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三度目勇者の異世界紀行  作者: 陽山純樹
第三話

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209/215

動き出す敵

「オリヴァーさんが仲間になった魔族をどうにかまとめて、ファルビアさんが作戦を立てる……色々な可能性を考えた上で戦略を立てるということで、合ってる?」

「ああ、それで間違いない」


 俺がそう返答した時、屋敷から離れ森の入り口に辿り着いた。気配を探るが、悪魔がいる様子はない。


「今はオリヴァーが引き入れた味方を、ファルビアがどう操るか……連携という面では少し懸念もあるな。オリヴァーが盟主である以上は指揮官だってやるだろうけど、実際に戦闘を行った際、どうなるか……」

「その中で私達の役目は、少しでも犠牲を減らすべく動く、か」

「これまでとやることは変わらない。悪魔の能力に応じて、立ち回りを変えるくらいかな」


 ヘレナは俯き考え始める……勝てるかどうかは問い掛けなかった。そうではなく勝たなければならない、と彼女も理解している。


「……その中で、魔王の側近に付き従う大陸の裏切り者達は、どう動くと思う?」

「実際にオリヴァー達が軍を形成し、正面から激突することになったらわかることだな。俺の個人的な見立てとしては、そういう者達が最初の戦場に立って相対することになると思っている」


 そこまで言うと、俺は息をつく。


「もしそうなら、俺達はそういう者達と戦うことになるかもしれないな……彼らは間違いなく魔族に対抗するための手段を構築している。十年前の戦争で、大陸は魔族に対する多くの知識を得た。魔族は基礎能力は人間を圧倒しているが、技術力などで対抗してきたからこそ、戦場に出てくるだろう」

「……最初にぶつかった時、どれだけそういった戦力を倒せるか、だね」

「犠牲を少しでも減らすためには、それも重要だろう……さて」


 俺は周囲をぐるりと見回した後、ヘレナへ言った。


「もう少し屋敷を離れて状況を確認してみようか――」






 数日後、俺達は側近達の状況について知ることができた。複数の魔族が調査を行った結果であり、大きな成果だった。


「悪魔が、相当な数陛下の城を取り巻いているらしい……その中で、多数の悪魔が隊列を成して動いていることもわかった」


 屋敷の中に存在する会議室、そこで俺達はテーブルに広げられた魔族の領域の地図を見ながら話をする。全員が立っており、この場には俺とメル、オリヴァーとファルビアがいる。

 ヘレナとフィリスは屋敷周りの見回りを行っており、さらにジーガの姿もない……彼は今も作業を続けている。


「間違いなく悪魔達を軍隊として運用する気のようだ……側近達に味方した同胞は少数だ。悪魔など生み出した魔物を除く場合、単純な頭数は大陸から多種族を引き入れたとはいえ、私達が圧倒している」

「けれど悪魔の生成によって、戦力差は拮抗している……か?」


 こちらの問い掛けにオリヴァーは頷いた。


「以前も話したように、側近達は私達同胞に関する情報を所持している。ジーガの能力だって把握しており、悪魔の対策を立ててもそれによってこちらが圧倒できるだけの材料にはなっていない」

「ジーガが加わってようやく拮抗、というのがこちらの評価だ」


 オリヴァーに続きファルビアが告げる。


「勇者トキヤの助力は非常に頼もしいが、側近達はそちらの情報を所持していることを踏まえれば、あまり無茶もさせられない……とはいえ戦力的には互角にまで持ち込んだ。後は策の応酬で倒せるか否か、だな」

「魔族達はまとまっているのか?」


 俺はオリヴァーに問い掛けると彼は頷き、


「今のところは……生み出された悪魔の数などを踏まえると、本格的な戦いがどれだけ大変なのか、危機感を持つに至った。最初話をした際は、余裕で勝てるだろうと甘く見ていた者もいたが……現在はいない」

「次の戦いでは、内輪もめするようなこともなさそうか」

「以降の戦いではわからないが、な……それと、悪魔達を率いる指揮官についても情報がある。側近達は外に出ておらず、味方となった同胞や、大陸からやってきた多種族などが担うらしい」

「ここについては予想もしていたから特に驚きはないな……ジーガによる悪魔の対策の状況は?」

「進捗状況は七割ほどで前線に出る者達には行き届いている。仲間になってから恐ろしいほどの速度で作業を進めており、対策が十分機能することも検証はできている」

「そうか……では、具体的にどうする? 敵はそれこそ大量の戦力を動員して一気に決着をつけようとしているみたいだが」


 こちらの疑問に対し、応じたのはファルビア……彼女はテーブルに広げられた地図のある一点……地図の中央を指さした。


「この場所で決戦となる。この島の中でもっとも広い平原……両雄がぶつかる場所として最適だ。紛れもなく、総力戦になる」

「最初の戦いが総力戦か……」

「敵は一度で決めようとしている……とはいえこちらも戦いが長引けば連携も崩れる。このやり方はこちらとしても賛成だ。一度の戦いで大勢を決められるからな。後のことを考えなくてもいい」


 そう述べた後、ファルビアは結論を出した。


「見立てでは決戦は五日後くらいになる。それまでにこちらも、決戦の準備を進めるべく、戦力を結集するぞ――」


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