第2章1ー13
愛?それは銀河よりも重たいものだ。ルタンは歩く。祖国の友のため、家族のため、自分のため。果たして…何々のためと言えるほど本当に「本当」という言葉の命に、「本当」という境涯に、実質到達するぐらい「本当」に、何かを愛してきたのだろうか…。おそらく「本当」に人を愛せたのなら、愛した人も、愛された人も「本当」に永劫に救われていくだろう。わたしたちの人生、あるいは輪廻転生とは、ひょっとしたら「本当」への果てしない変容の旅行ではないだろうか。わたしたちは次第に「本当」になる。また、元々「本当」で、ある。愛?それは、たとえば、あなたのなかにある悪魔や鬼、猛毒でさえも、まるごと、底無しに愛してしまって、共に、地獄の果てや三途の川、黄泉の国、天国の果てまで旅をして、そこで、真心を込めた、オ・バ・カ・ち・ゃ・んを、することではないだろうか。
ルタンが天然として立ち止まった。
再び、空から荘厳な聲が鳴り響いた。
「ルタン、ルタンよ。今から、汝のもとに、わしの愛すべき者が、来る。その者の言うことを聴かなければ、お前は雷に打たれて、ここで死ぬ。もしも、死を選ぶのなら、死んだあとは、お前の魂をわしの使いに、わしのところまで運んでもらって、わしが、本当のことを直接、教えちゃる、よん」
何故か、今回の神の御聲の末尾は、
「ちゃる、よん」であった。
四天王ルタンは、力が抜け
この心の荒野において、とてつもなくイモ臭い屁が出た。
それからまもなくすると、ルタンの目の前には、ある巨漢がやってきた。
そして、その巨漢が言った。
「お前は、ルタン。わたしは、ハマエ。そのまま平和を好むのであるならば、是非、ワラコに来てくれ。会わせたい人物がいる」
ルタンは、先程まで尋常ではないほど、プラチナやオリハルコン、いわばダイヤモンドのような覚悟を定めてきたが、ここに来て、それらよりも、まさかまさか硬い駄洒落のようなものが、やってきて、覚悟さんは摩擦されて、虚しくなってしまった。
わたしは、あまりにも、リキみ過ぎていたのだ。
ハマエは「本当」に素直だから、とてつもなくイモ臭いなにかを感じた為に、少しのあいだ、鼻をつまんだ。
ハマエと、ルタンの初対面は、何故か、とてつもなくイモ臭いものであった。
愛?それは、時には、とてつもなくイモ臭いものだ。
※続く




