852/1717
-アリエルの暴走-14P
そんな怒りがふつふつと湧き上がり続ける。
それに輪を描くように、ようやく終わったのか。そう言いたげに、外で避難誘導をしていたルフーラとクルトは、安堵の表情を浮かべながら僕の元へとやってくる。
二人とも、避難所でなにがあったのか、全貌はなにも知らない。それに男の死体も、もうどこにもない。
知っているのは一部の人と、僕のみ。かと言って、あんな衝撃的でトラウマになるようなできごとを平然と誰も口にはしないだろう。
「リーにゃん! あのね!」
そんな声を掛けてくるクルトに、楽観的でいいよね。なんて一瞬、怒りの矛先をクルトに向けかけ、歯を食いしばりながら必死に堪える。
そして数度、深呼吸をしたあと、蜘蛛の糸に絡まるような複雑な感情に呑み込まれないように僕は本心を隠しながらクルトの話を聞き続けた──。




