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会計士、転生したら万能の仙人だったけどコンプライアンスだけは譲れません  作者: もりそんば
第二十章 期末試験と幸子さんと利修のコンプライアンス
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期末試験と幸子さんと利修のコンプライアンス(6)



2031年3月。期末進級試験にて大量の赤点をとってしまった杏那さん。



これにより杏那さんは利修仙人のパートナーの欠格事由に該当し、パートナー降板の危機に瀕していた。杏那さんに最後のワンチャンスを与えるべく「伴侶入れ替え決定戦」の提案をしたところ、意外とすんなり許諾され、入れ替え候補者である幸子さんと、杏那さんの姉妹入れ替え決定戦の開催が決定された。



しかし、入れ替え決定戦について、何の種目で二人に競ってもらうか瑞姫さんと協議したところ、瑞姫さんからは、水着審査だの、水着でのポージング、水着での歌唱テストなど、昭和のおやじのセクハラ要素満載な審査項目ばかりを打ち出してきた。



コンプライアンス的にも不適切である。



しかし反対意見を述べるも瑞姫さんのいつものわがまま、強硬意見の前に、空しく大いに問題をはらんだまま、入れ替え決定戦が開催されることになってしまった。




そして運命の決戦日。




幸子さん対杏那さん。まさかの仙人の伴侶を賭けた姉妹対決が行われることになるとは夢にも思っていなかった。まして、この二人の女性の命を救ったのが、先代の利修仙人だと思えば、これも何かの因縁なのだろうか。



「幸子さん、杏那さん、本日の伴侶入れ替え決定戦は、全部で五つの競技で行われます。その審査をへて、来季の利修仙人、お兄さまの伴侶を決定することになります。


 本日の審査員は、審査委員長瑞姫さん、審査員兼司会の私、鳳来リコ、審査員のお兄さまこと鳳来利修さまです。オブザーバとして、青山野さん、朝黒さんにも同席をお願いしています。」



「早速ですが、第一の勝負は、女子力対決です。審査員である瑞姫さんと、わたしリコちゃん、それからお兄さまの3名が審査を行います。3人の得票を最も集めた方が勝者となります。」



この第一競技は、多分、というかほぼ確実に甘いもの好きの瑞姫さんの個人的な趣味で、デザート作り対決になった。テーマは自由。制限時間1時間以内に、審査員がより喜ぶデザートをつくる、という極めてシンプルな勝負である。




幸子さんはマカロン、杏那さんはチョコレートケーキを選択した。二人は普段から喫茶傘すぎでスイーツを作成販売している、プロである。二人とも手際よく材料を選択し、調理に入っていく。およそ20分余りが経過したのちに、二人のデザートが完成した。



「完成です。審査をよろしくお願いします。」



「これは・・・どちらも良い出来だ。というかどっちも店で出してるレシピじゃないのか?どっちも食べたことがあるような気がするが。それにしてもおいしそう。」



瑞姫さんがうっとりとした表情で二つのデザートを堪能する。瑞姫さんに続いて、リコちゃん、そして僕も試食に入る。確かにプロの味だ。完成度が非常に高い。正直甲乙つけがたい。



「それでは審査に移ります。審査員は試食の上、手もとの札をあげてください!」



瑞姫さんは「幸子」、リコちゃんは「引き分け」、僕は「杏那」の札をあげる。ん?なんだ引き分けの札って、両方の札をあげたって事か。そんなのありか?



リコちゃんの引き分け札の有効性には疑念もあるが、結果だけ見れば、第一競技は引き分けである。幸子さんも応援したいが、今回の入れ替え決定戦に関しては、杏那さんを応援したい僕である。まずは、勝敗のきわどかった第一の競技で引き分けになったことには素直に安堵する。



「次の競技は水着によるプロポーション審査です。」リコちゃんが案内する。



水着でのプロポーション対決。昭和のセクシャル・ハラスメント臭がすることこの上ないが、瑞姫さんに強硬突破されてしまった競技である。



杏那さんについては、以前一緒に合宿旅行に行ったときにすでに悩殺プロポーションを確認済みである。見ているだけでなく背中に「当てられてもいる」。幸子さんについても、谷間に悩殺されかけた経験はあるが、全身までの確認はできていない。今回の協議は、未知との遭遇である。



それらの経験からすれば、あの夏以降、よほど体形変化でもない限り、杏那さんが負ける要素はないはずである。杏那さんは、よく食べる健啖家であるが、夏以降も食べた分のカロリーを消費する運動をしているのは知っている。



よって概ね同等のプロポーションを誇るものの、大人で運動量のすくない幸子さんの方が少々不利な課題ではないだろうか。ただ15歳と20代までの成長の違いがどれほどの女性的外観への変化をもたらすものかは正直わからない。



