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異世界侵略6日目(多数決の独裁世界)

あたしは、異空間で、新世界システムとお茶をしながら、次の異世界侵略の計画を立てる。



あまりどやしつけたものだから、新世界システムがいじけてしまって、男なんか大嫌い! なんて言いはじめたものだから、また、女に変化してみた。



「ねえ、ちょっと、次の異世界は、どんな感じなの?簡単でいいから説明しなさいよ。」



「えー、そんなの説明したら、面白くなくなるじゃない」と新世界システムは言う。



何を楽しんでいるのやら、、、、。



あたしは、そんなことを内心思うが、今は、そんなことグダグダ言うべき時ではないと黙っている。次のアクションを実行するためだ。



「いいじゃない、減るものでもないでしょ。もったいぶらずに教えなさいよ」



と、いいながら、少女の脇腹をこちょばす。



「ちょ!ちょっと!何をするのよ!下がれ!さがりおろう!」



新世界システムは、イタズラ好きなのだが、イタズラされることには慣れていないのだ。



そこは、あたしは、すでにしっかり研究している。



「だめよ、ちゃんと教えないと止めないからね」



新世界システムは、きゃはきゃは言いながら、身もだえる。



「わかったわよ、わかりましたわんわん! 説明するから、しますから、その手を下げてよ」



ようやく、説明する気になったようなので、あたしは、新世界システムを解放する。



「ふ~、、、、と二人でめ息をつきながら、目の前にある紅茶を飲む」



新世界を管理する新世界システムがこんなにお馬鹿でいいのだろうか?と思う人もいるかもしれないけど、これはあくまで仕様であって、本当にお馬鹿なわけではないのよね。



ま、言ってみれば、儀式みたいなものね。 



新世界では時間はあってないようなものなので、いくらでもこういうお馬鹿なことに時間を使えるの。



何しろ現在過去未来が、新世界では同居しているんだから。



時間は無限にあるのよ。というかいくらでも増やせるの。



だから、生真面目すぎる新世界システムじゃ、飽きちゃって、どっかでもうやってられなくなるのよね。



ま、そんなことは、また後でゆっくり話してあげることにして、とりあえず、次の異世界情報を聞き出さないと、、、



あたしは、半分まで飲んだ紅茶のカップをことりとテーブルに置いて、新世界システムを見る、、、



新世界システムと毎回言うのも面倒なので、新世界システムに「新ちゃん」と勝手に名前をつける。



新世界システムも心得たもので、即座に自分を「新ちゃん」として、その過去を自動生成し、記憶を塗り替えて応じてくれる。



「ねえ、新ちゃん、さっきの話きかせてくれる?」



「もう、しょうがないわねえ、、、、ちょっとだけよ。えっとね、次の異世界はね、大丈夫、そんなに危険じゃないし、前の世界より安全だから、安心してね」




「ちがーう! それ、ほとんど、説明になってないでしょ。ちゃんと説明しなさい!」



あたしは、語気を強める。



「あーもう、じゃあ、ヒントを出してあげる。いい、前の異世界は、支配者ボスがひとりだけだったでしょ。ほら、肉体を操作する世界のことね。でも、次の異世界は、ボスがいっぱいいるのよ。このヒントでわかるんじゃない?」



