匿名の寄付者
数秒間――
誰も口を開かなかった。
キランはディスプレイを見つめていた。
**MADX――**
ギアもディスプレイを見つめる。
レイモンドはキランを見る。
マッハは全員を見る。
ようやく――
キランが目を開いた。
「違う」
ギアが腕を組む。
「さっきもそう言っただろ」
「分かってる」
キランが画面を指差す。
「でも、もう一回言う」
レイモンドが途中で途切れた認証コードを見る。
「何の略かなんて分からないだろ」
キランは即座に頷いた。
「その通り」
マッハが首を傾げる。
「統計的には――」
キランが振り向く。
「やめて」
マッハが止まった。
キランが続ける。
「『MADX』なんて……」
必死に考える。
「……Maddoxとか」
沈黙。
キランの顔が引きつった。
ギアが見つめる。
「素晴らしい弁護だな」
「パニックになった」
レイモンドが笑う。
キランがため息をつく。
「もういい」
ギアを見る。
「まだあいつだって決まったわけじゃない」
「ああ」
ギアが頷く。
「でも知りたいんだろ」
キランが見つめる。
そして――
「うん」
ギアがかすかに笑う。
「探偵の顔」
キランが呻く。
「みんな嫌い」
キランがさらに調べようとする前に――
コミュニケーターが鳴った。
**ピッ!**
画面を見る。
ミカイラからのメッセージ。
**戻ってくるの? それともレクソールに殺された?**
キランが笑う。
レイモンドが気づく。
「ミカイラ?」
「うん」
キランが返信する。
**生きてる。ほぼ。今から戻る。**
三つの点が表示される。
そして――
**ほぼ!?**
キランは即座にコミュニケーターをしまった。
レイモンドが見つめる。
「返事しないのか?」
「しない」
マッハが笑う。
「健全な恋愛関係を築くための優れた戦略ですね」
キランが指差す。
「僕の恋愛には口出さないで」
マッハが無邪気な顔になる。
「まさか」
ギアが笑った。
彼らはシトロン・アカデミーへ戻った。
アリーナはほとんど空になっていた。
清掃スタッフが観客席を片付けている。
警備員が駐車場を巡回していた。
試合の熱狂はすでに薄れ、大きな学校行事が終わった後に訪れる、独特の静けさに包まれている。
ミカイラが入口付近で待っていた。
その隣にはレイモンド。
キランが眉をひそめる。
「どうやって僕らより先に来たの?」
レイモンドが見つめる。
「俺は最初からここにいた」
キランが止まる。
そうだった。
レイモンドはワークショップを先に出ていた。
マッハが囁く。
「アドレナリンですね」
キランが睨む。
ミカイラはすぐにキランの姿を確認した。
服は埃まみれ。
車椅子の片側には擦り傷。
髪もぐちゃぐちゃ。
彼女が目を細める。
「何があったの?」
キランが笑う。
「勝った」
「そういうこと聞いてない」
「分かってる」
彼女がマッハを見る。
マッハがためらう。
キランが指差す。
「言うなよ」
マッハがため息をつく。
ミカイラが腕を組む。
「二人でストリートVentballやったんでしょ?」
キランが固まる。
レイモンドが笑う。
ミカイラが見つめる。
キランがマッハを見る。
「言った?」
「いいえ」
ミカイラがキランの車椅子を指差す。
「路地の汚れまみれだから」
キランが下を見る。
「あ」
頷く。
「なるほど」
彼女がため息をつく。
「でも勝ったの?」
キランが笑う。
「14対10」
マッハが付け加える。
「キランが落下する看板を戦術的障害物として利用した末に」
ミカイラが見つめる。
キランは即座にマッハを見る。
「12秒しか黙ってられなかったね」
「状況説明が必要かと思いまして」
レイモンドが笑う。
ミカイラが首を振る。
「本当に馬鹿なんだから」
