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【書籍化】男女比1:99貞操逆転ギャルゲーで男友達キャラに転生したけど思った以上に大変なんだが⁉  作者: マイヨ@電車王子様2巻【4/24発売】
第2章 男友達は大変だな~

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第22話 バカ言い合える女友達は貴重

「昼休みは色々と凄かったみたいね橘……」


 放課後の男子専用玄関での定例の秘密の作戦会議にて、かぐや姫が、ポツリとつぶやいた。


「ああ。俺、NTR(ネトラレ)物苦手なのにな……。よりにもよって、俺が寝取る側に回っちまうとはな……」


 初々しい幼馴染イチャラブ物だと思って買った同人誌なのに、中盤で急にチャラい男の先輩が出てきたら、速攻でぶん投げるからな俺。


 そんな俺が、唾棄すべき寝取り男になってしまうとは……。


 虎嶺には割とマジで、申し訳ない気持ちでいっぱいである。


 結局、あの後泣き崩れた虎嶺を、3組学級委員長の荒崎さんが事務的に『早退させます。残念ですが護衛はまた今度』とだけ言って、連れて行っちゃったんだよな。


「NTRって私もドラマで演じた事あるけど、あまり好きにはなれなかったわね」

「へぇ。そこは趣味が合うな、かぐや姫」


「別にアンタと趣味が合ったって嬉しくないわよ」


「それにしても、晴飛の奴。虎嶺が嫌いだからって、あんな残酷な方法で潰しにかかるとは……」

「どうやら、晴飛様はかなりアンタに執着してるみたいね」


「虎嶺に、仲の良い男友達ポジションが盗られるとでも思ったのかね?」

「男の人にとっての男友達という存在か……。これは考察し甲斐がある……。上手くすれば、演技への幅が広がる……。でも、さっきの執着は同性の友達へというより寧ろ……」


 ブツブツと独り言をつぶやきながら、かぐや姫が思考を巡らせている。

 有名女優だけあって、先ほどの情景は色々と、インスピレーションの糧になるのかもしれない。


 まぁ、俺も男に泣きながら腹部を殴られつつドヤ顔する元女傭兵というシーンは、前世のどのアニメやマンガでもお目にかからなかったけど。


「それより、晴飛を落とす作戦会議はいいのか? 今ならちょうど2人きりだぞ」

「……あ! そうだった!」


 昼食のランチ会では、2組の女子たちも、まだ元気だった頃の虎嶺も居たので、そう大っぴらにこの話題について話せなかったのだ。


「んで? 晴飛を落とすためにどうすんだよ」

「いや、橘はノーアイディアなの?」


「この間、俺の恋文作戦をぶち壊しといてよく言うな」

「あれは、もう忘れなさいよ! っていうか、あれから晴飛様の誤解は解いたんでしょうね?」


「え? ああ……してないな」

「何やってるのよ!」


「しゃあないだろ。虎嶺の件でバタバタしてたから言いそびれてたんだよ」


 ポカポカ肩を殴ってくるかぐや姫に、言い訳を並べ立てる俺。

 ったく、男を殴ってる女なんて、この世界では大罪なのによくやるな、コイツも。


 俺の前で気を抜き過ぎだろ。


「とにかく! 仲良くなるためにはイベントが大事なのよ! そして、直近の大きなイベントと言えば、1泊2日のクラス合宿よ!」


「ああ、あれな」


 多々良浜さんも話していた、4月の一大イベントだ。

 目的としては、入学して間もないクラスの結束を高めるイベントだ。


「クラス合宿で、何としても観音崎晴飛様に振り向いてもらわなきゃ!」

「おう、頑張れよ。俺は別のクラスだから、まぁ当日やれる事はなさそうだけど」


 クラス合宿という名前の通り、基本的にはクラス単位での行動になりそうだしな。


「宿はフロアも別みたいよ。アンタに晴飛様をとられなくてせいせいするわ」

「さいですか~。っていうか、宿泊合宿のしおり、めっちゃ読み込んでるじゃん。何、お前? 暇なの?」


「わ、私なりに頑張ってるのよ!」


 すでにヨレている合宿のしおりを握りしめながら、かぐや姫が真っ赤になって反論してくる。


「よく、お前みたいな芸能やってる生徒って、こういう泊まりの学校イベントって欠席か遅れて合流するイメージなのに、フルで参加するとか、実は人気女優って言ってもヒマなのか? 仕事干された?」


「ちゃんと仕事を調整した賜物なのよ! 私レベルの女優になると、そうやってスケジュールもある程度融通つけられるの!」

「ふ~ん。でもずっと、今みたいには学校通えないんだろ?」


「それは……。仕事は出来るだけ夏休みに集中させるようにしたりはしてるけど、学校は休んだりしなきゃいけなくなるとは思う……。だからこそ、私には時間が無いの!」


「なるほどね~。だから、あんな焦って晴飛に突っ込んでいってるのか」

「そ、そうよ……。悪い?」


 そこには、有名女優の不入斗輝夜ではなく、等身大のただの恋に思い悩む少女が居た。


「別に。フニュウトちゃんも影で頑張ってんだね」


「だから私の名字は不入斗(いりやまず)! 何回言わせるの!」

「わりぃわりぃ。かぐや姫にも可愛らしい所あるじゃんって思ったから、ついな」


「あ~あ……。橘の前だと、大して気を回さずに素で居られるのにな~」


 そう言いつつ、かぐや姫が残念な物を見るように俺の方を見やる。


「つまり男友達としては満点って事だな、あんがとよ。俺もその方が気楽でいいわ」


 そう言って、俺も同じように残念なかぐや姫を見やる。


「ふんっ。アンタは男に生まれた事を感謝しなさいよ橘。男だからこそ、大女優の私に並び立ててるんだから」

「あ~、そういう事言う? 宿泊合宿で、上手くアシストしてやろうと思ったのに、大女優のかぐや様には必要ないかな~」


「え⁉ 何それ。ちょっと、詳しく聞かせなさいよ」

「いやいや、大女優の不入斗輝夜様に、ただ男に生まれただけのラッキーボーイの俺なんかが、お手伝いをするなんて烏滸がましいですよ~」


「意地悪しないで教えなさいよ!」


 ポカポカ殴って来る必死な、かぐや姫。


 ──前世でも、こうやってバカ言い合える女友達は貴重だけど、この男女比1:99の世界ではより希少な関係だよな。


 そう思いながら、安定した関係を築けている事に俺は、ある種の満足感をおぼえるのであった。

男女で友情ね~。


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― 新着の感想 ―
こーれ、フニュウトちゃん、気付かないうちに橘が特別な存在になってるやつですわ
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