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カサブランカ

「シスター、セシリア! お待ちしておりました」

「カサブランカお姉さま、そのように他人行儀ではなく、前のようにセスと」

「ふふ。あなたは変わらないのね、セス」


 目の前で、シスター・セシリアと村長とおぼしき女性が互いの肘を握るような不思議な握手をしていた。


 姉妹、というには二人はあまり似ていなかった。

 俺と裏ボスさんは静かに、目の前で旧交を温めている風の二人のやり取りを待っていた。


「お二人とも、ご紹介が遅れました。こちら、村長のカサブランカさんです」

「はじめまして。セスの護衛、ありがとうございます。セスは私には妹のようなものなので、ここまでセスを無事に連れてきてくれたお二人には感謝しきれません」

「いえ、そんな……」


 俺は謙遜ではなく気がひける。

 ここまで、モンスター的な意味では本当に平穏だったのだ。


「この洗礼巡礼の旅路のルートには、何ヵ所か難所と言われる所があるのです。でもリニアスタさんと、リニアスタさんをご紹介してくださったシドさんのお陰で、本当に危なげなく来れました」


 そう言われて、俺は納得する。俺が思っていた以上に、テトラホーンの他のモンスターへの威圧は役に立っていたようだった。


 そして同時に、裏ボスさんがそこまで考えてテトラホーンに騎乗してきたのかと、驚く。


 それにしてもいったい、裏ボスさんがどこでテトラホーンを手にいれ手懐けたのか、謎は深まるばかりだった。


「どうされますか、今日はお疲れでしょう?

 先に休まれますか、セス。私の家を準備はしているのだけれど」

「──シドさん、申し訳ないのですけれど、先に確認だけでもと思うのですが……」


 洗礼とは、別の要件。俺のパラメータ閲覧でみて、助言してもらいたいものがあるという件だろう。

 洗礼の件で、シスターに思うところはあれど、頼まれた仕事はしっかり果たさないとと、俺はカサブランカさんに了承を告げる。


「俺は大丈夫。その、魔素暴走の兆候と疑いになられているものがある場所に、案内していただけますか、カサブランカさん」

「わかりました。村の外、こちらになります」


 そうして、俺たちは村について早々に、再び移動するのだった。

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