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アミューの旅  作者: アミュースケール
第2章 輪廻転生
34/58

第2章1ー33

フェルマエ城は、白を基調とし、ところどころに金や銀なども散りばめられた玲瓏(れいろう)たる造りとなっていた。その華々しさは、見る者を、あの美しい桃源郷へと、いざなってくれるようであった。ルタンはフェルマエの国王に赤いマントを宙に遊ばせて、どこか巍然(きぜん)としながらも、膝をついて、恭しく言った。


「我が偉大なる国王様、大国フェルマエの雄偉なる国王様。是非とも、お話したいことがございます。わたしはこの度、ワラコへの遠征をして参りましたが、思わぬことが御座いまして、このフェルマエに帰ってくることにしました。また、これ以上ワラコに近づけば、犠牲者を多く出し兼ねないと、判断したからです」


国王は、ガイアのふところのような深みのある声を、玉座や王の間全体に響かせて言った。


「我が愛すべきルタンよ。おぬしのことじゃ、よっぽどのことがあったのじゃろう。それで、思わぬこととはなんじゃ」


「はい。ワラコの近くで陣を待機させていた時に、わたし宛てに、一文届きました。その内容は、このようなものでした。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


あなた方は、ワラコの街に、一歩足りとも近付けなくなるだろう。何故ならば、天から雷があなた方に、落ちるからだ。わたし達は、大いなる神と共にある。もしもここで撤退しなければ、その時は、あなた方の命の保証は出来ない、と。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


わたしもはじめのうちは半信半疑でしたが、この一文から伝わってくる得体の知れない大きなパワーを感じさせて頂きました。そこで、先ずは、偵察を四人送り様子を伺うことにしたのですが、案の定帰ってきた者は、一人だけでした。そして、その者に話を聞きましたところ、何やら空から荘厳な声が聞こえてきまして、そこで、このように言われたようです。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


聞く耳を持つ者は、聞きなさい。聞く耳を持つ者は、聞きなさい。これより先に行けば、先ずは、あなた方のうちの一人が、突然、眠りに就く。それでも先に行けば、一人が獅子に襲われ、さらに行けば、一人が、犬のようにこの平原を駆け回ることになるだろう。それでも、先に行くのであるならば、その最後の一人には、雷が落ちる。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


それから生還者が何やら光をまとっているように見えて、言動にも力があり、いつもよりも明らかに、異なるものを感じたのです。わたしは、メッセージ性を強く感じましたので、私自身みずから行かなければ、神に誠意は伝わらないと感じたため、陣にはその場で待機させて、私一人で、ワラコの街に向かいました」


やはり大国フェルマエを統治する王だけあって、勘が鋭く、機微を読み取る力も長けているため、いつもと様子が異なるルタンを目の当たりにし、驚いて、玉座から身を乗り出し言った。


「そのようじゃなルタンよ。わしにも(げん)として、伝わってくるぞ。それからどうなったんじゃ」


「それから、わたしはアミという男に出逢いました。その男を一目見た時に、この男の頭上には、光彩の花が咲いているように、見えました。それから全身には、光の羽衣のようなものを羽織られており、ここかしこや世界をまるで包み込んでいるような力を感じました。わたしは、感動し、わたしのような愚昧(ぐまい)な者でも確かに神の御臨在を感じられました。それから、その日は、その男と長らく語り合い、ワラコに一泊することにしました。日が明けてからは、この男の不可思議な力を持っていることの確信に到り、このフェルマエに連れていくことを決意しました。是非、このアミという男に会って頂けませんか、国王様」


国王は、ルタンの普段とは逸する意気軒昂(いきけんこう)たる雰囲気に、重い腰を上げた。言わずもがな。



※続く


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