外へ向かって
カノンの推測はピタリとはまった。
俺たちは出入り口があると思われる方向にかなり近づいていると思われる場所にいた。
シャドウエイプは実際に一体、俺たちが最初にいた位置に移動してきたのだ。
その動きから、風上、つまり風が吹き込んで来ていそうな方向へ移動を開始した俺たち。
まあ、当然風上にいくのでシャドウエイプに追撃されたのだが、先ほどと同じ様に危なげなく討伐出来た。
そんなわけで俺の荷物にはいまシャドウエイプの魔石が四つある。
ただ、問題は移動途中で、僅かな明かりすらなくて、ほぼ手探りで進まないといけないような場面が何度かあったこと。
当然、そのときに起きてしまった接触事故は不可抗力だろう。
カノンとシスター・セシリアもわかってくれているようで責められることはなかった。ただ、背後からの無言のプレッシャーは増した気はしている。
しかし今後はそんな心配も減るはずだ。外が近くなってきたからだろう。俺たちの進む通路に苔など生えている割合が増えてきたのだ。
こうなると俺のパラメータ閲覧で、かなり安定して進むことが出来ていた。
それにともない、移動速度も上がる。
ただ、懸念もあった。
──そろそろ一度、小休止をするか。幸い、次の角を曲がると少し広いスペースがある。
普段から学園で体を鍛えてるカノンはまだしも、まだ学園にも通っていないシスター・セシリアは疲労が溜まっているのがパラメータ閲覧で見えるのだ。
「そろそろ一度、休憩しようか」
「そうだな」
「──あの、私でしたらまだ大丈夫です。外が近くなってきたのでしたら、一気に出てしまった方が」
「いや、こういう時の方が危ないんだ、セス。少し休んで気持ちも落ち着けた方がいい」
「シドの言う通りだ、シスター・セシリア。それに俺も少し疲れたしな」
カノンが話を合わせてくれる。
シスター・セシリアもそれなら、とばかりに了承する。
小部屋のようなところについて、壁を背におのおの腰をおろす。
しばらくして小声でとりとめのない話を始めるカノンとシスター・セシリア。カノンがシスター・セシリアの気を紛れさせてくれているのだろう。
──幸い、周囲にモンスターは見えない……うん? なんだ、これは?
じっと座って見ていなければ、たぶん見落としていたであろう、それ。
そのとき俺は転生してパラメータ閲覧を使いはじめてからこのかた、見たことの無いものを目にしていた。