「ええい、、、なぞなぞなどしている暇は、、、あるけど、、、、あたしは、すぐに旅立たねばならないのよ。新ちゃん。。。。素直に情報を教えなさい!」



「えー、だってえ、、、、そんな、、、全部教えたら、つまんないじゃなーい」



だめだ、、、もう時間切れだ。時間は無限にあるけど、行かねばならない。異世界からの悲痛な叫びがあたしを待っているからだ。



あたしは、後で、新ちゃんに再教育を施すことに決めて、仕方なしに異世界への時空間のひずみに飛び込んだ。



いつものように、ぐるんぐるんと視界が回転し、ぽこんと異世界に到着した。



あら、、、、なかなか普通の街じゃない、、、。



近代的な建物が立ち並び、文明も結構発達しているようだ。



空飛ぶ自動車のようなものも、たくさん飛んでいる。



さて、まずは情報収集ね、、、




あたしは、透明な意識体の状態で、大きな建物の中に入り込む。



壁が素通りできるので、どこにでも行ける。



まずは、この世界の支配者たちを探してみる。



ひどく扱われている人々が、どこかにとらえられているはずだ。



その苦しみの叫びを新世界で感知したから、やってきたのだから。。。



おそらく地下だろうとめぼしをつけて、地下施設を転々と見て回る。



結構、広い街なので、すんなり見つからない。



仕方なくあたしは、意識を苦しみの叫びに向けて、時空間を跳んだ。



瞬間移動して出た先は、広いホールのような場所だった。



なんだか国会議事堂みたいな感じの大広間だ。



そこでは、なにやら会議のようなことがなされていて、賛成派と反対派が挙手して何かを決めている。



「えー、では次の議題について採決を取ります。賛成の方は挙手をしてください。はい、賛成多数で、この法案は成立しました。」


そんなことを言っている。



どんな法案なのかと、そいつの意識にアクセスして心を調べてみると、なにか不条理な一方的なルールが決められたようだ。



「階級Aの市民は、階級Bの市民に対して全身全霊で奉仕し最敬礼しなければならない」



などとそんな感じのルールが決まったらしい。



一部の人々は、苦虫をかみつぶしたような顔をしている。



よっぽどその法案が通ってしまったことが嫌なのだろう。



さらに調べてみると、他にも似たような不条理なルールがたくさん決められていた。


「階級Aの市民には、国家銀行から無制限にお金が提供されることとし、階級Bの市民たちは、得た収入の半分を税金として提供しなければならない」



などというルールもあった。



無制限にって、、、めちゃくちゃでしょ、、、と思ったけど、どうやらこの世界ではそれが当たり前になっているらしい。



無限のお金でハイパーインフレを起こされたら、階級Bの人たちの稼いだお金の価値をほぼ0にすることもできるじゃない、、、と思う。



めちゃくちゃだわ、、、とあたしは思う。



案の定、階級Bとされる市民たちの意識を覗くと、そうした不条理なルールのために、ひどい生活を強いられていることがわかった。



ほとんど奴隷状態じゃない、、と思う。



表向き、奴隷とはされていないだけで、実質、奴隷と同じような状態に置かれていた。



なぜなら階級Aの市民たちは、階級Bの市民たちの生活をまともにできなくすることがいつでもできるようにしていたからだ。



逆らえば、その不条理なルールを悪用されて、生きて行けなくなるようだ。



あたしは、思った、、、なんで、こんな不条理なルールがまかり通ってしまうんだろう、、、と。



どうやら採決は、多数決らしい。



理性ある人間なら自分たちの決めているルールが酷いものだと気が付いて自制する者もいるだろうにと思うのだけど、、、、階級Aの市民たちは、みんなその不条理なルールにもろ手を挙げて賛成してしまうのだ。



まあ、優遇されているから賛成してしまうのかもしれないけど、、、、不自然なほどに階級Aの市民たちは、同じ行動をしているし、思考パターンもあまりにも似ている。というか、、、ほとんど同じなのよね。



個性が、、、なさすぎる、、、とあたしは思う。



まるで金太郎飴だ。どこを切っても金太郎っていうあれだ。



多数決で決めたことだということで、階級Bの市民たちは、文句が言えない状態にされているわけだけど、何か不自然だ。



まるであたしが分身の術で、昔、多数決の世界でやりたい放題やったことを思い出す。



「あ! 」 と、そして、あたしは、気が付いた。



これ、昔のあたしと同じパターンじゃない?と。



誤解されないように言っておきますけどね、、、あたしは、多数決で他の人たちを奴隷にしたりはしなかったわよ。ただ、ちょっとあたしの好きな人の隣の席を独占的に獲得するとか、、、そんな他愛ないことしかしてないから。



「つまり、そういうことか、、、」とあたしはつぶやいた。



この階級Aの市民って、みんな意識体としては、同じなんだわ。



ただ分身しているだけで、、、。



姿形は違うけど、心の中はみんな同じなんだもん。心がもう、完全にそっくりさんだわ。


おぬしも悪よのう、、、と私は思う。



多数決システムを逆手にとって、多数決による完全独裁のやりたい放題をやっていたわけね。



民主主義っていうのが始まって、独裁が禁止になったから、こうした手段でやりたい放題してたのね。



こういう分身の術を使う馬鹿がいるのよね。(異空間が胡乱な目であたしを見たのは、どういう意味かしら?)



でも、心が全部見えるあたしたち相手にそれは通用しないのよ。



これは、新世界的に言えば、「アウト~!試合終了~!」ってやつね。



やれやれ、こういうのがいるから、いつまでも異世界侵略行為をつづけなきゃいけなくなるのよね。迷惑なのよ、ほんとに。



独裁するなら、あたしたちの新世界みたいに良い独裁をしなさいって話よ。



こういうダメな心が世界にはびこると、世界が終わっちゃうのよね。



って、あたしたちが、終わらせるんだけど、、、



とんでもなく苦しんで終わるとか、、、終わることもできずに永遠にとんでもなく苦しみ続ける、、、、とかより、苦しみなく終わるほうがいいでしょ?



