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side 裏ボスさん4

「あっ……いたっ」


 思わず弾んだ声を漏らしてしまうリニアスタ。

 その視線の先にはシド=アニキスの姿があった。

 街を出て、街道を進むシドは、なかなかの重装備だった。まるで、ダンジョン探索をするかのような装いをしている。


 そんなことを考えながらシドを追って歩いていると、ふっと、シドが街道を外れる。


 どうやら、リニアスタの予想は的中したようだ。


 ──ここで街道を外れるのね。だとすると、この先のダンジョン──なら、例のシドたちが教会の下で発見したと言うダンジョンかな? でも確か入り口は少し方角が違うような気もする。


 実際のところ、新たに発見されたダンジョンは現在、厳重に入り口が管理されているはずだ。

 それは、未発見のまま時を経たダンジョンが危険だと言うことを意味していた。


 校外実習で使用するような、適宜、人の手が入り、モンスターを間引いているダンジョンであればその危険性は、通常、それほどではない。


 ただ、危険性が少ないとはいっても、特異個体のようなイレギュラーは発生する。


 なので、全く人の手が長期間入っていないダンジョンでは、中で何が発生しているかは本当に運になるのだ。


 そんなことをとりとめなく考えながら、シドを追っていると、ふっと、その姿が消える。

 しかし、リニアスタは特に慌てることなくその場でゆっくりと待つ。


 と言うのも、シドの匂いが、変わらない濃さでリニアスタまで、届いていたのだ。


 少し待つと、シドの匂いが徐々に薄れていく。

 リニアスタはシドが移動したと判断して、姿が消えた地点へと進む。


「ここは、ダンジョンの裏口?」


 ポカリと地面に空いた穴。穴のなかには斜めに傾斜した通路が見える。近くには葉っぱのついたままの木の枝がひとまとめになって置かれている。


 その場に色濃く滞留していたシドの匂いを思いっきり吸い込み、肺一杯に堪能するリニアスタ。

 体のなか、いっぱいにシドを感じていると、それだけで頭がフワフワしてくる。


 そんなフワフワしたリニアスタの頭のなかで、それでも冷静な部分が少しは残っていて、シドの行動についての推測を進めていた。


 ──位置的には、ここはシドたちが発見したダンジョンで間違いないはず。周囲には他に人影が無いし、入り口を隠していた形跡がある。シドが邪魔されずに何かの目的でダンジョンに入るために、やっているみたいね。都度、入り口を隠しているとすると、複数回、今朝みたいなことをしてそう。


 シドが触れていたであろう隠蔽用と思われる木の枝をいとおしそうに指でなぞるリニアスタ。


 ──それだけ、彼にとって重要なことがあるのね。それを知れちゃうかもしれないなんて、いまからゾクゾクしちゃう。


 そこまでリニアスタは推測をすすめると、シドのあとを追い、ダンジョンへと足を踏み入れるのだった。



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