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邂逅
親父に一言文句が言いたかった。
俺を置いて、しかも借金まで残して逝きやがって。
直接文句を言わねーと気が済まん。
親父は生前、散々あの山から見える景色はやばいと、耳にタコができるくらい言って
いた。
親父は語彙力が乏しかったから、ヤバいって感想しか聞けてないが。
でも、その話をしている時の親父の目はすごく輝いていた。
だから、俺はその実際に確かめようと根尾山に向かことを決めた。
あんな表情してたんだ。
コンビニに行く感覚でも、そこに行けば会えんじゃねーかって思うくらいの。
途中、車を止めて道を確認していると、車のガラスを何かの影が横切った。
追いかけるように顔を上げると、一人の女の子が目に映った。
その子を見るや否や、俺は気づけば、近くにあったモデルガンを手に取り、乱暴に車
の扉を開け駆け下りていた。




