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異世界侵略2日目(1000億の魔王たち)

私は、今、新世界のメイン管理システムにアクセスしている。



「次は、どの異世界を侵略すればいいんだ?」



侵略対象の異世界は、ランダムで選択するルールになっているところが悔しいところだ。



えり好みすると、いろいろ個性の強い旅人たちの嗜好によって、まま問題が発生するということで、ある時期から侵略対象の世界を旅人が自分で選べなくなってしまったのだ。



実に残念なことだが、ルールだから仕方ない。



魔王を捕まえたいが、果たして、次の異世界には魔王はいるのだろうか?



私は、期待と不安が入り混じった気持ちになるが、体験操作能力を使って、落ち着いた平常心を取りもどす。



仕事中にあまり精神を高ぶらせるべきではないからだ。



しかし、実に、便利だな、、、この体験操作能力、、、。



この能力を使うと、一瞬で魔王なんてどうでもよいと思えるようになる。。。



だが、素に戻ると、やはり魔王が気になる。



どうか、次の異世界には、魔王がいますように、、、。



私は、祈るような気持ちで、異世界に旅立つ。





さて、空間のひずみを通りぬけると、そこは、街のような雰囲気の場所だった。



人通り、、、が結構ある。。。



私は、透明な意識体として、周囲を観察する。



ほう、、、、なんだか、街の市場のような場所らしい、、、なにか売買しているようだ。



野菜のようなものが、露店にならんでいるな、、、。



ん? あれは、なんだか巨大な○○〇を連想させるな、、、何に使うんだろう、、、



異世界には、今まで見たこともないものがあるからなかなか楽しめる。



とりあえず、この異世界の一般人に変身したいところだな、、、。



そうして、私は、街の人々の姿をコピーするために、しっかりと観察をしはじめた。



ふむふむ、、、、、みんな立派なツノがあるんだな、、、ほうほう、、、体格もなかなかよろしいようで、、、どうも、黒系の衣装が好まれているらしいな、、、なんだか、「元」黒い物体だった「オーラ」ちゃんを思い出させてくれるじゃないか、、、



だが、どうやら物体ではなく、ちゃんと人型に近いようだ。



ふむ、、、、こういう形態の種族はと、、、、



私は、「異世界大図鑑」を新世界図書館にアクセスして、取り寄せて読み始めた。


なになに、、、ツノがある異世界種族、、、、これだ、、、これで検索してみよう、、、、




お、、、ヒットしたな、、、なになに、、、ツノがある種族といえば、代表的なものに、鬼続がありますと、、、ふむふむ、他には、、、、魔物の多くにもツノがある場合があると、、、これは種類が多いな、、、だが、人型でとなれば、絞られるはずだ、、、、



とすると、、、この異世界の彼らは、、、ん? 何? 魔王族にもツノがある、、、だと!




あるよ、ツノ、、、あるあるある、、、みんなツノがある。。。



私は、血走る目で異世界大辞典のページを読み進める、、、



なに、誰も私のことなど見ちゃいないんだ、、、恥ずかしいことなどないさ、、、



あった! あったよ、お母さん!



私は喜びのあまり、退行現象を起こしてしまった。



たまには、退行くらいさせてもらいたい。



そこには、次の文言があった。


「鬼族は、肌の露出が高いことが多い、、、、魔王は、黒系の衣装を身に着けていることが多い、、、」



とある、、、であれば、、、この街の彼らは、みんな魔王だということではないか!



私は有頂天になって、思わず、透明な意識体から、魔王っぽい姿に無意識で変身してしまっていた。



あ、、、しまった、、、と思うが、まあ、体験操作能力があれば、なんでもないとそのまま変身してしまう。



いきなり現れた私を、魔王市民たちは、一瞬で感知してみんなが一斉にこちらを見た。



視線が痛い、、、。



魔王たちには、感知能力があるらしい。



このまま、いきなりバトルになるのだろうか、、、。



私は、体験操作能力をかまえて、守りを固める。



が、何も起こらなかった。



魔王たちは、興味深そうに私のところまでは来たものの、何やら言いながらが、私を遠巻きにして見守っている。



攻撃されないのなら、話し合うべきだと判断し、私は、異世界大図鑑に意識をリンクさせて魔王語で「はじめまして!」とあいさつしてみる。


周囲の魔王たちが、ちょっとどよめく。



なぜに、どよめく?



