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【機人転生】 俺、伝説の種族だったの!?  作者: 新
機械な種族に転生
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19話 新装備1

「この黒いのに手を触れるだけでいいんだったな……うわっ」


黒い棺に手を触れた瞬間、スパークが走るとバチっと音がなり俺の手が少しだけ痺れた……気がした。


すると、変化はすぐに訪れたーー黒い棺はその中心から左右に開いていき、中に()()()()綺麗な銀髪をしたこの世のものとは思えないほど、美しい少女だった。



「……おはようございますマスター」

「お、おう? おはよう、なのか?」

「冗談です」


…… 冗談らしい。


その少女から紡がれる声はいつも頭の中で聞こえていた女性的な機械音声とは違い、しっかりと人の声と認識できる。


「違和感とかはないか? メアリー」

「……問題ないです。多少の慣れが必要ですが、許容範囲です」


俺の言葉にメアリーは手足を動かしながらそう答えた。スラリとした手足に、ロングヘアーの銀髪。身長はそれほど高くなさそうだが、少女の体型らしいから順当だろう。だが、その顔は人形のような美しさを持っており、そこらの少女とは比べものにならないだろう。


「マスター。このボディに興味があるのはわかります。ですが、見知らぬ人がこの光景を見たらどう思われるでしょうか?」

「……少女の裸を凝視する変態だな。……って裸じゃん!?」

「はい。ですので次は私とマスターの装備を武装庫に探しに行きましょう」


そう言ってメアリーはその素足でペタペタと足音を鳴らしながら歩いて行った。


「……」


……元々AIだし、恥じらいとかはないんだろうな。と、言うことは俺、得したと言うことなのか……?


「マスター? 置いていきますよ?」

「あ、ああ。今行く」



ドキッとした。……しょうもないこと考えてたら、見透かされそうだな。うん、やめとこう。



目的の場所には数分で着いた。



「ここが武装庫か……あ、頼む」

「はいマスター。……認証完了です」


すると白い扉はスライドしていく。

慣れたもんだ。機人関連はメアリーに任せたらどうにかなる気がするな。今後もメアリーに頼らせてもらおう。……いいよな?


中に踏み入ると、そこそこの広さを持った一面白い部屋だったが、その白い壁には不似合いで物騒な代物がいくつも立て掛けられていた。


「まずは……ありました。マスター、これをどうぞ」

「ん、ありがとう。……もしかしてこの瓶の中身がおれの装備になるのか?」


その問いにメアリーは小さく頷いていた。

俺がメアリーから手渡されたのは、手で掴める程度の瓶で、中には黄色い線がいくつも走っている流動体が収まっていた。……なんかプルプルしてるな。


「つーかコレって、スライム……」

「ご明察通りです。流石マスター。ちなみに正式名称は千変魔水(サウザンド・スライム)。スライムの中で最上位に近い位置に属する魔物です」

「……で、こんな瓶に入れてていいもんなのか? ていうか、コレがどうやって俺の装備になるんだ?」


俺はよく知らないから想像がつかないんだが……スライムだし、変形でもするのか?


「大丈夫です。とても丈夫な容れ物ですから。……では先ず蓋を開けてください」

「わかった」


とりあえず指示通りに蓋を開け……!?


「うおおっ!? 勝手に動いて……! 身体中にーー!?」

「安心してください。現在マスターの体格を調べているだけです。ジッとして動かないでくださいね」

「…………なんか、ムズムズするな」


この絵面。大の男がヌルヌルするスライムに纏われている光景。……誰得だ? うん、知らん。


友達にこういうのが好きな奴がいたが、いざ実際に体験してみると、なんとも言えんな……。


「ん? なんかいつのまにか胸に集まってるな」


俺の身体中をヌルヌルと移動していたスライムは気づけば胸の中心で固まっていた。……なんだろう。心なしか色が濃くなってる、か?


「どうやらマスターの体への適応は終わったようですね。ではマスター、一つマスターが思い入れがある衣服をイメージしてください」

「なんでだ?」

「それが今必要なことだからです」


いきなりそんなこと言われてもな……。

うーん。……俺が一番長いこと着てたのはやっぱり高校の制服だな。黒を基調にしたブレザーで、近辺の高校の中じゃ割とカッコいいデザインだったなぁ。


「……なるほど。それがマスターの中で思いやりがある衣服なのですね。とても精巧な出来で素敵ですね」

「え? ……嘘だろ。メアリーの特技は早く着せなのか?」

「はい?」

「なんでもない。……にしても、触った感じ、マジで俺が通ってた高校の制服だな。一体どうなってんだ?」


と言いつつも俺はある程度予想はしている。どう考えてもこの胸に張り付いていたスライムの仕業だろう。こんな便利アイテムみたいな魔物だったのか、スライムよ。


千変魔水(サウザンド・スライム)はその姿を千の姿へと変えることができます。ただ、普通の野良の千変魔水(サウザンド・スライム)は変化のための容量を既に超えている種が多く、マスターに張り付いたその無垢な千変魔水はかなり珍しい個体なのです。ですから、この武装庫に保管されていたようです」

「へぇ……」


今は見えないけど、この服全部がスライムなんだろうか。……魔物って、すげぇな。



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