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癒し枠が増えました〜!










『ーーふぅん。なるほどね、暫く帰れない理由は分かったよ。こっちの事は気にしなくて良い。ギルが何とかするからって、ユーリにも伝えといて』


「……わかりました。一応言っときますけど、家の修繕急がなくていいからといって、怠けたりしないで下さいね。以前より綺麗になってないとはむはむの刑増量しますよ?」


『ひっ!? だ、だ、だ、大丈夫!! 能力使ってやってるんだから、きちんと再建出来てきてるし! 後からリィタにも聞いてみれば、本当かどうかよーく分かると思うよ!?』


上擦った声からはリィタに対する恐怖が見え隠れしている。ウィルさん、すっかりリィタ達が苦手になっちゃったなぁと、オレはひとりごちて小さく笑みを溢した。


何だかんだで最低でも10日滞在する事が決まってしまったオレ達は、その理由を兄達に知らせる為に相棒特権で使えるウィリアムの能力で、現状を話していた。オレだけじゃ詳しく説明できない事から、隣にはユーリもいる。ただ、そのユーリはさっきのウィリアムの狼狽ぶりに声を上げて笑っているが。


「ユーリ? ちょっと笑い過ぎじゃない?」


「ははっ、いや、だってなァ。あのウィリアムが、スライム如きにこんなビビり散らかすとは。アイツが見たら、ほんと何て言うか」


くつくつと喉を鳴らしまだ笑い続けるユーリに、風の通信でしっかりと聞こえていたのかウィリアムは声を上げた。


『ユーリ! 頼むからアイツにはこのこと漏らすなよ!? ただえさえ色々と嫌がらせしてくるのに、スライム系統のブツを繰り出されたら、流石の俺でも死にかけるぞ!!』


「もう遅いんじゃねェかァ?」


鼻で笑い飛ばし、ユーリは意味ありげに目を細めた。


「アイツ、火のあるとこになら必ず()を張ってるからなァ。この会話も、盗み聞かれてる可能性が高いぞォ?」


『グアッ、』


何か蛙を踏んだような汚い悲鳴が聞こえた気がする。先程まで煩いくらいに聞こえていたウィリアムの声は何も聞こえなくなり、能力の風が揺れる音だけが響いていた。あれ、もしかして力尽きた?


「おーい、ウィルさーん?」


「ほっとけェ。勝手にダメージ食らって、沈んでんだろ。こっちの事情は伝えられたんだから、とっとと切っちまえ」


そう言ってユーリはオレの頭を軽く撫でると立ち上がり、家の方へと戻っていった。


いいのかなぁ、と戸惑いながらも、ユーリの背中を見つめ気持ちは帰ろうという流れに切り替わった。指を軽く振って漂っていた能力の接続を遮断する。切る直前に、おーぼーえーてーろーよーって地を這う低音が聞こえたのは気の所為だと思う。うん、知らないったら知らなーい!










「おっかえりなさーい!!」


わふん!と元気良く鳴いて飛び付いてきたリンファは、相変わらず可愛かった。ふわふわの毛触り、気持ち良いなあ。通信を途中で消したウィリアムの事なんて、すぽーんと飛んでっちゃったや。


撫でて撫でて、と尾をブンブン振り回すリンファは本当に獣人なのかなぁと心配になるほど、小型犬のポメラニアン。うーん、やっぱりポメラニアンにしか見えないんだよなあ。

人型の姿はどんな感じなんだろう。ユーリにそれとなく聞いてみたら、今の見たまんまを人型にした感じらしい。んー、つまりは騒がしい元気娘みたいな? 喜怒哀楽がはっきりしてそう。

小牧よりは扱いやすいと良いんだけど、結構元気一杯な子は


『アー、リティシアダ! レンラク、ブジオワッタノー?』


ぽよんぽよん跳ねて此方に向かってくるスライムーーリィタはそう言ってリンファの身体に飛び乗った。リンファが嫌がらない事から、オレが席を外している間にそれなりに仲良くなったみたいだね。良かった良かった。


因みにリィタが何故此処にいるかというと、オレの我儘というか、癒しのひんやりを味わいたいというか、まあ色々あって風通信と共に転送してきてもらったんだ。


まあ、オレ的にポメラニアンとスライムの絡みを見たかったというか。ね? 想像したらほら、見てみたくなるじゃん?


「ちょっとー、リィター、背中の毛をはむはむしないでー」


『アッ、ゴメンゴメン。ケガフワフワダカラ、ハイリコンジャウンダヨネェ……』


「ベッタベタになるし、ちょっと重いんだよー? ちっちゃくなってくれたら嬉しいんだけどなー」


『エー、ブンレツハ、メンドクサイカラナー』


今、オレの腕の中でもふもふとぷるぷるが戯れているよぅ。ふぅ、何だかこの2匹がいれば、10日間気落ちする事なく過ごせそうな気がする。


きゃいきゃい騒ぐリンファとリィタを交互に見て、オレは頰を緩めた。





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