五十五話天馬平原の爆走馬
「うぎゃーーー!!」(無傷)
俺はハッピーに爪で背中を切り裂かれなかった。
残念だったな、俺にはう○こアーマーがあるんだ。
そしてほっそいう○こクソードを具現化する。
これを弓につがえて……うつ瞬間に少し揺らしながら縦に振り詠唱する。
「【ダブルスラッシュ】」
「ザクザクザクザクっ!!」
「すごっ!」
ハッピーをたくさん打ち落とした、もう天敵でもなんでもない、今の俺にはハッピーなんてただの雑魚だ。
「さすがう○こアーマーだね、見た目は……」
「せやな、性能はいいけど見た目が……」
そう、性能はいいが見た目がう○こなのだ!
頭の上にはでっかいう○こ、体中にリアルう○こが引っ付いている、運営の悪意しか感じないデザインだ。テレビとかに映すにはすっごい濃いモザイクが必須だろう。
「あといつもより臭くないか?」
「いつも臭いんですか?」
「いや……」
ランチさんは俺から目を逸らした、嘘やんな、いつも臭いってそんな、う○こ塗ってるとかじゃないのに……
「まあまあサキサキからう○こ臭すんのはデフォルトやし気にしたらアカンって」
俺ってう○こ臭すんねや……
森の中を3時間ほど歩き、とうとう幸運の森を抜けた。すると巨大な川に架かる赤い橋、その先に広大な平原が見える。いやーー、そろそろう○こしたいところだ。
「サキサキ、もしかしてう○こしたい?」
「そ、そんなわけないじゃないですかミソラさん」
「したいんやな、時間的にそろそろやと思ったらやっぱりな」
ミソラはとうとうう○こしたくなる時間がわかる位になってるのか、俺でもわからんのに、というかトイレとかないし川にしちゃっていい感じ? いやダメと言われてもするんですけどね。
「まあしてくるわ、先行っといて」
「ちょっと散策してくるわ」
さてとケツ部分が覆われてるのでう○こアーマーを解除する、二度も同じ轍を踏まないからな。さあ橋の手すりを乗り越えて川におしりを向け、いざう○こタイムだ!
「ぶりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅ~」
「ぴちゃぴちゃぴちゃ!!」
「「「!?」」」
川にいたお魚さんたちが天国に行ってしまった。
ま、まあう○こ飲んだら死ぬよな、なんか、ごめん。
そういえば川にするのは初めてなような気がする、あと何でコンプやっけ? 月でう○こするやっけ? ってなんやねんそれ!
セルフツッコミは置いといてレベルが上がってる気がするんやけど、何で? 確か戦闘開始前に推奨レベルを6以上越えてたら上がらないはずやから、レベル35以上のをう○こだけで倒したことになるんやけどバグじゃない?
まあそんなことはいい、う○こが長すぎて二人がもう平原の方に行っちゃってるから追いかけないと、ってまたレベルが上がっている。なんだこれ?
というか道中なにがあるかわからんからあれを装着していかないとな、俺はう○こアーマーを発動する。すると全身がモザイクに覆われケツからう○こアーマーの素となるう○こが出てきた。しかしさっき出したので量が少なく頭部分だけができた。
うん、たぶん頭の上にう○こが乗ってるだけの変なやつになっちゃった。う○この残量には注意しないといけないようだ、多すぎると漏らす、少なすぎると発動できない。
うーん、くそゲーだ。
ミソラとランチは橋の平原側の端っこで待っていた。ミソラはなにやら考え事をしているようだ。
「お待たせしました、ふんでミソラはなにしてんの?」
「調べもの、この平原に馬がいるっぽいねん、それについて調べててん」
確かにこの平原には馬の魔物がいそうだ。
だってここは天馬平原というところなのだから。絶対いるやん。
「それでな、テイムできるっぽいねん、行こ! ランチさんもいいって言ってるし」
「馬術も得意でね、流鏑馬の経験もあるんだ、ここでも馬に乗ってみたいから行かないか?」
「じゃあ行きましょうか、その前に天馬村でセーブしません?」
「そうだな、予備でしておいたほうが良さそうだな」
このゲームにセーブというものはないが、リスポーン位置を固定することをセーブと呼ぶプレイヤーが多いのだ。そこの丘を越えた先にセーブポイントの天馬村という村があるらしいので三人でそこへ向かうことにした。馬に蹴り殺されて富海に逆戻りとか地獄やからな。
「うぎゃーーー!!」
「「……」」
まあたった今一人がその地獄へ行っちゃった。ランチさん、暴走馬に轢かれ死亡、ってなにあの白いクソデカ暴走馬は? とりあえず図鑑説明
MN、天馬 推奨レベル70
体長、約8m
生息地、天馬平原
特徴、ユニークモンスター、天馬平原を爆走し続ける巨大な白馬、大昔の勇者が乗っていたという伝説がある。
スキル、【爆走】【突進】【悪路走行可】
弱点、全て
ドロップアイテム、なし
ああ、触れちゃダメなやつやったわ、さっさと天馬村にセーブしに行こう。俺らも轢かれてランチさんみたいにならないように、ってミソラの目がキラキラしている。
「サキサキ、行ってくる」
「あちょっ!」
ミソラはすごいスピードで天馬を追いかけていった。ミソラのステータスなら追いつけそうやけど、推奨レベル超えてないとテイムできなかったような気がする。まあ無理やったら諦めて戻ってくるでしょ。
「はぁはぁ、サキサキさん久しぶり、天馬は難敵だな」
フルフェイス漆黒の重戦士が話しかけてきた、いや誰!? あんた誰よ!? 俺一応有名人やしたまに知らん人が話しかけてくるけど名前知ってるってことは近い人なんやろう。一般的にう○こ漏らしって呼ばれてるし……
「あの、どちらさんですか?」
「え?」
「いや、見た目でわからないので」
「うぎゃーーー!!」
フルフェイス漆黒の重戦士は天馬に向かって爆走していった、なんやwayさんか。




