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休憩

 ──パラメータが、点滅している?


 それは不思議な現象だった。


 生命体しか見えない俺のパラメータ閲覧では、シャドウエイプが死ぬときのように体の各部位が生命活動を停止していくと、それぞれの部分のパラメータ数値が消失していく。


 そしてまた、この前あったように、裏ボスさんの体の鉱石化した部分は、体に戻るとパラメータ数値が再表示される。


 しかし、パラメータ数値が現れたり消えたりを繰り返しているのをみるのは、はじめてだった。


 それも、基本的には消えていて、時折瞬くようにパラメータが表示されてすぐまた消えるのだ。


 今みたいに、この場所にゆっくりと腰をすえて周囲を警戒していなければ絶対に見落としていただろう。


 ──どうしよう。何故かとても気になる。なんだが裏ボスさん本人じゃないけど、時たま現れるパラメータに、似たような雰囲気を感じるんだよな……


 それはパラメータ数値を見続けてきた俺の直感だった。もちろん、パラメータ自体は単なる数値の並びに過ぎないのだが、言葉に出来ない類似性を、直感的に感じるのだ。いま起きている現象と裏ボスさんの間に何か関係がありそうだぞ、と。


 ──問題は今はどう考えても脱出を優先すべきだと言う状況だ。水すら飲まずに、戦闘と移動をしてきている。明らかに俺たち全員のパフォーマンスは落ちている。いくら近くにモンスターはいないといっても、可能な限り早くここを出るべきだ。


「シド、どうした?」


 シスター・セシリアと話し込んでいたカノンがいつの間にか話をやめて俺に声をかけてくる。

 俺が思い悩んでいるのが何故か伝わってしまったようだ。相変わらず表情の判別すら難しい暗さなのに、鋭い。


「いや。少し違和感があったんだが、気のせいだったみたいだ」

「……そうか。そろそろ出発するか?」

「私はもう、大丈夫です」

「ああ、そうしよう」


 俺も脱出を優先することを決めて立ち上がる。座りこんだままのカノンとシスター・セシリアに近づくと、二人の手をとり、立つのを手伝う。そのまま肩を掴んでもらう。

 肩に伝わってくる二人の体温。それが俺に二人分の命の重みを伝えてくる。


「よし、あともう一踏ん張り。いくか」


 俺は後ろ髪引かれながらも、その場をあとにしたのだった。

 可能であれば後日、一人で調査に来ようと決意しながら。

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