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『もう、まもなく光子照射の開始時刻となります』

「え、もう? あっという間だ……」


 俺は鏡から現れた自分自身の偽物とのナイフでの戦闘を中断する。

 自分自身の偽物は、なんと前回倒した時よりも強くなっていた。


 ──いや、強くなったというよりは、俺が気がついて修正した自分自身の癖が、偽物の方でも修正されていたってのが正確なとこか。おかげでまた千日手状態だったけど。


 それでも、今回の戦闘も訓練としてはとても有意義なものだった。


『鎖の切断率は0.2%となります』

「すくなっ!」


 思わず叫んでしまう。鎖というのは、俺が囚われているという因果のことなのだろう。たぶん、ここに転生してくる前の前世についての何かなのだろうが、具体的にどういうものかはよくわからない。


 さらにそれが、0.2%、因果の鎖が切れると言われても、本当に少ないのかどうかは実際のところはわからなかった。ただ、一晩の成果を数字で言われ、とっさに叫んでしまったのだ。


『切断率の上昇に伴い、封印されし転生特典が一部解放可能です。解放しますか?』

「解放前に、内容の確認はできるの?」

『できません』


 そんなことを裏ボスさんの姿と声で告げる、神造精霊のイオタ。

 俺は再び質問に質問で返してみるも、今度は断られてしまう。


 ──なんだか、一気にきな臭くなってきたぞ……。なに、イオタってそっち系に連なる存在なのか?


 俺をここへ転生させた何かとイオタが繋がりがある可能性が急に出てきて、思わず警戒してしまう。

 裏ボスさんによればイオタ含む神器は、裏ボスさんが対処しようとしている歪みとやらに干渉できるらしい。


 つまりは裏ボスさんが果たさなければいけない事と、俺をここへ転生させた存在にも何らかの繋がりがある可能性が出てきたのだ。


 ──本人には到底聞けないけど、なんとなく、裏ボスさんが裏ボスになってしまうのは「歪み」とやらを裏ボスさんが処理していく過程の先にありそうなんだよな……これはいったん、ちゃんと裏ボスさんと話す必要があるよな……俺に、それができるか……


「あー。イオタ。解放とやらはいったん保留で」

『了解しました。本機は活動を休止します』


 そのイオタの声とともに、俺はパチリと目を覚ます。

 目が覚めた俺の目の前には、こちらを覗き込むカノンの顔がすぐそこにあった。

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