キランが笑う。
「でも勝った」
「おめでとう」
彼女が身をかがめ、キランにキスする。
キランの笑みがさらに広がった。
レイモンドは視線を逸らした。
マッハは逸らさなかった。
キランが気づく。
「マッハ」
「何です?」
「プライバシー」
「約6フィート離れています」
「足りない」
その時――
ギアが到着した。
キランがギアを見る。
ギアもキランを見る。
二人とも思い出した。
スザンヌ。
マドックス。
恐怖の会話。
ギアは即座に立ち止まった。
「嫌だ」
キランがため息をつく。
「やらなきゃ」
「嫌だ」
「ギア」
「俺は27年間、この会話をせずに生き延びてきた」
キランが眉をひそめる。
「27歳じゃないでしょ」
ギアが見る。
キランがぎこちなく笑う。
「言ってみる価値はあった」
ギアが駐車場を指差す。
「帰る」
キランが車椅子の補助アームでギアのシャツの背中を掴んだ。
ギアが固まる。
ゆっくり――
下を見る。
そしてキランを見る。
「放せ」
「嫌だ」
「キラン」
「一緒にやる」
ギアが見つめる。
「お前の車椅子を分解するぞ」
キランは即座に放した。
「それは困る」
レイモンドが見ている。
「お前ら何してるんだ?」
ミカイラが笑う。
「お母さんから逃げようとしてる」
キランとギアが同時に答えた。
「逃げてない!」
ミカイラが眉を上げる。
キランがため息をつく。
「……ちょっと逃げてる」
アリーナの入口付近にスザンヌが現れた。
ニコラス・マドックスが隣を歩いている。
二人は笑っていた。
キランが止まる。
ギアも止まる。
マッハも止まる。
レイモンドが三人を見る。
ミカイラも集団的な恐怖に気づいた。
そしてスザンヌが息子たちを見つける。
顔がぱっと明るくなった。
「いた!」
キランが笑う。
ぎこちなく。
「やあ、母さん」
ギアが小さく手を振る。
「やあ」
スザンヌが近づく。
マドックスもついてくる。
「本当にすごい試合だったわ!」
キランが頷く。
「うん」
スザンヌが彼を見る。
「それで、その後あなた消えたでしょう」
キランが固まる。
「それは……」
マッハが口を開く。
「キランはレクソールと非公認の一対一ストリートVentballを行っていました」
キランがゆっくり振り向く。
マッハが笑う。
スザンヌの表情が落ちる。
「何ですって?」
キランがマッハを見つめる。
「楽しんでるでしょ」
「少し」
スザンヌがキランを見る。
「何をしたの!?」
キランが両手を上げる。
「大丈夫だったよ」
ギアが呟く。
「始まった」
スザンヌが睨む。
「あなた、殺人兵器と戦ったばかりでしょう!」
「あれは一週間前」
「それに殺人ビルとも!」
「厳密にはAI」
「その次は路地裏で違法スポーツ!?」
キランがため息をつく。
「そういう言い方されると――」
「いい言い方なんてないわよ!」
マドックスが笑った。
スザンヌが彼を見る。
キランも凝視する。
マドックスの笑みが弱くなる。
「失礼」
キランが目を細める。
「君」
マドックスが彼を見る。
ほんの一瞬――
認識の色が顔に浮かんだ。
そして――
消えた。
「どこかでお会いしましたか?」
キランが見つめる。
マッハも見つめる。
ギアが二人を見比べる。
キランがゆっくり笑う。
なるほど。
そういうつもりか。
キランが頷く。
「いや」
マッハが即座に彼を見る。
キランが続ける。
「会ったことないと思う」
マドックスが笑う。
「ですよね」
マッハは何も言わなかった。
だが、その表情は明らかに――
*本気ですか?*
キランがさりげなく視線を返す。
ここでは駄目だ。
スザンヌの前では。
マドックスも理解したようだった。
スザンヌがぎこちなく笑う。
「ええと……」
