第2章1ー34
アミ一行が待つ部屋の扉をルタンは開けた。その扉の重みというものを誠意を持って、開けてはいたが、そのようなものは、明鏡止水で露されているように、ルタンにとっては、自然のことであった。だが、その「自然」というものなかで営まれている、弛緩と収縮の運動をしばしばわたしたちは、忘れてしまうことがある。実際のその扉の持っている重力や無重力というものは、人間には近づけないほどの超自然的な動力で三世(過去、現在、未来)を祝っている。その時に自ら、働きかけた指紋、あるいは超弾性というものは、その確かな布石となっていくことだろう。だが、人間にはその実感が伴わないことも、また、確かである。
「皆様、お待たせ致しました。準備が整いましたら、これから王のところへ、わたしくしがご案内致します。共に、新たな指針を造り、旋風を巻き起こしましょう!」
アミ達は、その絢爛な腰掛けから、立ち上がり、ルタンの後に付いて行った。立ち去ったあとの部屋には、情熱の閃光が、様々な色彩を放ち、立ち籠めていた。その部屋の上昇気流は、やがて、あまたのものを繋げ、活発にする、オリーブを虚空世界に顕現し、そのオリーブはやがて、オリュンポスの雷により点火し、燃え、その炎により、あまたの現実世界にある、カストロフィーは、照らされて、安寧が訪れることになるだろう。それから、銘々の存在の中心から泉が静かに湧きいづる。その流れていくさまは、三色菫(さんしきすみれ、パンジー)が四季のうつろいを次第に、咲いていくようであった。
カサはというと、ルタンの登場によって、胸はときめき輝いて、撫でおろし、足には、時が満ちたのか、不思議なことではあるが、不死鳥の翼が血液に流れはじめた。
※続く




