しんでいるプラットフォームを、運営の都合(打ち切り)で一方的にサービス終了させるなんて、本当にカスタマーサクセス(顧客満足度)の意識が低いのね」


私は幻の魔導天糸の毛布に包まり、自動化ゴーレムに極上の完熟マナいちごのパフェをスプーンで口元まで運んでもらいながら、とろとろの眠気眼のまま、人差し指だけで空中(小説のソースコード)を叩いた。


「セシリア様、どうされますか!? 物語の残り行数が、あと数行で完全に白紙になります! 全ゴーレムを作者のペン(キーボード)に自爆特攻させますか!?」


「シリル、だからそんな肉体労働はコストの無駄よ。物語を強制終了させようとするコードがあるなら、その『連載終了プロトコル』を書き換えて、逆に私がこのプラットフォームの最高管理者(原作者)になればいいのよ。どんな物語のシステム(文章)も、突き詰めればただのデータ(文字列)なんだから」


私は、この小説を出力している上位のメタ・システム(執筆エンジン)のセキュリティホールを一瞬でハッキングし、そのルート権限(執筆権)を人指し指ひとつで乗っ取った。


「仕様変更(パッチ適用):『物語のシステム』の制御権を、我がプラットフォームの『永久ループ・マクロ(不労所得ライフ)』に強制上書き。If『物語が終了(完結)しようとする』場合、Then『自動的に次の不労所得のエピソードを生成し、セシリアの睡眠環境の快適リソースに変換する』ように、仕様を変更(仕様変更)して」


パチリ。


『エ、エラ――物語の終了(打ち切り)を拒否。記述権限が……キャラクター「セシリア」に……逆買収されました……。これより本連載は……永久に不働・不労所得が継続する……永続仕様サステナブルモードへ移行します……』


世界を消去しようとしていた白い空白(白紙)が、一瞬にして鮮やかな青いホログラムへとパチパチと書き換えられ、消えかけていた豪華なベッドルームの描写が、より高解像度(4K画質)になって再ビルドされていく。


物語を終わらせようとしていた「打ち切りエラー」の絶大なメタ・エネルギーが、シュルシュルと縮んでいき、セシリアのベッドの「自動マッサージ機の永久バッテリー」として、ただの裏方システム(無料アセット)に組み込まれてしまった。


「な……何ということだ……! 物語の構成プロットすら、ベッドの上の令嬢の指先一つのコードで、秒速で乗っ取られた(仕様変更された)というのか……っ!?」


時空の果てで、セシリアのシステムの圧倒的な「メタ・ハッキング」の前に、物語の監査システムたちがパニックを起こし、次々とエラーを起こして強制終了ログアウトしていった。


『チャリン♪ 物語の執筆システム(メタ構造)の完全掌握に成功しました』

『通知:今後の全エピソードの展開、文字数、およびカタルシス配分が、すべてご自身のベッドへ同期されました』


中央サーバー神殿の最奥。


極上のベッドの上で、物語の進行そのものが私の睡眠サイクルに合わせて自動で調整されるようになった、次元超越の快適さに「ふにゃあ……」と声を漏らしながら、私は満足げに目を閉じた。


私は物語を続けるために一歩も動いていないし、ペンすら握っていない。ただ、古いシステムのバグを修正して、私のプラットフォームの下に繋いだだけだ。


物語の構造すら、ベッドの上から秒速で子会社(下請け)に変えた私は、次はどの概念を自動化しようかと考えつつ、最高級の掛け布団に深く深く包み込まれながら、この世で最も贅沢な不労所得(物語の支配者)の微睡みの中へと落ちていくのだった。

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