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【BL】異世界でも、俺はメガネが大好きだ!  作者: 良音 夜代琴


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メガネを作り出す能力

 メガネを作り出す能力ってなんだよ!


 チートすぎないか!?


 いやいや、俺みたいなメガネ大好き人間からしたら至高の能力に思えるが、一般目線では微妙な能力か……?




 んなわけねーだろ!?


 だってメガネを!? 作り出せるんだぞ!?


 最高オブ最高だろ!?




 うおおおおおおおっっっ!!


 夢ならまだ覚めないでくれよ!?





「ト、トーチカ、喜んでいるところ申し訳ないのだが、今のは私の推測……いや憶測でしかない」

 リーフェリオン様がとんでもなく申し訳なさそうに声をかけてきた。



 あれ、俺、今一言も喋ってないよな?


 そんでも俺が喜んでたのってバレてたのか。



「いえその、多少、漏れていました、その、喜びが……」


 フラウレイドさんにも言われてしまって、俺はそうだったのかと恥ずかしくなる。




 ……っでも、これが喜ばずにいられるかってんだよ!!


 だって、俺がメガネを作り出せるんだぞ!?


 俺の大好きなメガネを!?


 俺の手で……!?



 俺は思わず両拳を握りしめる。



 異世界サイコーじゃないか!!!!



 知らず両腕を突き上げてしまった俺の後ろで、二人がこそこそと会話している。


「これで彼の能力が全く違う物だったら、私はどう責任を取ればいいのだ……」

「リ、リーフェリオン様の責ではございませんっ、私が余計な事を言ったばかりに……」



 いやいやごめんて。

 喜び過ぎてごめんて。


 だって嬉しくてさぁ!!?


 おっと、まだ喜びが抑えきれないな……。


 っていうか、こんな事言われたらテンションだって当然ぶち上がるってもんだよな!?



 いやごめんて。

 だから、そんな怯えないでくれよ。


 そりゃ、こんだけ期待した手前、そうじゃなかったらめっちゃ落ち込みそうだけどさ、別に二人のせいにする気はないから。



「あの、俺……じゃなくて私の能力ってどうやったら使えるんですか?」


 俺の質問に二人は、作り出すタイプの能力だと仮定した場合……とか、一般的には……とか、せっせと予防線を張りつつ教えてくれる。


 俺は二人からの説明をふむふむと手帳にメモする。

 なるほど、この世界の魔法……というか特殊能力? は、宣言式なんだな。

 分かりやすくて助かる。


 じゃあ早速やってみるかな……。


 二人から三歩程距離を取って、右手を空中にかざしてみる。


「ごくり」と唾を飲む音が二人から聞こえて、俺は思わず苦笑した。


「大丈夫ですよ。たとえ出来なくても、暴れたりしませんから」


 俺の言葉に二人が少しだけ安堵するような様子を見せた。


「ちょっと叫んだり落ち込んだりはしますけどね」


「ああ、そのくらいはまったく、構わない」

「そうです。その程度で済むのでしたら、どうぞご遠慮なく。あの、トーチカ様がお望みでしたら、お酒や食事もなるべくご希望に沿うものをご用意致しますので……」


 軽い冗談のつもりだったんだが……、二人が凄く真剣に俺を心配してくれてるのは分かった。

 けど、落ち込む前提で慰めようとしてくれるのは……どうなんだ?


 二人とも俺より背も高く肩幅もあるし歳も上だけど、なんだか真面目な人達だよなぁ。

 リーフェリオン様はメガネのおかげで目つきの鋭さが抑えられていて、美しく整った中性的な顔立ちが少し心配そうにこちらをラベンダー色の瞳で見つめている。


 うーん、美人さんだなぁ。


 リーフェリオン様は顎がスッと細いから、フレームの形はオーバルか丸みを帯びた四角のバレルが似合いそうだ。

 俺の予備メガネより、その方が絶対綺麗だろうな。



 どうか俺の特殊能力とやらで、この人にメガネを作ってあげられますようにっっ!



 俺は二人の視線を浴びつつ、教わった通りの言葉を口にした。


「能力選択」


 目の前に操作パネル風の半透明の板が現れる。

 なんだかARっぽいな。


 そこには『視力測定』『レンズ作製』『レンズ加工』『フレーム作製』という文字が並んでいた。


「よっしゃあ!!」


 思わず叫びと共にガッツポーズを決めてしまったのは、許してほしい。


 幸いなことに二人も嬉しそうにしてくれていて、不敬罪に問われることはなさそうだ。


 えっと、じゃあまずは……フレーム作製、かな。


 レンズは視力測定させてもらってからじゃないと、作れねーしな。


 俺は温かな眼差しに見守られながら「フレーム作製」と唱えた。


 すると、俺の目の前にぽわぽわと輝く光の塊のようなものが浮かぶ。


「その状態で、作りたいものをなるべく詳細にイメージするといい」


 リーフェリオン様の助言に従って、俺はイメージする。


 リーフェリオン様に似合いそうな、細めのシルバーフレームを。


 形はやっぱりオーバルだな。

 銀色の優しい楕円のメガネが、この、ずっと怖がられていた綺麗な人を、もっと優しげに見せてくれるはずだ。


 ぱあっと光が弾けて、目の前に一本の繊細なシルバーフレームが姿を表した。

 ぐらりと自由落下を始めたそれを、俺は慌てて両手で受け止める。


「できた!」


「トーチカは凄いな、一度で成功させてしまうなんて……」

 感嘆するリーフェリオン様の隣で、フラウレイドさんは怪訝な顔だ。

「ですが、トーチカ様は銀色でしたのに……。作製能力をお持ちの方は金色か虹色だと言われておりますが……」


 ああ、飛来した時の足元にあったキラキラの色か。


「それって金色とか虹色の方が良いんですか?」


 俺の言葉にリーフェリオン様がほんの少し考えてから口を開いた。


「一概に良いとは言い切れないな。能力が貴重であったり強い物であるほど金や虹と判定されるが、虹色の飛来人は強制的に国の管理下に置かれてしまう。身の安全や生活の質は約束されるが、自由を求める人には苦しいだろう」


「なるほど……」


「金色は能力にもよるが、現状その半数ほどが国の預かりとなっている。その点銀色以下はこの町にも数名暮らしているが、それぞれが能力を生かして自由に生活している様子だ」


「それなら、俺……あ、私は銀色でよかったです」


 俺が笑って言えば、リーフェリオン様も小さく微笑んだ。


「トーチカがそう思うのなら、そうなのだろう」


 うっわ……。

 睨みの抜けた美人の微笑みは凄いな……。


 なんかリーフェリオン様がすげーキラキラして見える。



 隣を見れば、俺だけでなくフラウレイドさんまでもが見惚れてしまっている。



 よし、この笑顔を、このメガネでいつでも見られるようにするぞ。


「リーフェリオン様、このメガネフレームは貴方のために作りました」


「……私の……?」

 ラベンダー色の瞳が、驚いたように丸くなる。


「はい、貴方にぴったり似合う色と形で作っています」


「私に似合う……メガネ……」


 戸惑うリーフェリオン様には、それでもどこか期待するような気配がする。


 期待上等、どんとこい!


 俺がリーフェリオン様の目を楽にする、最っ高のメガネを作ってやるからなっ。


 俺は気合十分に伝えた。


「私に貴方のためだけの眼鏡を作らせてください!」





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