マドックスを示す。
「こちら、ニコラスよ」
ギアが見つめる。
「知ってる」
スザンヌが眉をひそめる。
「どうして?」
ギアが固まる。
キランが割り込む。
「広告」
ギアが何度も頷く。
「広告」
マドックスが笑う。
「有名になると、そういうものです」
スザンヌが息子たちを見る。
「ニコラスとは仕事を通じて知り合ったの」
キランが頷く。
「仕事」
ギアも繰り返す。
「仕事」
スザンヌの目が細くなる。
「やめなさい」
二人とも黙る。
マドックスが咳払いする。
「お母様には、私の慈善開発プロジェクトを手伝っていただいているんです」
キランが眉を上げる。
「慈善活動」
「ええ」
マドックスが笑う。
「そしていつの間にか、仕事以外でも一緒に時間を過ごすようになりまして」
ギアの顔が引きつる。
キランが凝視する。
スザンヌが即座に付け加える。
「友達としてよ」
キランがギアを見る。
ギアがキランを見る。
二人とも、その言い方を一秒たりとも信じていなかった。
ミカイラが笑いを隠す。
レイモンドは突然、駐車場の地面に強い興味を持ち始めた。
マッハがスザンヌをまっすぐ見る。
「友人同士は頻繁に高校のスポーツ観戦へ一緒に行くものなのでしょうか?」
スザンヌが固まる。
キランの目が見開かれる。
「マッハ!」
マッハが見る。
「何です?」
スザンヌの頬が赤くなる。
マドックスが笑う。
ギアが囁く。
「人工知能って嫌い」
マッハが傷ついた顔をする。
どういうわけか会話は続いた。
苦痛を伴いながら。
スザンヌは今夜の出来事を話した。
マドックスはパイロッツを褒めた。
ギアは適当なタイミングで頷いた。
キランはマドックスを凝視しないよう努力した。
ミカイラは礼儀正しく会話を続けた。
レイモンドも会話が完全に死なない程度には時々口を挟んだ。
やがて――
スザンヌが時間を見る。
「そろそろ行ったほうがいいわね」
キランが勢いよく顔を上げる。
「行く?」
スザンヌが見る。
キランは即座に言い直す。
「いや……」
笑顔を作る。
「……気をつけて」
ギアが顔を覆った。
マドックスがジャケットを整える。
「皆さんにお会いできてよかったです」
キランは笑いそうになった。
*お会いできて。*
そうだね。
スザンヌがギアを抱き締める。
次にキラン。
そしてミカイラに微笑む。
「また近いうちに会えたら嬉しいわ」
ミカイラが笑う。
「私もです」
スザンヌがキランを見る。
キランは即座に緊張した。
だが――
彼女はただ額にキスした。
「おやすみ」
「おやすみ、母さん」
スザンヌがマドックスと歩き出す。
キランは見送る。
そして――
「マドックス」
実業家が止まった。
スザンヌが振り返る。
キランが笑う。
「ちょっと彼を借りてもいい?」
スザンヌが眉を上げる。
「どうして?」
キランの頭が高速回転する。
「仕事」
ギアがむせそうになる。
マドックスが笑う。
「もちろん」
スザンヌは怪しそうに見る。
だが肩をすくめる。
「車のところで待ってるわ」
彼女が歩いていく。
キランは聞こえない距離まで離れるのを待った。
そして――
笑みが消えた。
マドックスが彼を見る。
「それで」
キランが見つめる。
「それで」
マッハがキランの隣に浮かぶ。
マドックスがマッハを見る。
「もう知らないふりは終わりかな」
キランが笑う。
「それは君次第」
「何が?」
「どれだけ嘘をつくか」
マドックスが笑う。
「相変わらず直接的だな」
「相変わらず掴みどころがないね」
マドックスが両手をポケットへ入れる。
「何が聞きたい?」
キランは時間を無駄にしなかった。
「エーシズ」
マドックスの表情は変わらない。
「彼らが?」
「ブースター」
反応なし。
