↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
90/228

顔を上げて

ミカイラはしばらく黙っていた。

そして――

「ふーん……」

キランが彼女を見る。

ミカイラの表情が、妙に真剣になった。

真剣すぎる。

「つまり……」

首を傾げる。

「私のこと、大切に思ってるんだ?」

キランが固まった。

あれだけいろいろ話したのに――

*そこ*に食いつくのか?

「俺、そんなこと言った?」

ミカイラの顔に笑みが浮かんだ。

キランは即座に目を逸らす。

「いや、その……」

頭の中で必死に逃げ道を探す。

「俺は……」

何も出てこない。

ミカイラが小さく笑った。

そして彼女の手が、キランの顎の下へ伸びる。

そっと顔を持ち上げた。

「うつむかないで」

キランは彼女を見る。

ミカイラが近づく。

「私は、ちゃんと顔を上げてる男が好きなの」

キランの緊張が消えた。

その瞬間――

ネオンはいなかった。

破壊されたレストランも。

警察も。

犯罪との戦いも。

明日何が起こるのかという不安も。

ただ――

彼女だけ。

ミカイラがさらに顔を近づける。

そしてキランにキスをした。

キランの目が見開かれた。

それから、ゆっくりと閉じる。

シトロン・シティの光が、二人の周囲でぼやけていった。

マッハは何も言わず、そっと気を利かせて距離を取った。

今度は――

誰にも邪魔されなかった。

サイバー・ドラゴンも。

サイクロプスも。

スーパーヴィランも。

武装ギャングも。

ただのキス。

やがて、ミカイラが唇を離した。

それでも距離は近いまま。

とても近い。

彼女の瞳とキランの瞳が重なる。

「わあ……」

キランが笑った。

「女の子を楽しませるの、上手いんだな」

「努力してるからね」

ミカイラが笑う。

するとキランの表情が、ふいに疑わしげなものへ変わった。

もちろん、冗談めいた意味で。

「待てよ」

コラージュの外で見たものを思い出した。

「本当にウルトラヴァイオレットをテーザーで倒したの?」

ミカイラはものすごく誇らしげな顔をした。

「やったよ」

キランがにやりと笑う。

「俺も」

ミカイラの目が見開かれた。

「ウソ!」

「ホント」

二人は再び歩道を進み始めた。

そしてなぜか――

あれだけのことがあったというのに――

二人は笑っていた。

ミカイラが首を振る。

「ねえ……」

キランを見る。

「これを超えるデートって、かなり難しそう」

キランが眉を上げる。

ミカイラはいたずらっぽく笑った。

「二回目は、もっと面白いのを期待してるから」

キランが笑った。

「覚えとくよ」

とはいえ――

シトロン・シティでいう*面白い*が何を意味するのかを考えると――

キランは二回目のデートで何が起きるのか、あまり知りたいとは思わなかった。

シトロン・シティの光から遠く離れた場所――

夜空の下に、広大な砂漠が広がっていた。

孤立した軍事施設の周囲には、何キロにもわたって何もない。

サーチライトが強化された外壁を照らしながら動いている。

武装した兵士たちが検問所を巡回していた。

正面入口の上には、一つの名前が掲げられている。

**クリーガー軍事基地**

敷地内には、未来型の大型トラックが停車していた。

数人の兵士たちが、そこから巨大な木箱を降ろそうと苦戦している。

「ゆっくり!」

監督官がクリップボードを持って隣を歩く。

「気をつけろ」

兵士たちは持ち方を調整した。

箱は信じられないほど重い。

「傷一つでもつけたら、将軍に俺の首を取られるぞ」

側面には、大きな文字でたった一語が刻印され

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。