第2章 1ー 43
カサはふてくされながら、眠りに就いた。底なし沼に嵌まっていくかのように、カサは不思議な夢に落ちた。なにやら夢の中に恋の群青色の天使が現れて、カサをあの森へと誘った。その森の木々やプリズムの小鳥は、カサに語りかけた。
「あなたは今、大大好きな人がいるみたいですね」
小鳥は言った。
「そのうえ、不器用な情け深い恋をしてらっしゃるようで」
それから小川は言った。
「あなたは優し過ぎるみたい」
風変わりな蝶々の子供は言った。
「波及効果をご存知なのですね」
カサは、ここかしこを呆然と見舞わしながら、空を一度見たあとに、地球より深い地面を眺めた。ここはあの世かしら、それとも来世?あの井戸の水に佇む残響を、ふと思い出した。あれは、忘却!
カサは徒然と息を吐き出した。
「森の皆さん、ありがとう。あれからというもの、あの日、あの人と出会ってしまってから、身が震えて怖かったの。このおののきは、まるで蛇の抜け殻をなめてしまったみたい」
群青色の天使は言った。
「それから、崖に立たされてしまったようですね。カサさんの命の奥では、覚えられておられる、ひとつなるあの御方は、愛を持って湖上からも突き落とされるのです。けれども、忘れないで、恐がらないで、、
それも愛の掌と薬指ですから」
その御告げの力なのか、しまいには、淡い泉にまで、運ばれたあとに、眼を覚ました。
そして、しばらくしゃらしゃらと呟いたあとに、二度寝した。
※続く