キランは注意深く観察する。
「レクソールのチームに違法な高性能ブースターが搭載されてることは分かってる」
マドックスがかすかに笑う。
「ならレクソール本人に聞くべきでは?」
「聞いた」
ほんの少しだけ不意を突かれたようだった。
キランが続ける。
「寄付されたって言ってた」
マドックスは何も言わない。
「匿名の寄付者から」
マッハが近づく。
キランはマドックスを見る。
「何か知ってる?」
マドックスの笑みが戻る。
「いや」
キランが見つめる。
「本当に?」
「本当に」
キランが頷く。
そして――
「大量購入の記録を見つけた」
マドックスの表情は平静なまま。
「そうなのか?」
「高出力システム47基分」
マッハが付け加える。
「さらに、M-A-D-Xで始まる認証コードの一部が残存していました」
マドックスがゆっくりマッハを見る。
そしてキラン。
キランが笑う。
「偶然?」
マドックスが笑った。
数秒間――
本当に面白そうに。
そして――
「分かったよ」
キランの表情が険しくなる。
マドックスが肩をすくめる。
「ブースターを寄付したのは私だ」
マッハの目が細くなる。
キランが凝視する。
「どうして?」
「投資だ」
「高校生のアスリートに?」
「娯楽に」
マドックスが笑う。
「高校Ventballの賭けは、驚くほど儲かるんだ」
キランが固まった。
マッハの表情も変わる。
「試合に賭けていたのですか」
「他の連中と同じようにな」
キランが見つめる。
「高校生のチームを改造して……」
声が低くなる。
「……自分が金を賭けてたから?」
マドックスが指を一本上げる。
「私は装備を寄付しただけだ」
「それをどう使うかはレクソールの責任だ」
キランの目が見開かれる。
「何に使うか分かってたくせに!」
マドックスが肩をすくめる。
「彼が負けず嫌いなのは知っていた」
キランは呆れて笑う。
「今夜いくら負けた?」
マドックスがためらう。
そして――
「5000クレジット」
キランが見つめる。
「5000?」
マドックスがため息をつく。
「残念だった」
キランの顔から表情が消える。
「よかった」
マドックスが笑う。
「そう言うと思った」
キランがアリーナを見る。
生徒たち。
選手たち。
マドックスが自分の勝率を上げたいという理由だけで、今夜怪我の危険にさらされた人々。
怒りが込み上げる。
だが――
スザンヌを思い出した。
キランがマドックスを見る。
「母さんには近づかないで」
マドックスの楽しそうな表情が少し消える。
「何だって?」
「聞こえたでしょ」
マッハがキランを見る。
キランが続ける。
「君がどういう人間か、僕は知ってる」
マドックスの表情が険しくなる。
「君は私について驚くほど何も知らない」
「十分知ってる」
キランが近づく。
「母さんを君のくだらないことに巻き込まないで」
マドックスが、滑らかなホバーカーの近くで待つスザンヌを見る。
そしてキランへ戻す。
「それを決めるのは君じゃない」
キランが見つめる。
「母さんだ」
マドックスがジャケットを整える。
「そしてスザンヌ本人が、私と一緒にいたくないと言わない限り……」
礼儀正しく微笑む。
「申し訳ないが、その要求は断らせてもらう」
キランが歯を食いしばる。
マッハが隣へ移動する。
マドックスが頷く。
「いい夜を、キラン」
そして――
歩き去った。
キランはその背中を見つめる。
マッハは黙っていた。
数秒間――
キランは何も言わなかった。
そして――
「あいつ嫌い」
マッハが頷く。
「心の底から」
「心の底から」
キランは仲間たちのもとへ戻った。
ギアが即座に近づく。
「どうだった?」
キランは走り去っていくマドックスのホバーカーを見る。