すなわち15歳と20代の成長の違いを、大人のむっちりした魅力に変換できていれば勝敗の行方は定かではないということである。



とそんな不埒かつ呑気なことを考えていると、杏那さんが怒りだした。



「瑞姫先生!!な、なんで仙人のパートナーを決めるのに、水着に着替えなきゃいけないのよ?なんの関係があるっていうわけ?大体今3月よ。こんな審査項目を決めた人の顔が見たいわ。」



「審査項目を決めたのはわたしだが。何か審査項目に文句があるなら、ここで審査を切り上げてもかまわんよ。」



「ぐっ。でもなんで水着審査なんですか?仙人の伴侶となんの関係があるんですか?」



「関係があってもなくても、審査は審査だ。それに健康な体を持ったものが、長く伴侶を勤めうると考えれば、水着による肉体審査があったとて不思議なことではないと思うが?それとも水着なしの生まれたままの姿での審査のほうがいいとでもいうのかい?」



「・・・わかりましたよ。わかりました。やればいいんでしょ。やれば。」



納得がいかない顔つきながら、真っ赤な顔をして俯く杏那さんである。最終的には、あくまでも伴侶に残りたい杏那さんであるゆえ、協議責任者である瑞姫さんに今すぐ帰れと言われればやらざるを得ない。



杏那さん、ごめん。うまく競技項目を調整できなかった。



でも言ってることは100%杏那さんが正しいと思う。僕は杏那さんの味方だ。



「隣の部屋を更衣室として用意してあります。水着の準備も用意してありますが、もし持参された水着があるならそれでも問題はありません。もし何か不都合があればお声かけください。お着換えが終わったあと、準備が出来たら会場の方へ入ってきてください。」



審査員だけでなく司会役も兼ねるリコちゃんが、研究所の廊下から、更衣室へ、10分ほどして着替えの終わった二人を会場の更衣室から教室内に誘導する。



杏那さんも瑞姫さんも用意された指定の水着を着用したのだろう。似たような赤系統のセパレートタイプのビキニ水着で部屋に入ってくる。二人が会場に入ったところで、リコちゃんが言った。



「せっかくの水着審査ですので、改めて自己紹介して頂きつつ、決めポーズを見せていただくことはできませんか?」



「は?決めポーズ!?そんなのできるわけないでしょ!・・・っていうか分かりました!・・・分かりました。何でもやればいいんでしょ!?」



「・・・わたしからやるわ。良いよねお姉ちゃん。」



「ええ、どうぞ。杏那。」



「赤城杏那で~す。杏那ちゃんって呼んでください。鳳凰高校の一年生です。バスケと陸上が好きなので、体は毎日良く鍛えてます。腹筋が自慢です。全体的な発育もお姉ちゃんには負けてないと思います。よろしくお願いしま~す!!」



少し前かがみになって、両の二の腕で二つの実りを挟んでボリュームをアピールする杏那さん。



言い終え、ポーズをやり遂げた杏那さんの顔はどす黒い色、ナスの色くらいに赤を通り越して黒くなっている。客観的に見て、確かに絶対に伴侶に残るという確固たる決意をもってやり切ったといえる内容である。普段の杏那さんを知っている僕からすれば、個人的にすでに勝利の栄光を送りたい気分だ。



「次はわたしね、赤城杏那二十代です。大人にしかない色気がありまぁす。例えば、こんなポーズはいかがかしら?」



両手をあげて、肘で胸を挟み込むことで、二つの果実が大きくたわむのが確認できる。シンプルなポージングながら、なんという破壊力だ。



ボデー・プロポーションでは、若く健康的でフレッシュな杏那さんと、少し肉感的かつエロティックな幸子さんの二者択一となった。これは判断が難しい。



ちなみにこの3月に、研究所の室内で見るのと、去年のように夏の屋外で水着姿を見るのとはまた違った破壊力があり、確実にLS案件である。ただ審査員として、僕も二人をまじまじと正面から見ないわけにはいかない。LS案件罪はもちろん受け止める所存である。



審査委員である瑞姫さんは、となりではぁ、はぁ、息を荒げながら、指を加えて、内股になって下半身をもじもじさせながら、二人の豊満なボデーを見続けている。



「瑞姫さん、判定はいかがでしょうか?」リコちゃんが、瑞姫さんに促す。



「はぁ、はぁ、あの、その場で後ろを振り向いてもらってもいいかな?」



「後ろ向き?これでいいですか?」



「その後ろ向きのまま、手をまっすぐ頭上で手を組み合わせるポーズをお願いしてもいいですかな?」



二人共、後ろを向き、手を頭上にあげると、ボリュームのあるヒップライン、ヒップから背中、うなじへとつながるラインがはっきりと視認できる。瑞姫さんが見たかったのはこれか。さすが上級審査員である。視点が違う。



「それでは第二競技について審査をお願いします。」



瑞姫さんはずっとはぁはぁ、もじもじしている。この人に任せて本当に大丈夫なのだろうか。



不可解である。



続く




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