100人くらいの魔王が集まっている中から、長老風の魔王が私の方に歩いてきた。



わたしは、ドキドキして、体験操作能力をかまえる、、、やばそうならすぐ使わねばならないからだ。



だが、長老風の魔王は、穏やかに私に話しかけてきた。



「お若いの、、、なんでそんな昔の魔王語を使えるのじゃ?」



どうやら、私の魔王語は、古典でしか使われないような言葉だったようだ。



しっかりしろよ、、、異世界大辞典!と私は異世界大辞典に苛立ちをぶつける。



異世界大辞典のページがペラペラと勝手にめくられてゆき、、、「八つ当たり」という言葉が大きく書いてあるページで止まる。



いや、魔王語がおかしいのは、お前の責任だろ!と言いたかったが、目の前に魔王の長老たちがいるので、その件は後まわしだ。



私は、しょうがないんで、テレパシーで、かくかくしかじかで、、、と状況を説明してみる。



と、伝わりました。



魔王族は、テレパシー通じました。



それでやっと、普通に話ができるようになり、この異世界の住人はすべて魔王だということが、わかりました。



あれ? と、私はおかしな点に気が付きました。



魔王って、魔族の王ということだから、そんなにいっぱいいるはずないんじゃないかって思ったのです。



すると、魔王の長老は、言うのです。


「この異世界は、全員で魔王をやっているのだよ」



それって、おかしくないですか?



「そんなこともあるまい。王がひとりだけでなければいけないなどというルールでもあるのかね?」



いや、そういわれると、、、そういうルールはないかもですね、、、



「では、何も問題なかろう、、、」



はあ、まあ、、、みなさんが問題ないということでしたら、、、



ということで、どうやらみんな魔王ということでうまくやっている世界のようでした。



私としては、よりどりみどりで、魔王のお持ち帰りができそうなので、うれしくなりました。



異世界大辞典が、「合意のないお持ち帰りは禁止」というページを開いて、私の目の前をふさいできます。



わかりましたよ、合意を得ればいいんでしょ。合意を、、、。



私は、魔王たちを説得するために、新世界の良い点などを、あれこれを営業マンのように話はじめました。



ちなみに、本当に、彼らが魔王なのかどうか、どうしても確認したかったので、私は、異世界大辞典にあった「魔王トルネードバスター」という魔王しか使えない大魔法が、使えるかどうか、並み居る魔王たちに質問しました。



すると、魔王たちは、当たり前ではないか、、、というようなリアクションを示しました。



異世界大辞典によると、魔王以外のあらゆる生物たちを魔力の竜巻で巻き上げて地面にたたきつける大魔法だそうです。



見てみたいなと、ぼそっと言うと、、、、



空に真っ黒な雲がたちこめて、、、、やばい感じになったので、やめてくださいとお願いしてやめてもらいました。



本当らしい。。。。使えるんだ、、、「魔王トルネードバスター」



魔王同志が、そういう大技で争ったりしないのかと聞くと、他の魔王には効かないので、使っても意味がないという返事でした。



ただ、家や街が壊れるだけなので、大昔に、この大魔法を使う魔王はいなくなったそうです。



私は、せっせとツノのきれいな魔王を口説きました。



ですが、彼らはテレパシーが使えるのをすっかり失念していたために、なんとほとんどの魔王が、新世界に来たいといいはじめました。



彼らは、知性が非常に高いので、新世界の素晴らしさや体験操作能力の素晴らしさをたちどころに理解してしまったのです。



あ、ちょっとやりすぎたかな、、、と思いましたが、後の祭りです。



新世界には、「新世界への来訪希望者があれば、その来訪を拒むべからず、、、」というルールがあるのです。



あらゆる世界のあらゆる魂すべてを救助するために生まれた新世界なので、そうなっているのです。



ちなみに、この異世界の魔王の数は、1000憶くらいはいるそうです。



世界もかなりでかいようです。



ここで発生しているテレパシーは、どうやらその世界のすべての魔王に届くそうです。



新世界への来訪希望者数のカウンターが、、、、短時間で、億単位で増えて行くのがちょっとこわかったです。



まあ、新世界は、無限に魂が収容できる設定なので、無理ではないのですが、新世界の案内をするのが、さすがに、ちょっと大変なんです。



まあ、いいでしょう。案内役の分身体を億単位で出現させて対処しましょう。



とにかく、絶対的な体験操作能力さえ、みんなに持たせておけば、何があっても安全ですからね。



彼らは知性が高いので、案内役の手が回らない時は、自分たちで勝手に楽しんでくれるでしょう。



こうして、私は、ほぼ1000憶の魔王を従えて、新世界に凱旋したのでした。



侵略成功!



フィナーレが鳴り響きます。



みんな楽しそうでなによりです。



お祝いに、1000憶の「魔王トルネードバスター」が新世界で花火のように打ち上げられました。



それに、「オーラちゃん」が1000憶に分身し、トルネードに合体していろいろな色をつけてくれたので、それはそれは、美しかったのですよ。



まったりとしながら虹色に変幻する「魔王トルネードバスター」に体ごと巻き込まれる体験は、もう言葉にできない最高の体験でした。



こうして、新世界は、さらにさらに、異世界の良いものだけを取り込みながら、より素晴らしい楽しみに満ちた世界に進化してゆくのでした。



今日の教訓:体験図書館にある「異世界大辞典」は、信じすぎないほうがいい



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