困惑と、驚きと…、新たなもふもふが現れた!
どうも、リティシアでーす。
フォラッドが行方知れずになって結構な時間が経ちました。こんな長い時間与えてくれれば、よもぎの葉の処理も終わっちゃうよねえ。今はやることなくて、ユーリと共にのんびり縁側で座ってまーす。
お茶と茶菓子片手に、まったり出来るのはある意味贅沢なのかもなあ。最近、色々と……うん、色々ありすぎたからね。我が家、無事に再建されてると良いんだけど。
家主が帰ってくるまで特にする事もないからね、留守番手当も兼ねて草団子を作ったんだよ。すり潰したよもぎを少ーし拝借して、ユーリが何処から見つけてきた米粉と蒸し器を使って、ポイポイポイって作ってね。餡がないなーと思ってたら、またもや見つけてきてくれたよ。ユーリが。有能だわぁ。
何か、ユーリはフォラッド家のアレコレ把握してる感じだな? これは結構居座ってる時間多いと見た。
最後の草団子を口の中に放り込んで、私は隣で空を見上げていたユーリへ声を掛ける。
「ねぇ、ユーリ。もしかして、フォラッドさんって……能力者だったりする?」
「お、良く分かったなァ。そうだ。火の能力者だぞォ。ウィリアムと違って、副属性複数持ち。魔法の調整が馬鹿みたいに得意でな、無人でも竈門の火を勝手に消したり点けたり出来てんのはソレだ」
「へぇ、そうなんだ」
「火に関わるモンなら、アイツの右に出る者いねえぞォ。ま、端から戦う気がアイツにはねェがなァ」
って、ユーリの言葉に軽く頷いてみたけど物凄い事だよね、コレ!?
前世の時ならスイッチ1つで簡単に出来るやつだけど、この世界が調整やら魔力量やら、物質にあったものでないと上手く融合せずに霧散しちゃって魔法が成り立たなくなるんだよね。
パッと見た感じでは竈門の火、安定してたもんなあ。焚き木がないから魔法で維持してるのには気付いてたけど、それがまさか自動だとは。
魔法を組んでる仕組みが色々あるんだろうけど、私はそこまで詳しくないからね。兄だったら、たぶん普通に説明出来る。
フォラッド本人に聞くのが一番なんだろうけど、あの人とちゃんと会話出来る自信がないな。乳臭いエルフからエルフ娘に呼び名変わってたけど、ねぇ?
それにしてもさ、何で私はフォラッドに会わされたんだろうか。あの手紙に一体何がーー
「リティシア」
「うん?」
思考を止めて顔を上げれば、ユーリも団子を食べ終えたのか茶をズズッと啜って飲んでいた。
「アイツにもウィリアムと同じく、相棒がいる。精霊じゃない相棒がなァ」
「そうなんですか? でも、姿は見えなーー」
それ以上の言葉は続かなかった。何故なら目の前にふわふわもっこもこの毛玉が落ちてきたからである。あれ、既視感。でも前と違うのは視界を遮る程の茶色い毛玉。えっ、まさか、私の顔面に直撃!?
「ひゃわぁ!?」
「きゃうん!?」
「あーー、遅かったかァ」
ちょっとユーリ、何が遅かったのかな。気配とかで気付いてた感じだよね? だったら、もっと早く教えて欲しかったなあ!?
ユーリに恨み言を呟きながら起き上がれば、目を回している小型犬がいた。うん、あれだね。前世で飼ってたポメラニアンっぽい、ボディだわあ。毛並はもっふもふ。
茶色い小型犬は私のお腹の上に倒れ込んでいる。呼吸の様子を見るに、体調が悪いとかそんな感じではないようだ。
「うーー、頭がフワフワするぅぅ……」
「えっ!? 喋ったぁ!?」
ただの小型犬と思ってたのに違うの!? あ、そういえばこの縁側って、敷地内の入り組んだ内側にあったよね。つまり、最初から家に入り込んでないと辿り着けない場所にあるわけで。
先程のユーリの言葉が脳裏に過る。
フォラッドには相棒がいるーー
えっ、まさか、この小型犬が……?
目線を小型犬からユーリにちらりと向ければ、ユーリは肯定するように頷きを返した。
「そうだ。コイツがアイツの相棒だァ。ほら、リン。挨拶しろ」
「うーー、」
ぷるぷる身体を震わせた後、リンと呼ばれた小型犬は目を開くと私を見つめ軽く笑みを浮かべた。
「えっと、ぶつかってごめん! そして、はじめまして〜! アタシはリンファ! 今はこんな体型だけど、師匠の相棒やってまーす!」
わん!と軽く吠える感じで自己紹介する小型犬ーーリンファに私はただただ驚くしかない。
「あっ、今はこんな姿だけど、ちゃんと獣人だからね!? 獣型になってるだけなのー」
獣型って何さ!? 初耳なんだけど!?
まだまだ知らない事が多いなぁ、と半目になりながらも笑顔を振りまくリンファに、笑みを返すしかなった。でも、やっぱりちゃんとした説明がほしいなー!!!!