ということで、あたしは、ワールドエンドのボタンをぽちっとな、、、と押そうかな~と思ったけど、自制した。



まだ念のための説得をしていなかった、、、、忘れてたわ、、、あぶないあぶない、、、


すんなり反省して改心する場合も、稀、ほんと稀だけどあるのよね。



ほんと、稀だけど、、、



そこであたしは、めんどくさいので、もう、肉体化しないまま、テレパシーで直接、階級Aの意識に呼びかけた。



「ちょっとあんた、、、かくかくしかじかで、あーなってこうなって、こういうことだから、反省して改心しなさい。しなければ一瞬で消すわよ。」



と説得を試みた。



異空間が、「それは説得というよりも、脅迫では、、、」



などとつぶやいていたが、うるさいのよ、あんたは。



そもそもねえ、、、、こいつらが今までやってきた酷いことを反省して改心するだけで情状酌量してあげようって話なのよ。脅迫だなんて、、、、人聞きの悪い、、、、、



異空間は、まだぼそぼそと何かつぶやいていたが、あんたの出る幕じゃないって蹴飛ばしてやった。



あたしの相手は、今は、あんたじゃないのよね。後で相手してあげるから、おとなしく待ってなさい!とまくしたてる。



階級Aの市民、、、いえ、、、独裁者は、その異空間とあたしの対話?を聞いていて、何を思ったのかわからないけど、素直に反省して改心すると言い出した、、、



え? 改心するの? あたしはウソみたい~と思う。



こういうケースでは、改心する確率は、実に低いのだ。



どうやら、異空間をボロカスになじったことが役立ったようだ。



あたしは、体験操作能力の首輪と手錠をつけるべき相手がいなくなってしまったので、それを目の前の異空間につけてみた。



だけど、異空間は優等生だったので、なんの効果も絶叫も発生しなかった。むしろ、なんか気持ちよさそうにしている、、、、なんという優等生ぶりだろう、、、とあたしは、ちょっと悔しいなと思った。



おそらくこれまでに多くの魂の不満のぼやきを受け入れて聞いてあげることでストレスを解消してあげて気持ちよくさせてきたのだろう、、、だから、その因果応報で受ける罰?は、果報となって、気持ちよくなるのだろう。



そんなことを思いながら、あたしは、ちゃっちゃとこの異世界の統治システムを改変する。



一応、反省して改心したのだから、それなりの情状酌量をしてあげなければならない。



ただし、階級Bの市民たちの不満がそれでは解消できそうもなかったので、あたしは、階級Bの市民たちには、新世界への招待状を提供した。



望めばいつでも新世界に来れる招待状だ。



いつでもどこでも、そう望むだけで意識が、新世界システムに参加できるのだ。


とりあえず、説明しても、なんのことかわからない、、、という風情だったので、お試し体験をしてもらった。


それぞれの意識的な、また無意識的な、、、あらゆるお望みの体験を、自由自在に楽しんでもらった。



その結果、、、、ほとんどの階級Bの市民が、今すぐ新世界行きを望むことになった。



少しだけ残った階級Bの市民たちも、その後、ほとんど新世界に来ることになった。



で、その異世界は、ワールドエンドで消えることなく、階級Aの市民だけが存在する世界になった。



その結果、奴隷は0になり、Aの意識は、あらゆることを全部自分でやらねばならなくなった。


今まで奴隷にさせていたことすべてを自分がする、、、それがまあ、必要な教訓というか学びということになった。



相当な情状酌量だけど、、、まあ、めったに、ほんとめったに改心して反省しないのだから、まあ、いいでしょう、、、ということだ。



危ない運命を免れたことを祝福してあげようと思う。



こうした結果が「異空間」の善行として認められ、また、異空間の優等生ランクが上がるのだろう。



まあ、そんなことは、あたしの知ったことではないわ、、、ちょっとだけ嫉妬しちゃうんだけどね。うまくやりやがってみたいに、、、



ま、でも、結果良ければすべてよし、、、、異空間ちゃんごくろうさまでした。



ま、たまには褒めてあげなくちゃね。



ということで、今回も異世界がひとつ、、、新世界に侵略されてしまいました。



あたしは、このままあらゆる意世界をさっさと征服してしまわなければ、、、と思うのでした。



こういうお仕事はちゃっちゃと済ませて、みんなでゲームでもして遊びたいのよね。。。


だから、がんばる!



今日の教訓:異世界で異空間ちゃんは結構、役立つ。実用的。



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