「あいつがブースターを買った」
レイモンドの目が見開かれる。
「何だって?」
ミカイラが眉をひそめる。
キランがため息をつく。
「賭けだよ」
「グリッドタウンに金を賭けてたから、装備を寄付した」
ギアの表情が険しくなる。
「最低だな」
「うん」
レイモンドが腕を組む。
「通報するのか?」
キランがマッハを見る。
マッハが考える。
「情報の入手経路には、少々問題があります」
キランがため息をつく。
「つまり、ちゃんとした証拠が必要ってこと」
ギアが笑う。
「俺なら――」
キランが即座に指差す。
「犯罪は禁止」
ギアが見つめる。
「犯罪なんてするつもりなかった」
キランが眉を上げる。
ギアがため息をつく。
「分かった」
「犯罪は少なめにする」
キランが首を振る。
ミカイラがかすかに笑う。
「少なくとも、真相は分かったね」
キランがスザンヌの去った方向を見る。
「残念ながら」
ギアが呻く。
「思い出させるな」
レイモンドが笑う。
夜も遅くなってきた。
やがてギアはワークショップへ戻っていった。
ミカイラがキランの隣を歩く。
レイモンドが後ろから続く。
マッハも隣を漂う。
キランは疲れ切っていた。
ミカイラが気づく。
「本当に大丈夫?」
キランが笑う。
「大丈夫」
レイモンドが即座に彼を見る。
キランが気づいた。
そして言い直す。
「いや……」
少し考える。
「……疲れた」
レイモンドが笑う。
「そのほうがいい」
キランが頷く。
「学習中」
駐車場の端へ到着する。
ミカイラが伸びをした。
「一晩にしては色々ありすぎたね」
キランが笑う。
「Ventballの試合」
「不正ブースター」
「ストリートマッチ」
「あなたのお母さんの謎の交友関係」
キランが眉をひそめる。
「最後のは話さない」
ミカイラが笑う。
「了解」
マッハが上昇する。
「帰宅しますか?」
キランが頷く。
「お願い」
彼らは空へ上がった。
レイモンドも外骨格を起動して後を追う。
シトロン・アカデミーが眼下で小さくなっていく。
珍しく――
夜は静かに思えた。
キランは力を抜く。
もしかしたら、家まで何事もなく帰れるかもしれない。
その時――
サイレン。
**ウゥー! ウゥー! ウゥー!**
キランが目を開く。
レイモンドが下を見る。
「今度は何だ?」
数台の警察ホバークラフトが眼下の道路を猛スピードで走っていた。
速い。
あまりにも速い。
その前方を一台の車両が疾走している。
交通の間を縫うように走る。
警察が追跡。
マッハが即座にスキャンする。
「高速追跡です」
キランが見つめる。
逃走車両が交通バリアを突き破る。
**ガシャァン!**
警察が加速。
ミカイラがキランを見る。
キランも彼女を見る。
ミカイラが目を細める。
「駄目」
キランがぎこちなく笑う。
「まだ何も言ってないよ」
「言おうとしてた」
レイモンドが追跡を見る。
「あの車、速すぎないか?」
マッハが分析する。
「民間車両の性能制限を大幅に超えています」
キランの表情が変わる。
ブースター。
高性能ブースター。
目が細くなる。
逃走車両が急旋回。
車体下部から猛烈な加速噴射。
**シュゥゥゥッ!**
キランが固まった。
マッハも気づいた。
「キラン」
「うん」
レイモンドが二人を見る。
「何だ?」
キランは高層ビルの間へ消えていく車両を見つめた。
あの推進炎。
今夜見たばかりだった。
レクソールの車椅子で。
シトロン・シティ中を探してもギアが手に入れられなかったものと、同じクラスのハードウェア。
警察の追跡が遠くへ消える。
キランがゆっくりマッハを見る。
「47基」
マッハが頷く。
そして突然――
ブースター不足は、もはやスポーツだけの話には見えなくなった。




